激重展開になります。ご注意を
「寧々ちゃん、覚えてる〜?、この時のこと。」
「寧々ちゃん、ちょっと前に事故にあったんだよね。」
「…!!なんで、そのことを…。」
「あの時のこと、あたしずーっと覚えてるよ。」
彼女はそう言った
「…なんで、それを…。」
「寧々ちゃん、事故のとき、特に後遺症は無かったよね。」
「でも、あたしだけは知ってる。」
「…寧々ちゃんが、あたしと居た記憶だけ失くしてること。」
「……え…、?」
−数年前
あたしと寧々ちゃんは友達だった
何かと戦わないと気がすまないこの世界で、あたしと寧々ちゃんは”最強”と称えられた
普通は隊など大人数がいるところに所属して戦うのを、あたしと寧々ちゃんは二人で戦っていた。
チーム「ワンダーランド」として。
二人なら、なんでもできる気がしたから
“それ”はある日突然あたしたちに降り掛かった
寧々ちゃんが敵組織に目をつけられ、帰り道を狙われたらしい。
彼女が病院に運ばれたと連絡が来て急いで病院へ向かった
彼女を、失う訳にはいかなかったから。
彼女が目覚めたと聞いた時は本当に嬉しかった。
その時までは。
「…!!寧々ちゃん…っ!!起きたんだね!」
あたしがそう言いながら病室に入ると、彼女は想像と全く違った反応をした
「……、?誰……、?」
数日後、風の噂で聞いた
彼女が、あの時の組織に入ったと。
〜
「あの時はびっくりしたなぁ〜。お医者さんによると、ほんと、あたしの事だけ綺麗に忘れてたんだから。」
彼女は続けた
「でも、戻ってきてくれるって信じてたんだよ、」
そう言うと、彼女はわたしに腕を伸ばした
「ねぇ、まだ遅くないよ。」
「ねぇ、!あたしと一緒にいようよ、!今は彰人くんもいるし、!あたしたち絶対また”最強”になれる!」
「………え、む…。」
「いたぞ!!」
何処かからか声が聞こえた
それと同時にうるさい爆発音が聞こえ、目を開けると彼女は居なかった
「…え………、?」
少し目線を下げると、きれいなピンク色の髪が少し赤くなり、倒れている彼女が居た
「………え……む…、?」
何十人かが一気に集まってくる
その人たちの顔ぶれを見ると、わたしの仲間の人たちだった
「草薙!!大丈夫だったか?!」
「…皆…。」
何人かがわたしの身体に傷が無いかを確認している
「草薙、青柳を探しに行ったっきり居ないからもしかしてと思ったら本当にいたとはな…でも、ワンダーランドの一人を殺れたのは大進歩…」
「う゛るさいっ゛!!」
衝動的に声が出た
「?!」
皆が驚いているのが見える
「……」
彼女の髪を触る
撃たれた衝撃で切れた髪を手に取ると、何処か見慣れた長さになった
「……っ、」
「今更思い出しても、どうにもなんないじゃん……。」
後日
多少の怪我を負っていたわたしは病院に運ばれ、数日間の入院を命じられた
例の失踪していた青柳は、放心状態で血塗れのまま座っていた所を発見された。
どうやら彼は彼なりに例の”彰人くん”とやらと戦っていたらしい。
それから彼とは話していないが、ずっと何かを考えた状態で外を眺めているらしい
そして、わたしは…
「う…っ、外さむ…、もう冬も開けた筈なのに…」
そんな独り言を呟く
医者に頼み込んで外出許可を取り、少し痛む体を抑えながら歩く
わたしは退院したあと、この隊を辞めるつもりだ。
数十分歩くと、そこには綺麗に加工された石が複数並べられた場所に着いた。
「…えーっと…ここ、か。」
「鳳家の墓。」
供えられた綺麗な花の所に水を入れて、手を合わせる
(………最期、えむはどんな気持ちでわたしと居てくれたの?)
(もう少し先にわたしがこの事に気づいてたら、今えむは生きてたのかな?)
目を開けて立ち上がる
(…そんなこと、今更考えてもどうにもならないか。)
持ってきていた荷物を探り、中から物を取り出しす
(……えむは、寂しかったんだとおもう。)
(それなのに、わたしはそれに気づけなかった)
「…また、近いうちに会いに来るからね。」
そう言って、墓石の前にそれを置いた
ピンク色の袋に包まれた、彼女が好きだった鯛焼きを。
Remind
next…?→
コメント
4件
ゔゔっっっありがとうございました、、やっぱりわんだほいなんだ……こ なさんの書く小説ってたくさん気持ちこもってて大好きです…💘
仲間の人の口調が某ペガサス君とそっくりになりましたが全くの別人なのでご安心ください
6/8