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華がクロスを広げようとしたが、端がずれて斜めになってしまった。
「うまく……できない……」
そのとき、すっと背後から手が伸びた。
「もう少し腰を落として、腕をまっすぐに」
律の声と同時に、彼の手がそっと華の手に添えられる。
布を引く動作を導かれるように一緒に動かすと、クロスは驚くほどきれいに収まった。
「……これでいいんです」
振り向けば、すぐ近くに律の横顔。
至近距離に心臓が高鳴り、華は慌てて視線を逸らした。
「は、はい……ありがとうございます」
律は何事もなかったかのように次の作業へ向かう。
けれど華の耳まで赤く染まっていた。