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しかも杜若様は笑顔のまま『全てお見通し』と言わんばかりに、私の三つ編みを弄んでいる。まるで獲物の尻尾を捕まえて、離さないと言った感じだ。
狐じゃないけど『イジメないでっ』とキューンと、鳴いてしまいそうになる。
目線を下にしてツラツラと考える。
そもそも、私の炎がそんな不思議な力を持っていたなんて初耳だ。
私の炎が姉が巫女として祝福されたから、発現したと真実を変えられていても──別にいいと思った。
だってそれは私の純粋な雪華の家の力じゃなくて、大層な御技なんかじゃなくて。
私の前世が九尾の狐だから出来たことなのだろう。
言い換えれば妖の力とギリギリの紙一重の力だと、勘の良さそうな杜若様が気付くのではと、ドキドキした。
……あと、ずっと三つ編みを杜若様に触られていて、変にドキドキする。
『どうやって、そんなことをしたか』なんて問い詰められても困る。
なんとなくでやってしまったこと。
今同じことを出来る気がしない。
やはり出来た理由は前世が九尾だから──なんて。
口が裂けても言えないと思っていると、石蕗様がそっと口を開いた。
「雪華家はそれ以来『雪華円は、神に祝福された巫女』天の思し召しだとか大きな看板をあげて、勢いを付けたのです。本人もかなり努力したそうですが……そんな事情もあり、ここ最近力を付けてきた家なのです」
そして後ろの鏡写しのお二人。
宇津木様達が言葉を続けた。
「でも、雇う料金が高いしね。能力を安売りしないってことも大事だけどさ」
「今回の杜若様のお見合いだって、環様を探す為に受けたものですから」
雪華家はそんなことをしていたんだと、何も知らなかった。そして杜若様が私へと近づいた理由が分かった。
だから最初に出会って私の名前を知っていたのだろう。納得も出来たけれども何を言っていいかわからず。
口は閉じたまま、興味深々そうに私の三つ編みを触っている杜若様を見る。