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「未練の恋には華やかあり」
・~登場人物~・
鈴白澪緒(すずしろ みお)
「私立聖麗学園」に通う中等部一年生。クラスのムードメーカーであだ名は「すずみお」誰にでも優しい女の子
王崎ショウ(おうさき しょう)
「私立聖麗学園」の転入生。超イケメン!無口でクールだけど実はとある秘密がたくさんあるらしく…?
獅子堂レオ(ししどう れお)
ショウの幼馴染で転入生。ワイルドで活発。かなりの辛党で負けず嫌い。
鈴木春流(すずき はる)
澪緒の大親友で可愛い系の美少女。幼い頃から満月の日にだけ学校に来ないのには深いワケが…?
月城輝瑠(つきしろ ひかる)
澪緒と春流の幼馴染。いたずら好きで嫉妬深く愛重。寧々と同じで満月の日だけ学校に来ない。あだ名はひかるん
❣あらすじ❣
わたし、鈴白澪緒。私立聖麗学園に通う中等部一年生。幼馴染のねねちゃんとひかるんと平和な学園生活を送っていた、はずなのに―!?突如現れた謎のイケメン転入生—ショウくんと、ショウくんの幼馴染—レオくん!二人の大暴れによって学園中が大騒ぎに!しかも、どこか変わっていて、まさか人間じゃない?転入生に振り回される第一巻!
1、謎に満ちた朝
「いってきまーす」
そういって家を出る。春が近づき始める四月の朝はまだ少し寒い。
わたし、鈴白澪緒。私立聖麗学園に通う中等部一年生。肩までのびた黒髪セミロングに黒い瞳—どこにでもいる女子中学生だ。
でも、今日は心底ドキドキしていた。
なんでかっていうと、実は今日は転入生がくる日なの!しかも二人!クラスの女子勢は
「イケメンかな―っ!?」
「無理むり! 心臓、とまる!」
なんて集まって大騒ぎしていたんだ。
男子勢は死んだ魚のような目をしていたけど。
(それにしても入学早々、転入生とか…人生、いろんなことがあるもんだな…)
そんな呑気なことを思いながら、遅刻を気にして足取りを速くした。
だからわからなかったんだ。
電柱からこっそりこちらを見ている金髪に気づくことなんて―
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教室に入ると、もう女子はほぼ全員登校していた。
校内では使用禁止のスマホもちゃっかり出している。
「あー! すずみおー。おはよー」
人懐っこい笑顔を浮かべてわたしに手を振ってくれたのは、わたしの大親友で幼馴染のはるちーだった。
腰までのびたオレンジ色のロングヘア―に大きな二重の黄色に輝く瞳、そして涙袋にあるほくろ。
だれがどう見ても見惚れるほどの可愛さだった。
「おはよう、はるちー。…噂の転入生の話でもちきりなの?」
「そうだよー、朝っぱらからね。うるさすぎて眠れなかったよー」
はるちーの言葉に思わず苦笑いを浮かべる。
眠れなかった、というのははるちーは朝がものすごく弱くて寝坊をよくしちゃうからなんだ。だから朝一で来て、ホームルームが始まるまで眠っているんだ。でも毎日続けているから、クラスの恒例行事になっちゃったんだ。
「ど、ドンマイ…」
ほかに言葉が見つからなかった。
あったとしても、言わないほうがたぶん、正しい。
「ほらー席着けーはじめるぞー」
担任の先生が入ってきた。
あたりを見回すと、わたしの左隣が空いていた。
これもクラスの恒例行事の一つ。わたしが気を利かせて椅子を出しておいた。
すると、廊下からドタドタと忙しない足音が近づいてくる。その正体は―
「はーい、ギリセーフ!」
先生が欠席を取ろうした直後、長身が華麗なスライディングで教室に滑り込んで流れるように椅子に座った。
「残念だな、月城。悪いが遅刻だぞ、一分」
「え~先生のけちぃ!」
「ケチじゃない。校則だ」
先生にこんな友達のようなやりとりをするのはわたしのもう一人の幼馴染、月城輝流。
黒髪センター分けヘアーに宝石のような赤色の瞳。
―顔はいいくせに性格は悪ガキなの!
