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「バーカ。痛、くなんかねぇ、よ。って言うかむしろ……」
「やぁんっ」
そこでいきなり信武に両手でガシッと胸を鷲掴まれた日和美は、突然のことに驚いて悲鳴を上げた。
「動、かしてもいねぇのに……さっきからお前、めっちゃ締め付けてくっから。……気、持ちよすぎて、マジ、やべぇーん、だけどっ」
ほんの少しだけ信武が腰を揺らしながら日和美の美肉の感触を楽しむみたいにゆるゆるとそこを揉みしだくから。
信武の大きな手のひらの下。
硬くしこった乳首が柔肉と一緒に押しつぶされて、どこか焦ったいような感覚を日和美に伝えてくる。
「やぁっ、しの、ぶさっ、それ……」
もどかしい……と思わず口走りそうになった日和美に、下腹部を埋める肉棒をズルリと引いた信武が、日和美の様子を窺いながらゆっくりと膣壁をこすりながら入り直してきた。
「んんんーっ」
信武に熱い楔で穿たれたまま、隘路を押し広げられた状態でしばらく置かれていたからだろうか。
信武が日和美を労わるように緩やかに抽挿を開始しても、痛みこそ感じなかった日和美だ。けれど、痛くないのと違和感を感じないのとはまた別の話。
慣れない感触に日和美が眉根を寄せてくぐもった声を上げるのを見下ろしていた信武が、グッと身体を倒して日和美の耳元に唇を寄せてきた。
そのせいでより一層結合が深くなるようで、日和美はギュッと目をつぶってその感触から気を逸らせようとしたのだけれど。
視覚を閉ざすことで、残された聴覚と触覚が逆に研ぎ澄まされてしまった。
「さんは……無しで、っつっただろ?」
言葉と一緒に信武の吐息が耳孔を掠めたことに過剰反応した日和美の身体がビクッと跳ねて。
「ひゃぁあ、んっ」
それだけでは飽き足らず、思わずあられもない嬌声が漏れ出てしまった。
信武は日和美のその声に満足したみたいに身体を起こすと、虎視眈々と獲物を狙う肉食獣の目でこちらを見下ろしてくる。
それが、日和美の心をたまらなくゾクゾクとさせるのだ。
「なぁ日、和美っ。……お前が感じてる声っ、……俺に、もっと聞かせろ、よっ」
決して豊満な方ではない日和美の乳房だけれど、寝そべっていても強く掴まれれば信武の指の下。白い肌がふにふにと形を変えて指の隙間からはみ出すさまを見ることくらいは出来る。
信武に目一杯押しつぶされて、ほんのりと赤くなり始めた胸が、じんわりと熱を帯びてきた日和美だ。
強く掴まれたそこは少し痛いくらいじんじんして。
なのに一番触って欲しいところをピンポイントで責めてもらえないもどかしさに、日和美は気が付けば信武の手首をギュッと握っていた。
「あ、あのっ、しの、ぶ……」
「ん?」
「お願っ、……き、も……わって……欲し……」
情欲を孕んだ涙目で信武を見上げて、恥ずかしさを誤魔化すみたいに途切れ途切れに「先も触って欲しい」と言ったら、信武が意地悪く言うのだ。
「ハッキリ言ってもらわ、なきゃ、分かんねぇ、んだ、けど?」
信武だって滑らかに話せないくらい一杯一杯の癖に。
日和美はこれ以上彼と駆け引きなんて出来そうにないのに、信武はどうしてそんな虚勢がはれるんだろう?
(――経験値の差?)
