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それから数日、これまでと何も変わらない毎日のようで、私は以前より夫の行動を注視していた。
以前は、無視されていることに気づきたくないがために、特別見ないようにしていたのだけれど。
「千愛、パパ。お昼、そうめんかざるそばかどっちがいい?」
土曜日、二人のゲームがもう終わる時間だろうと思って声を掛けた。
「どっちでもいいよぉ」
と、答えてゲームの電源を切った千愛。
隣の夫は、何も言わずにスマホを持ってリビングを出た。
「じゃあ、そうめんにしようか」
誰もおらず、エアコンも動かしていない二階へ夫が行く。
階段の音を聞きながら、私は千愛に
「ツナ、いる?」
と、トッピングを相談しながらキッチンでお湯を沸かした。
こそこそ…コソコソ……
私がそういう目で見ているからか。
でも今日だけでない。
「あれ?千愛、いつもツナを一番入れて食べるのに、今日はオクラ?」
「美味しい」
「ママの一番好きなそうめん用トッピングよ」
「でもツナも美味しい。今日のネギは辛い」
「そうかも。夜お味噌汁に入れちゃうね。パパ、1時くらいに出る?」
「……わかった」
考え事をしているのか、無言で黙々と食べる夫に、このあとショッピングモールに行く予定を確認するとシンプルな答えが返ってくる。
これが日常なら問題ないけれど、明らかに不自然よね。
千愛と話をせずに食事をしているんだもの。
暑い時期の週末は、ショッピングモールに行くことが増える。
まずは、千愛がお友達の誕生日プレゼントを買いたいというので、可愛い文具やキャラクターグッズのお店に入る。
「1000円までよ」
「わかってる」
千愛が500円、親から500円の1000円以内のプレゼントを持って、お誕生日会へ行くことはパパが千愛と約束していた。
でも今、お高いキラキラと可愛いグッズをあれこれ手にする千愛に声も掛けず、なんとなくついて歩くだけの夫はやっぱりおかしいと感じた。