とても綺麗な夢を見たの
空に広がる綺麗な青と地を彩る綺麗なお花
そこに大切な誰かが居る夢
「素敵でしょ?」
そう話す君が綺麗で愛おしくて堪らなかった
例え君がソレを夢と呼んでいても気にならないくらいに
『今度一緒に探しに行くかい?』
自分が叶えたい願いを
君が望んだかのように聞いてしまった
それなのに君は
無邪気な子どものように喜び 笑顔を咲かせた
「わ〜!夢で見たのと同じ!」
『そうかい。良かった』
同じ所に来たのだから当たり前だ
『あぁ…綺麗だ…』
白いワンピースに大きめの麦わら帽子
君は本当にお花が似合う子だね
こんなに綺麗で可愛らしくて愛おしい子
だから、神様はこの子たちを摘もうとしたのだろう
でもそれは叶わず、
この子は孤独な花になってしまった
「おじいちゃん、私ここ、来たことある?」
『夢で来たんじゃないのかい。』
「違う、の。なんか ね」
「大好きな人達が、私を 呼んでる の」
「分からないのに 優しくて暖かくて 」
「苦しいよ、おじいちゃん…」
思い出しかけているんだね。
ここは君のご両親と君が来た花畑なんだよ
不運な事故で両親を摘まれてしまった
そんな小さな女の子を守る為に、
記憶を刈り取られてしまったんだ。
『お花は涙じゃ咲かないよ』
『大丈夫だ、ゆっくりでいい。』
『じいちゃんが一緒に居るからな』
どうか神様。
この子にまだ小さい花に、
光を与えてやってくれないだろうか。
この子は綺麗に咲くべき花なのだから。
コメント
4件
うわ……いい。 好きだわこの話。書き方といい表現といい……全部良すぎる。空白の使い方とか上手すぎる。神やわ。
おじいちゃんが叶えたかったことは「もう一度心から笑って欲しい」だと嬉しいです