だとしたら、日和美には信武に勝てる要素なんて微塵もないではないか。
日和美は観念したようにキュッと下唇を噛むと「ち、くび……も触って?」と蚊の鳴くような声でおねだりをした。
***
まさか、日和美からそんな直接的な言葉でねだられるとは思っていなかった信武だ。
驚きに瞳を見開いてから、「……そうくる、とか……マジ……反則だろっ」と吐息とともに吐き出した。
自分に余裕のある時ならば、「だったら自分で触ってみせろよ」とか意地悪く突き放して、是非とも日和美自身が自らを慰める様をじっくり堪能させてもらいたいところだ。
だが、さすがに信武自信が爆発寸前ともなると、そう悠長なことも言っていられそうにない。
信武は小さく吐息を落とすと、日和美に自慰を見せてもらうのはまたの機会に繰り越そうと心に決めて。今回ばかりは彼女の要求通り、己れの手のひらの下、懸命に存在を主張している日和美の先端をキュッとつまみ上げてやることにしたのだけれど。
信武が人差し指と親指の腹で挟んで、形が変わるくらい日和美の胸の尖りを押しつぶしてやると、
「ひゃ、ああぁんっ」
こらえ切れない嬌声とともに、日和美の膣内が胸の刺激に呼応したみたいにキュウッとうねりながら〝信武〟を締め付けてきた。
責めているのは信武のはずなのに、危うく達かされそうになって――。
信武は、慌てて腰を引いた。
まだ日和美をなかで気持ちよくさせていないのに、自分だけ達かされてしまうとか、男の沽券に関わるではないか。
信武は日和美の望み通り乳首を執拗に責め立てながら、全神経を下腹部へ集中させる。
(さっき、指で探った時、こいつが気持ちよさそうにしたのは確か――)
そんなことを思いながら、ゴム越しのどこかもどかしい感触を頼りに日和美の内部を探った。
と、ある一点をこすった瞬間、日和美が明らかに腰をビクッと跳ねさせて逃げようとして。
信武は心の中で『見つけた』とつぶやいた。
「あ、しの、ぶしゃっ……そこ、ダメっ。何か、変、なのっ」
気持ちよすぎて、日和美は信武のことを呼び捨て出来ないらしい。
だが、実際信武の方もギリギリなのだ。
さっきまでのようにそこをいちいち取り沙汰して日和美をいじめられるようなゆとりはない。
日和美を達かせるのが先か、自分が達してしまうのが先か。
信武は、出来れば前者に持ち込みたい。
抽挿のタイミングで、わざと今までの度重なる刺激でちょっぴり膨らんでツンと立ち上がった日和美の陰核を肌で擦り上げるように刺激しながら、内側からもそこをめがけてこするようにしては奥を突く。
子宮口が降りてきているらしく、最奥に達するたび先端がそこに触れるのが分かって。それが、日和美が感じてくれている証拠に思えてたまらなく嬉しい。
「ああんっ、や、……待っ、て……、あっ、ん」
日和美が吐息とともに言葉を紡ぐ都度、折角高めた快感が逃げ出してしまう気がした信武は、それを閉じ込めたくて日和美の唇を塞ぐ。
「んんん……っ!」
日和美の小さな口を噛みつくように覆った途端、くぐもった声を信武に口移ししてきた日和美が愛しすぎて、信武はそんな彼女をもっと虐めてやりたくなった。
苦しそうに逃げ惑う日和美の舌を執拗に追い掛けては絡め取り、きつく吸い上げては、隙間隙間でざらついた口蓋を舐め上げるようにくすぐる。
「んんっ、ふぁっ……、はぁっ」
口付けにほんの少し隙間が出来るたび、日和美が苦しそうに吐息を漏らすのさえも惜しくて、全部全部自分の中へ閉じ込めてしまいたいと思って。
信武は日和美が酸欠になるのもお構いなしに彼女に口付けを繰り返しながら、日和美がセックス自体初めてだということも忘れて激しく腰を打ち付ける。
「んっ、んんーーーっ!」
日和美が大きく身体をのけ反らせて愛液とは少し違う温かな体液を膣内から溢れさせたのと同時。信武も薄い皮膜越し、日和美のなかへ欲望をぶちまけた。
このまま日和美のなかに居続けたいのは山々だが、たっぷりと精液を吐き出してしまったから、そういうわけにはいかない。
信武はゴムの根元を押さえつけるようにして中身が漏れ出さないよう気を付けながら、日和美から自身を引き抜いたのだけれど。
栓がなくなったからだろうか。
日和美のなかからサラサラとした液体が信武を追い掛けるみたいに押し寄せてきてシーツの上にあふれ出した。
(すげぇな……)
正直な話、信武は女性が潮を吹くのを見たことがないわけではない。
だが、日和美は性行為自体初めてだったから。
血の混ざった体液で汚れてしまった日和美の色白の太ももやお尻を見て、何だかとてもいけないことをしてしまったような気持ちがして。
処女相手なら大事を取ってタオルを敷いたりするのに、日和美が相手だとそのゆとりもなかったことを、シーツのあちこちに付いた汚れを見て思い知った信武だ。
(くそっ。童貞のガキかよ!)
本当に好きな子を前にして、スマートで居られるなんて幻想だったと、信武は嫌と言うほど痛感させられた。
(次、そういうシーンを書くときは気ぃ付けよ)
こんな時にもそんなことを思ってしまう職業脳を呪いつつ、ぐったりと横たわったままの日和美にそっと触れる。
「おい、日和美。……大丈夫か?」
信武が肩に触れた瞬間、ビクッと身体を跳ねさせた日和美が、涙目で信武を見上げてくる。
「信武、さっ、ごめ、なさいっ。……私っ、お漏らししちゃい、ました……」
しゅん、と項垂れた耳と尻尾が見えそうな様子でつぶやかれた日和美の言葉に、信武は瞳を見開いた。