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子どもが生まれたのに、まだまだ新婚気分で、
イチャイチャ、ラブラブな2人。
今は、お互いが大好きだ♡という気持ちをさらけ出しているが、亮の方が舞のことを想う気持ちが、少し上回っているようだ。
ある日、舞は、良いお天気だったから、瞬くんと、
亮に買ってもらった電動自転車で、あちこち走りながら、お買い物へ行った。
結構、走って隣町まで行った。
横断歩道で信号待ちをしている時、向かい側に、
亮の姿を発見した。
「あ、瞬くん、パパだ!」と、手を振る。
亮も気づいて、舞と瞬に手を振る。
隣りには、同じ議員さんなのか?若い女性の方が居た。
亮が走って来るのが見えたので、そのまま渡らずに
止まって待っていた。
「どうしたの?」
「良いお天気だから、こっちまで走って、お買い物をして帰ろうと思って…」
「そうなんだ。瞬〜!」と、瞬に話しかける亮
「亮は?」
「あー視察の帰り」
「そうなんだ。」
と、ゆっくり歩いて渡って来られた、亮と一緒に居た
女性議員さん。
「藤堂さん、速いから…」
「あ、すみません。」
舞の方を見て「同じ議員の林さん」
「はじめまして、林です。」
「はじめまして、主人がいつもお世話になっております。」
「あ、いえ、とんでもない。こちらがお世話になりっぱなしで…」
「じゃあ、舞、瞬また、あとでね〜すぐに帰るからね〜」
「あ、うん、じゃあ…」
「それでは、失礼します。」
「あ、はい、失礼します。」
なんだろう…
このザワザワした気持ちは…
ただの同僚じゃないか!
でも、なぜ2人なの?秘書さんは?
他の人は?
イヤ〜な気持ちだけが残った。
見なければ良かった。
会わなければ良かった。
オバサンなら、なんとも思わなかったのか?
同じぐらいの30代の女性だ。
一気にどんよりした気持ちになり、急いで足りない物だけを購入して、帰った。
瞬くんは、疲れたのか、自転車で眠ってしまった。
1人、ボーっと考えながら川沿いを走って帰る。
風を切って走るのは、気持ちいいが、心の中は、
どんより重〜い気持ちのままだった。
『こんな気持ちのままじゃダメだ!亮が帰って来たら、正直に話そう!』
「ただいま〜」亮が帰って来た。
「おかえり〜」
「舞、ただいま〜」
いつもと変わらず、手を消毒し、ハグをする亮。
でも…
舞の様子は、少し違って…離れない。
「ん?どうした舞?瞬は?」
「眠ってる」
「そうか…どうしたの?」
腕の力を緩めて、亮をジーっと見つめる
「ん?」
目線を下に落として
「ううん…」と、離れようとした舞
「え?ちょっと、何?何?どうしたの?」
と、慌てて、舞の腕を掴む亮
「…」下を向いたまま、何も言わない舞
「ん?舞?」と覗き込む
「どうして、今日2人だったの?秘書さんは?」
「あー先に戻ってただけだよ。俺たちは、打ち合わせがあったから…」
「俺《《たち》》」
「ん?もしかして、林さんのこと?何?舞ちゃん、心配してたの?」
なんだか茶化すから、ムカッとした舞
「別にそんなんじゃ…」
「なんか、怒ってる?」
「もういい!」と、舞は亮の手を振り解いて、中へ入ろうとした
亮は、すかさず舞を抱きしめた。
「ごめん、イヤな言い方したよな。」
「もういいってば…」
「何もないよ!舞が心配するようなことは…」
「心配なんかしてないよ!離して!」
「離さない!」と言って抱きしめたまま離さない亮
「…」
しばらくして…
「もう分かったから離して!」
舞の目には、涙がいっぱい溜まっていた。
「ごめん、そんな顔させて…」
「ううん、勝手に怒ってるだけだもん。」
そう言うと、やっぱり涙が溢れ落ちた。
「舞〜ごめん」また、ぎゅーっと抱きしめた。
「綺麗な人だった」
「あーそうだなぁ〜でも、何もないよ。」
「お世話になりっぱなしで〜って…」
「まあ、社交辞令でそう言うでしょう?」
「知らないけど…」
「舞〜ヤキモチ焼いてくれたの?」
「…」
「ありがとう〜嬉しい〜♡でも、本当に何も無いよ!」
「ふ〜ん、もういいって…」
「え?まだ怒ってんじゃん!」
「…」
「怒ってない!ちょっと不安だっただけだよ。」
「そうか…ごめんな」
舞が落ち着くまで、ずっと離さない亮。
手を緩めて、舞の顔を見る亮
「ごめんな」
「なんで謝るの?何も悪いことしてないんでしょう?」
「してないよ。でも、イヤな言い方したから…」
「…」
「本当に何もないよ。」
ジーっと亮の目を見つめる
「分かった。」
「ホントに?」
「うん。ごめんね。疑って…」
「ううん。舞に心配されて嬉しいよ。大好きだよ。舞〜」
また、ぎゅーっと抱きしめる亮
「2人きりとか、あるの?」
「いや、今日は、ホントにたまたまだよ。」
「いつもは、他にも誰かが居るし…」
「ふ〜ん、そうなんだ。」
「ん?まだなんか納得してない感じ?」
「そうじゃないけど…モテる旦那様だと、ツライね」
「えー!舞〜」と、顔を見る
『やっぱり、嬉しい♡でも、そう言ったら、また怒られる』
