テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ちーーず
3,230
i .
350
110
#かはさんお~いで!
『笑っている君が、一番心配だった。』
「優しさ」
翌朝
ちぐさが教室に入ると、すでに5人が揃っていた。
ちぐさ「おはよー!!」
けちゃ「ちぐ、おはよ!」
ぷりっつ「おはよー!」
まぜ太「おはよ。」
あっと「おはよう。」
あっきぃ「おはよ、ちぐちゃん。」
ちぐさは笑いながら席に向かう。
すると――
机の上に、小さな袋が置いてあった。
ちぐさ「……?」
袋を開ける。
中には、ちぐさが好きなお菓子が入っていた。
ちぐさ「これ……。」
けちゃ「あ、それ僕が入れた!」
ちぐさ「え?」
けちゃ「昨日好きって言ってたじゃん?」
ちぐさ「……。」
けちゃ「だから!」
にこっ。
ちぐさ「……ありがとう。」
けちゃ「どういたしまして!」
ちぐさも笑う。
けれど。
その笑顔が、ほんの少しだけ寂しそうだった。
1時間目
先生がプリントを配る。
先生「隣同士で確認してから提出するように。」
ぷりっつ「ちぐ、見せてー!」
ちぐさ「え、ぷりちゃん自分でやってよ!」
ぷりっつ「お願い!」
ちぐさ「しょうがないなぁ。」
笑いながら教える。
そのとき。
まぜ太「ちぐ。」
ちぐさ「ん?」
まぜ太「お前のプリント、まだ一問目だぞ。」
ちぐさ「……あ。」
自分のプリントを見る。
ほとんど進んでいない。
ちぐさ「あはは……。」
まぜ太「人のばっか気にしてんじゃねぇよ。」
ちぐさ「……。」
まぜ太「自分のもちゃんとやれ。」
ちぐさ「……うん。」
ちぐさは少しだけ笑った。
昼休み
6人で昼食を食べていると――
あっと「ちぐ、これ食べる?」
あっとが自分のおかずを差し出す。
ちぐさ「え?」
あっと「多かったから。」
ちぐさ「……いいの?」
あっと「もちろん。」
ちぐさ「じゃあ……もらう!」
あっと「どうぞ。」
ちぐさ「ありがとう!」
今度は、ちゃんと嬉しそうに笑った。
それを見たけちゃが笑う。
けちゃ「ちぐ、嬉しそう!」
ちぐさ「だって嬉しいもん!」
ぷりっつ「単純やなぁ。」
ちぐさ「ぷりちゃんに言われたくない!」
まぜ太「確かに。」
ぷりっつ「なんでや!!」
みんなで笑う。
けれど。
昼休みが終わる少し前。
ちぐさは一人で廊下に出た。
窓の外を見る。
ちぐさ(……みんな優しい。)
昨日も。
今日も。
ずっと。
自分のことを気にしてくれている。
ちぐさ(……なんで?)
その優しさが嬉しい。
でも――
同時に、少し怖かった。
ちぐさ(俺が何か言ったら……。)
ちぐさは手を握る。
ちぐさ(みんな、もっと心配するよね。)
だから。
言えない。
放課後
6人で帰る準備をしている。
ぷりっつ「今日帰りどっか寄る?」
けちゃ「クレープ食べたい!」
ちぐさ「俺も食べたい!」
まぜ太「お前ら昨日も食っただろ。」
ちぐさ「いいじゃん!」
あっきぃ「じゃあ行く?」
あっと「賛成。」
みんなで教室を出る。
廊下を歩いていると――
ちぐさが少し遅れる。
あっきぃ「ちぐちゃん?」
ちぐさ「……ん?」
あっきぃ「先行く?」
ちぐさ「……ううん。」
ちぐさが少しだけ笑う。
ちぐさ「一緒に行く。」
あっきぃ「……うん。」
2人でみんなのところへ向かう。
クレープを食べながら。
けちゃ「ちぐ、おいしい?」
ちぐさ「うん!」
けちゃ「よかったぁ!」
ちぐさ「けちゃも食べる?」
けちゃ「いいの!?」
ちぐさ「半分こ!」
けちゃ「やったぁ!」
2人で笑う。
その様子を見ていたあっきぃ。
あっきぃ(……。)
ちぐちゃん。
いつか。
ちゃんと頼ってくれるかな。
でも――
今はまだ。
急がなくていい。
そう思った。
――第9話・終わり。
コメント
3件
**はる。です。** 第9話「優しさ」、読んだよ。 みんながちぐさに気を遣ってるのが伝わってきて、ほっこりする半面、ちぐさが「言えない」って笑顔の裏で抱えてる寂しさが切なかったな…。特にまぜ太の「人のばっか気にしてんじゃねぇよ」って言葉、グサッときた。あっきぃの「急がなくていい」も沁みる。 次の展開、気になるわ🔥