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「外、行きたいなぁ、、、」
窓際にあるベットの上から、外の景色を眺めるらんが、すっごく小さい声で呟いたのを、俺は逃さなかった。病気の影響で、外に出る以前に、まともに病室から出ることも出来なくなった。でも、らんが外出が好きなのは、よく知ってる。だから、俺は今日、ある書類を持ってきていた。
「外、行きたい?」
「え?行きたい!けど、、、無理だよ」
驚いてこっちを見たらんは、一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐに俯いた。
そんならんに、俺は書類を見せる。
「これって、、、!」
「外出許可、取ってきたから」
そう、俺が持ってきたのは、外出許可証。主治医の先生にめちゃくちゃ無理言って許可してもらった。
「車椅子ならいいって」
「やったぁ」
ひさびさに見たらんの嬉しそうな顔。それだけでちょっと泣きそうになったのは内緒。
「ほら行くぞ」
らんをベットから抱き上げ、車椅子に座らせる。軽っ、元から軽かったけど、びっくりするぐらい軽くなってる。ご飯、あまり食べれてないみたいだしな。
「うわぁ〜!」
病院の中庭まで車椅子を押してきた。久々の外に目を輝かせるらん。よかった、許可取ってきて。
「ねぇ滉斗!見て!あの花綺麗だね!」
「あぁ、綺麗な赤色だな」
「あ!ちょうちょ!見てみて!花にとまってるよ!」
「よかったなw」
ずっと見れなかったらんのはしゃぐ姿。本当にこの子は外が好きなんだと、改めて感じた。
幼い子供のように声を上げるらんを見つめていたら、異変を感じた。
「あれすごっ、、、ゴホッ、、、ゴホッゴホッ!」
「らん!」
少しはしゃぎ過ぎたようだ。らんの呼吸が浅くなっている。
「らん、らん!ゆっくり呼吸しよ、ゆっくりだぞ」
「はぁ、、、はぁ、、、ゲホッ」
まずい。気付くのが遅かった。らんの意識が薄れはじめている。誰か、看護師を呼ばないと。
「すいません!看護師さん!」
「はい!どうなさいました?」
俺は、中庭を通りかかった看護師さんを呼び止めた。
「すいません!彼女が!」
「本当だ。らんさん、らんさん、苦しいですね。病室戻って処置しましょうね」
「すいません、、、!」
「大丈夫ですよ。彼氏さんも、病室戻りましょう」
看護師さんが素早く連絡をする。すぐに数人の看護師さんが移動用のベットを持ってきた。
何も出来なずに突っ立ている間に、車椅子からベットに移されたらんが、病室に運ばれてゆく。
看護師さんに声をかけられて、やっと現状に気づいた俺は、病室に向かって走った。