『Knödel, Brötchen, Reiscracker und Daifuku. Oh, und Yokan.
(お団子に饅頭、煎餅に大福。あ、羊羹も)』
甚八兄に電話が来てから3日が経ち、私はスイスを旅立ち、日本に来た。
甚八兄に明後日に会場に来いという、無理な要望を受け、急いでチームの監督にしばらくの間休むことを伝えたり、荷物の準備をしたりなど忙しい日々を過ごしたが、何とか約束に日に日本に来ることができた。
とりあえず、甚八兄は絶対に絞める。
そして、今は迎えの車が来るまで空港のお土産屋さんで和菓子を買っている。
どうせ、プロジェクトに参加したら甘いものが食べられなくなると思うし、今のうちにたくさん買っておこう。
記者やファンにバレないように、監督やチームメイトにお願いして、私が事情があってしばらくの間、大会に参加しないことを伝えてもらった。
そのおかげで、記者やファンには私の存在がバレてない。後で、日本のお土産を送っておこう。
会計が終わり、荷物を持ちながら外に出ると、
ア「レイナさん!こっちです!!」
綺麗な女性に呼ばれた。
あぁ、この人が甚八兄が言っていた日本フットボール連合の人か。
『Hallo. Sind Sie ein Angestellter der Japanischen Fußball-Union?
(こんにちは。貴方が日本フットボール連合の職員の人?)』
ア「? あ、忘れてた。これ、付けてください」
女性から、イヤホンを何故か渡された。
ア「私の言葉がわかりますか?」
『!? このイヤホンは、翻訳機能が入っているのか』
ア「はい、日本の企業が開発したものです。あ、私の簡単な自己紹介をしますね。私は、日本フットボール連合の職員であり、ブルーロックプロジェクトの担当を務めている、帝襟アンリです。よろしくお願いします」
『レイナ・マリオネットだ。よろしく』
ア「!?」
自分も自己紹介をすると、アンリさんは何故かピシッと固まってしまった。
急にどうした?
なにか失礼なことをしてしまったか?
『大丈夫か?』
ア「い、いや、とても美人だなと思って……」
『そんな事ない。アンリさんも美人だし可愛い。もっと自分に自信をもった方がいいと思う』
ア(キューンッッ♡♡何この子!無自覚!?クールな性格なのに褒め上手とか絶対に好きになっちゃう。絵心さんが、魔生の女って言ってた意味がやっとわかったわ……)
アンリは、レイナの恐ろしさを知った。