ニヤニヤ
「俺だって、舞のこと心配してるんだから…」
「ふふ、あるわけない!子連れだよ。」
「そんなことない!心配〜」と、また抱きしめる亮
「ふふ、バカっプルだね」
「ほら、舞も一緒だよ。」
「違うもん、亮は…」
「何?」
「カッコイイし、知らないうちに優しくしちゃうから、いつも言い寄られてたんでしょ?気づかないのが悪いよ!」
「それは、独身の時の話でしょう?もうないよ。」
「気づいてないだけかも…」
「ないよ!」真面目な顔で、ジーっと見つめる
「ホントに?」
「うん。でも嬉しい〜」と、思わずキスをする亮
「あ!お風呂入ってないのに…」
「ごめん。我慢出来なかった。舞が可愛いから…」
「…」照れる舞
「仲直り♡」
「うん」もう一度キスを落とす亮
安心する、ハグとキス。
2人には、仲直りの重要なアイテムです。
「お風呂入って来て〜」
「うん、そうする。舞は、瞬と入ったの?」
「ううん、まだ」
「じゃあ、瞬が起きるの待ってるよ。」
「じゃあ、先にご飯食べる?」
「うん、そうする。」
「うん、分かった。ありがとう。」
「ん?舞が入れようと思ってたの?」
「うん。」
「舞〜もっと、頼ってって言ったでしょう?」
「だって…」
「なんでだよ〜もう〜ヤダよ!頼ってくれなきゃ〜また、イチャコラするよ♡」と笑ってる。
「ふふ、なんでよ。でも、ごめん」
『笑ってしまった』
「え?そのごめんは、イチャコラ拒否?」
「違うよ、あ、違うって言うのもおかしいけど…」
「ふふ〜違うんだね。」
「違うは、違う」
「ん?どっちだ?わかんないから、イチャコラしようね♡」
「なんでよ〜」
「仲直りだよ♡」
「ふふ」
「笑って誤魔化したなぁ〜舞〜あとでね♡」
「ふふ」
「お、否定しないからいいよな♡」
舞と一緒に、先にご飯を食べた。
わざと、亮は、大きな声で…
「美味しいね♡」と言う。
「ふふ、うん、美味しいね」
「舞!」
「ん?」
「大好きだよ」
「ふふ、なんでご飯食べてるのに…」
「いつでも言う!」
「ふふ、変なの?」
『愛してるよ、舞』ずっと言っていたい!
『だいたい、イチャコラってなんなんだ?イチャイチャでしょう?』と、思う舞
でも、今、すごく愛されてる♡と、実感出来ることが嬉しい。
高校生のあの頃みたいに、ラブラブ♡
亮のことが大好きで、周りが見えなくなるぐらい
夢中で愛してた。
顔を合わせると、いつもニコニコし合ってた。
なのに、亮が卒業して大学へ行き、
毎日会えなくなって、すごく寂しくなったんだ。
襲いかかる不安、嫉妬、束縛…
それが、亮を苦しめ、自分をも苦しめ、
好き過ぎて、ツラくなって…
だから…
好きになり過ぎると、また、ツラくなるんじゃないか?と、不安になる。
でも、あの頃は、お付き合いをしていただけの恋人、
彼氏と彼女という立場だった。
今は、|歴《れっき》とした妻になったのだから、
凛としていれば良い。
なのに、妻となったのは、再び恋人となった期間が
短いから不安が大きくなってしまうのだ。
3年間、亮の中では、舞は、恋人だった。
でも、舞は、未だに多く居た中の1人だったと、
思っているから、どうもセフレ感が抜けない。
結婚して、ようやく妻の座を獲得した。
でも、まだまだ『妻初心者』だから、何かあればすぐに不安が襲いかかってくるのだ。
周りなんて関係ない!
亮は、私の夫なんだから…
そう思って居れば良いのに、自信がなくて…
もっともっと愛されたい♡
もっと亮のことを愛そう♡
もう、母なのに、まだ、夫に恋してる舞だ。
今夜は、もっと夫を愛したい♡
愛されたい♡そう思う舞だった。
亮に瞬くんをお風呂に入れてもらい、
舞は、後から1人でゆっくりと入ることができた。
「ありがとう〜ゆっくり入れた。」
「良かった。」
そして、瞬くんに授乳したら、亮がゲップをさせて、
また、寝かしつけてくれた。
「瞬、もう寝たよ」
「ありがとう〜」
『ようやく2人だけの時間』そう思った亮は、舞をそっと抱きしめる。
「ハア〜やっと抱きしめられた。」
「ん?帰って来てすぐにも、抱きしめられたよ。」
「あの時は、舞が悲しそうだったから…」
「そうだね、ごめんね。」
「ううん。妬かれるのも悪くない。」
そう言って、困った顔をしている舞を見つめて…
優しくキスをする
「舞!大好きだよ。」
「うん」
「心配なんてしなくていい。」
「うん」
そう言って抱きしめた
「舞〜もう抱いても大丈夫かなぁ?」
「う〜ん、1ヶ月健診は、とっくに終わってるし…
たぶん…」
「え?そうだったの?ずっと待ってたんだけど…」
「だってまだ、なんとなく怖かったから…」
「そっか…」と、少し落ち込んでる亮
「亮!」
「ん?」
「いいよ」
「ホント?」
「うん」
「大丈夫?怖くない?」
「うん。ふふ、なんか初めて…みたいな聞き方」
「だって…《《初めて》》だし…」
「うん」
「優しくするから…」
「うん。《《初めて》》だからね。ふふ」
『ホントに初めてだったアノ時みたい。』
「うん。」
『うわー何年ぶりかのドキドキ♡ホントに初めての時みたいだなぁ』