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4人がベッドを見つめたまま、沈黙が流れた。小屋には、どこからどう見ても ベッドが2つ しかない。
「えっと?」みりんが目をぱちくりさせる。
「なんで4人いるのにベッドが2つなんだよ!」いさなが声を荒げた。「設計ミスか?誰かが使い込んだ?」
「んなわけないでしょ!」ゆうなが手を腰に当てる。「草集めてたの、みりんと私だよ。人数分の草が足りなかったの!」
「つまり…今日はこれで我慢しろってこと?」萌香が困ったように笑いながら言う。
いさながベッドを指差しながら提案する。「じゃあ、こうしよう。俺と誰かが一緒に寝て、残りの2人がもう1つのベッドを使う。草は意外とクッション性があるから、多少くっついても平気だろ。」
「ゑ、無理、いさなとなんて絶対無理!」萌香が即座に拒否。「一緒に寝るって、普通じゃないよ!」
「じゃあ他に案あるのか?」いさなが肩をすくめる。
「待って待って!」みりんが間に割って入った。「落ち着いて!こういう時こそ協力しないと。私が床で寝るから、みんなでベッドを分けて使って。」
「ダメだよ!」ゆうながみりんを制止する。「床で寝たら寒いし硬いから、絶対疲れが取れないよ。」
「じゃあ、交代制にしない?」萌香が提案した。「4時間ごとに寝る人を変えるの。2人ずつならなんとかなるんじゃない?」
みんなの意見を踏まえ、最終的に以下のスケジュールが決まった。
第1ベッド(いさな & みりん)
第2ベッド(萌香 & ゆうな)
「文句ないだろ。」いさなが腕を組んで頷いた。
「でもさ、けっこう気まずいよね。」ゆうなが苦笑いを浮かべた。「一緒にベッドなんて。」
「大丈夫大丈夫!」みりんがにっこりと笑う。「これもサバイバルの一部だよ!」
いさなとみりんが最初にベッドへ。さすがに男女で隣り合うのは気まずい空気が漂っていた。
「いさな、もう少し向こう寄ってよ!広く使いたいんだけど。」
「俺だって限界まで寄ってるぞ!これ以上無理!」
一方、別ベッドの萌香とゆうなは小声で話していた。
「なんか、みりんさんといさなさん、面白いコンビだね。」ゆうなが笑いをこらえる。
「本当だよね。でも、私たちも順番が来たら覚悟決めないと。」萌香が肩をすくめた。
こうして、質素な小屋での最初の夜が静かに更けていった――とはいえ、お互いの距離感に戸惑う4人にとって、この「遭難」はまだまだ始まったばかりだった。