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TOKIWAスイミングスクールは、日本全国に点在している。テレビCMでもよく見かける程、かなり有名なスクールで、芸能人やモデルさんなんかも多数お忍びで通っているらしい。



その中の1つ、この間、私に名刺をくれた「常磐さん」がインストラクターを務めているスクールに足を運んだ。



「TOKIWAスイミングスクール。常磐さんも同じ名前だけど、たまたま会社名と同じだったんだ……」



本当は行こうかどうしようか、すごく迷った。「必ず待ってる」なんて社交辞令かも知れないし、厚かましい気もした。



だけど……

気がついたら、私はバスに乗り込んで目的地に向かっていた。家から2駅、意外と近いところにあったことに驚いた。



バス停で降り、そこから徒歩2分の好立地に、とても綺麗な外観の建物があった。高級感も溢れ、思わず「本当にここ?」と疑ってしまいそうになる。



おどおどしながら自動ドアを入ると、オシャレな内装のエントランスが目の前に広がり、まるで高級ホテルに来たかのような感覚に陥った。床には大理石が敷き詰められ、ゆったりと腰掛けられるソファもいくつか置かれていて、数名のおば様達が談笑していた。



ネットの情報では、場所によってランクがあって、リーズナブルなスクールから、セレブが通うようなスクールまで、幅広く選択できるようになっているらしい。しかも、常磐さんが紹介してくれたこのスクールは1番ランクが高いらしく、実際来てみて明らかに場違いだと感じた。



場にそぐわない自分を恥ずかしく思いながら、エントランスの奥にあるレセプションデスクにいる女性に声をかけた。



「あの……初めてなんですが」



「ありがとうございます。ようこそお越し下さいました。こちらにお名前のご記入をお願い致します」



百貨店の化粧品売り場にいるような超美人が、ビシッとスーツを着ていると、ここがスイミングスクールだということを忘れてしまいそうになる。



「はい」



女性に見られながら文字を書くのは少し緊張する。



「……松雪 双葉様」



私の名前を見て、受付の女性は少し驚いたような顔をした。



「あ、はい……」



「常磐より聞いております。松雪様が来られたら、これをお渡しするようにと」



えっ? 私、常磐さんに名前を言ってなかったけど……

そっか、ママさんに聞いたのかな?



「あ、ありがとうございます」



受け取った名刺サイズのカードには、英語で「welcome to TOKIWA」と書かれていた。



「こちらをご提示いただきますと、いつでも、どのコースでも、どちらのスクールでも、ご自由に何度でもご使用いただけます」



「えっ? そんな……あの、こんなことをしていただく義理はないというか……その……」



私のあたふたしてる姿を見て、女性は少し笑いを堪えていた。



「常磐は、松雪様は大切で特別なお客様だからと申しておりました。どうぞ遠慮なくお使い下さい」



――大切で特別?

この前少し話しただけなのに?

あの人は、いったい何を考えているの?

世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~

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