でも、毎日遅刻を繰り返す問題児でも悪ガキでも成績は優秀だから先生も強くは言えないらしい。
このままじゃダメだと思い、
「また遅刻? いい加減、早寝早起きの習慣、つけなよ」
誰にもきこえないように小声でひかるんに言う。
すると、ひかるんは拗ねたように頬をぷくっと膨らませて
「仕方ないじゃん、朝弱いんだから」
と、言った。
(くぅー!! 言い方むかつくー!!)
両頬を膨らませてひかるんを睨んだ。
ひかるんの喉袋が上下したのは気のせいだろうか、そのまま顔をグイッと近づけてきた。
「へ…—?」
間抜けな声が出た。
だって、自分の顔のすぐ近くに可愛い子犬系男子の顔面があったから。
顔が熱くなるのがわかる。
なんだかはずかしくなってきて顔を背けようとした。でも、正面から手がニュッとのびてきてわたしの顎を掴んで強制的に自分のほうへ向かせた。
「…い…」
「え?」
なにかひかるんがぼそり、とつぶやいた声は風の音と先生の黒板に文字を書く音によってかき消された。
ひかるんの瞳を見ていると、ようやくひかるんは正気に戻ったのか、首をぶんぶんと振って
「ごめん…なんでもない…」
と言って手を離した。その横顔が一瞬だけさみしそうになったのをわたしは見ていなかった。
不思議に思いながらも、わたしは気にすることなく前を向いた。
先ほど、先生が黒板に書いていたのは転入生の文字だった。
「王崎ショウ」「獅子堂レオ」
と書いてあった。文字からしてオーラがすごそう。
先生が名前をよんだ。女子の視線が前のほうのドアに集まる。
そして、転入生が入ってきたとき、となりのひかるんの声も、ろくに聞こえなかった教室が一瞬で静まり返った。
「王崎ショウ…」
「おれさまは獅子堂レオだっ!」
最初にしゃべった子は何事にも無関心っていう感じですぐに口を閉ざした。
一方、次にしゃべった子は元気がよく、高い声は教室によく響いた。
(めっちゃテンション高い…)
初日とは思えないテンションの高さに圧倒されていると、ふと、ショウくんと目が合った。
すぐに視線をそらされると思って気遣いしてそらしたのに、次、ショウくんを見たときにはわたしのことをガン見していた。こわいくらいの真剣なまなざしで。
すると、わたしの目元に何かが当てられた。
(え、えぇ!? な、なに!?)
慌てふためくと、耳元でひかるんの低音が響いた。
「ちょっとこのままにしてて。すぐ、終わる」
はてなマークが頭上に増えていく。
でも、ひかるんはお構いなしなのか、わたしを引き寄せた。額にやわらかい、あたたかい感触があった。
(え…? い、今、き、キスされたぁぁ!!?)
慌てて飛びのく。
心臓がドッドッっと、とんでもない大音量で鳴っている。
すると、目元を覆っていたものが外れた。それは…
ひかるんの制服のネクタイだった。
一瞬、本当に思考が停止した。
脳が完全に理解することを拒んでいるのが自分の心音でわかった。
(これは夢だよ、うん。きっとそう。…だよね?)
確かめるようにひかるんを見ると、その目は見たこともないほど、ダークに染まっていた。ハイライトがほぼない。いや、全部ない。
ゾクっと寒気がした。鳥肌になった。
ひかるんはこちらに手を伸ばした。あまりにもその手がこわくて目をつむった。
すると、パンっと聞くだけで痛い音が教室に響いた。
ゆっくりと目を開けると、そこにはひかるんの腕をがっちりと掴んで離さないショウくんの姿があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 続く ―――――――――――――――――
あとがき
みなさま、こんにちは!新作「未練の恋には華やかあり」はどうでしたか!?コメントで教えてもらえるととっても嬉しいです✨
なんだか想像とちがう物語になってしまいましたが、失敗は成功の基!というわけなので百歩譲って良しとしときましょう!
みなさんはどういうキャラが好きとかありますか?
わたしはダーク×ヤンキーが大好きで!
新キャラ参考にもしたいのでぜひよろしくおねがいします! それでは、バイスズ~!
!次回!
2、キズナ
コメント
3件
いや〜、第1話からすでにヤバいっすね!ひかるんのネクタイ使って目隠しキス未遂(?)からのショウくん登場の流れ、テンション上がりました🔥 幼馴染同士の距離感と転入生の謎オーラ、両方気になりすぎます。あとがきの「失敗は成功の基」ってのには思わずニヤリ。全然失敗じゃないと思いますよ、このダークな空気感好きです!次話も楽しみにしてます✨