テラーノベル
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ヒナは、めめの表情、仕草までをただ静かに観察する。
_だが、何も見えない。
(…めめ様、本当に知らなそうだけど…いっちいち怪しいんだよね…)
めめは微笑んで見せる。
「あの、皆様どうかしましたか?」
「…私を疑ったって、何も出てきませんよ?」
困ったような表情をする。
_だが、沈黙は続いた。
めめのメイドも、なんだか発言権を奪われているかのように、何も言うことができない。
ヒナのメイドは思う。
(…ねぇ、本当にこの人じゃないんですよね?)
ヒナやメイドたちは余計、めめを鋭い目つきで見る
(…ああもう、なんでこんなに怪しく見えるの!!?)
ヒナは心の中で怒りすら吐き出すほどであった。
「…」
沈黙が、流れ続ける
一方でルカも、めめやめめのメイド達を見ていた。
(…この人が悪人?だとは思えないんだけどなぁ。)
よく見たとて、顔を触るだとか、姿勢が落ち着かなくなるようなことは全くない。
(嘘は…ついて無さそうだな、やっぱ。)
ルカは5秒、めめ達を観察する。
(空気重すぎんだろ…はぁ。)
(けど…)
ルカは観察した上で、発言する_
「いや、めめ様達は嘘ついてないと思いますよ。」
メイドと執事が、驚いた様子でルカを見つめる。
ヒナは黙って、めめから視線を逸らした。
めめとメイドたちは安心したような表情をする。
それもルカにとっては、何かを隠しているようには到底見えない。
「…どうしてです?」
執事は聞く。
「…嘘つきの仕草をしてなかったですし、声のトーンはこう…”バレそう”みたいな焦りではない気がして。」
「本気で何も知らないんだと俺は思いますけどね。」
ヒナは少し複雑そうな表情でスコーンを1口食べ、ルカを見つめた。
「めめ様、ご迷惑おかけしてすみません。」
ルカは軽く会釈をする
「…ですが、聞いておきたいです。」
ルカははっきりさせようと、改めて聞いた。
「本当に心当たりは無いんですよね?」
めめはすぐさま、それにうんと頷いた。
緊張の空気が少し解け、全員が食べ物や紅茶に手をつけ始める。
だがめめは_なにも食べられずにいた。
(…私は…隠しすぎているのですか?)
(…疑いの目)
ヒナ達から向けられた、疑いの目を思い出す。
(…怖い。)
(誰からも信頼されていなかったみたいで…)
自身の立場がどれほど重く、危ういものなのか
(…私は…一般人なんかではない。)
(財閥の当主も、皇も…もっと危うくて…間違いを許されないものなんですね。)
(…気張らないとダメですかね…あはは。)
めめはそれを、再確認する。
食事は終わり、ヒナ達が深くお辞儀をすると、 ヒナは言う。
「……本日はありがとうございました。」
「…疑ってしまい、申し訳ございません。」
めめはそんなヒナに対しまた困ったように笑った。
「いやいや…モルス財閥自体新しい財閥ですから、疑われてしまうのも無理はありませんから…。」
そんな会話を交わして、プサ・ユンゲス財閥との会食は終わった。
めめは屋敷の玄関に背を向け、10秒待った。
プサ・ユンゲス財閥の人が全員聞こえなくなるくらい遠くへ行ったことを確認すると、おっとりとしたメイドに声をかけられ、屋敷の中へ戻っていった。
メイドがため息をつき、めめもそれにつられてふぅ、と息を吐く。
おっとりしたメイドは安心したかのように聞いた。
「めめ様は別に、リボンの子とか知らないですよね〜。」
めめは再度息を吐くと、
「えぇ、私は本当に何も知らないんですよね…。」
「ルカ様が庇ってくださったから良かったですけど、今までで1番やりにくかった…。」
書斎に腰掛けると、がくり、と書斎の机の上に倒れ込む。
めめは少し顔を上げると
「はぁ…すみません、コーヒーを持ってきてくれませんか?」
おっとりとしたメイドは微笑んで
「えぇ、わかりました〜。」
と言って、書斎から出ていった。
(…閉鎖的にしていた理由は、誰かが思っているよりも複雑な理由がある。)
(…私は、死神として名を馳せてしまった。)
(幸い、上層部に私がそうであることはバレてませんけど…。)
(…それがいつバレるのか…そして今まで、何人殺してきたのか…)
めめは、書斎に響くほど大きくため息をつく。
「あぁもう、難しいことばっかですね_」
めめは感情をぶつけるかのように、書斎の本を開いた。
乱雑に、流すように本を読む。
文字ひとつひとつの意味など深く考えず、ただそれを読んでいた_。
「めめ様、コーヒーです〜。」
おっとりとしたメイドはそう言って、静かにコーヒーを置く音が鳴った。
めめは横目でそれを見て
「ありがとうございます。」
そう言って礼をし、読書に戻ってしまった。
メイドはめめの書斎を出ると、静かに息を吐いた。
「…めめ様…」
「…ずっと生きていてくださいよ…。」
「…私を助けてくれたのは、貴女じゃないですか…」
「いきて、って…」
「生きて、って…言ってくれたのは…」
___
「…もう、いいや。」
雨に濡れた深夜の都市部を、ネオンライトが照らす。
そんな街を少女はただ、ふら、ふらと歩いていた。
「お父さんの馬鹿…」
「どうして…傷つけるの?」
「私も…お母さんも、弟も…」
少女は濡れたアスファルトに膝をつくと、ぴちゃりと水音が鳴る。
どうにかして家持ち出したカッターを、自らの胸に突き立てる。
「…もう…」
それを深く、深く押し付けようとした
_その時だった。
「貴女!!何してるんですか!!?」
そう_彼女の声が聞こえた。
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