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_________________________rb sid
「っ!トントン!!!!!!」
バーンッッッッッッッ
刀を拳銃のようなもので弾かれて遠くへ飛ばされてしまう。
トントンは執事によって取り押さえられているようだ。
「まさか、とは思いましたが…本当に実行しようとしているなん、て…!?」
すかさず猿山先生が鎌を振って執事をトントンから離れさせた。
「刃向かいますか…その選択、後悔しますよ」
そう言って執事はゾムを連れてどこかに行ってしまった。
扉は消えかけている。
急いでコネシマが刀を刺す。
するとあたりを強い光が包み込んだ。
反射的に目を閉じ、しばらくした後に目を開ける。
「は…?」
そこはよく分からない場所だった。壁には余す事なく本が敷き詰められており、部屋の中を自由に蝶が飛んでいた。部屋の真ん中には台座があり、その上に見覚えのあるものが置いてあった。
「っ!あれ、は、!」
いつのまにかいたトントンが手を伸ばそうとすると何かによって弾かれてしまう。
「いっ!」
「トントン!大丈夫か!!!?」
コネシマが慌てて駆け寄るとトントンは大丈夫だと言って立ち上がった。
もしかして、と思い俺が触ろうとするとすんなり触れた。
「………猿の偶像………」
おそらく、ゾムが封印を解いたことによってここに戻ってきたのだろう。
サイズの小さいそれを俺は掴み取り、腕の中で抱える。
「こ、これでゾムさんを封印出来るんかな……」
「分からへん、けど…これしか方法はない…」
「あ、あのさ…!気になっててんけど、これどうやって出るん?」
「「え、」」
数人の声が重なる。
すると、どこからか声が聞こえた。
『おや、鬼の封印をされるんですね。でしたらここから出たいでしょう?』
「だ、だれや!」
『ああ、どうも。名乗るほどのものではないんですがね。そうですね…支配人、とでも呼んでください。』
支配人と名乗った声は落ち着いており、ずっと聞いていると眠くなりそうだった。
『この部屋のどこかにある本のスイッチを押せば、あなた達はもとの屋上に戻ることが出来ますよ』
「ちょっとまてや。この数の本の中から探さんとあかんのか。なんかヒントとかないん?」
『はぁ…仕方ないですね…(これだから非文明人は…)色の三原色をご存知ですか?』
色の三原色。
赤、青、黄色、の三つからなるもので、これらを混ぜると別の色が作れるだったか。え、ほんとにそうだっけ?
『何と何を合わせると緑色になると思います?その色の本がスイッチですよ』
混ぜると緑色になる色…………
トントンや猿山先生はピンときているようだが、俺を含めた残りのメンバーはさっぱりだった。
「ちょ、トントン…解説…」
「えぇ…お前らこれは流石に分かるやろ…」
それから分かりやすくトントンに解説してもらって、ようやく理解出来た俺たちを前にあからさまに呆れる猿山先生がいた。どうやら、三原色は赤紫、黄色、水色の3つで、全部合わせると黒色が作られるらしい。さらに、赤紫と、黄色で赤色、黄色と水色を組み合わせると緑色になるんだとか。光の三原色を覚えておけば簡単に分かるらしい。はえー天才やん。
「お前ら…中学何やってんだよ……」
「ま、まあ、?ようは緑色の本を探せばええんやな?」
「違う、!!赤紫と水色の本や!!!!」
「あー!そうそう」
大先生はへらへらと笑いながら探すために本を眺めていた。あいつほんまに話聞いとったんか?
それから、数時間。ひたすらに壁を眺めて本を探した。
「あ、あった!!!!!!」
「こっちもや!!!!」
どうやら見つかったらしい。大先生なんて途中で諦めてたけどまた探し始めたんか。
「じゃあ2人とも同時に押してね〜いっせーのーせ!」
本を押した途端また光に包まれる。
眩しくて目を閉じていると、ふと疑問が湧き出てきた。
(ゾムを封印するために水晶とかいらんのかな…それに、偶像にどうやって封印するんやろ。)
見つけた本なら書いてあるかも知れない。でも今本を持ってきていない。猿山先生に聞いてみるか…
「先生、ゾムを封印するために水晶とか要らないんですか?」
「さあ?本を見たのはお前達だろ?」
そう言われたらその通りだ。
「あ!俺知っとるよ!!!水晶を使うのは鬼を人に戻すためなんやって!せやから、ゾムには必要ないらしいで!!」
なるほど、そう言うことか。
「てか、封印するためにゾム屋上に連れてこんとあかんやん!」
「うへぇ……もうここの鳥居に偶像置いてお願いするだけやだめなん?」
完全に疲れ切っている大先生がそう提案するが、おそらくそれでは封印できないだろう。
「じゃあ、大先生はここで休んどくか?」
「出来るならそうしたいわ!」
_______________________?? sid
「…………」
太陽の光に当たってしまったゾムさんを回復させるべく神棚の中にある空間へ連れ込んで寝かせている。
先ほどに比べ呼吸も落ち着いてきたためじわじわと回復しているのだと思います。
『ゾムどこにおるんやろ?』
『さあ?適当に歩いとったらみつかるんちゃう?』
本を通してゾムさんのお仲間を監視しておりますが、なかなかに無計画ですね…
例の執事さんに頼まれてゾムさんを診ていますが、彼の心は凄く優しい。なぜ、鬼になってしまったのか…
「ん…んぅ……… へ?」
どうやら目を覚ましたみたいです。
「ゾムさん、どうですか?……って!!?」
ゾムさんの方を見れば、本に吸収されているようです。どうやら、お仲間たちがゾムさんを呼んでいるそうですね。頭の中はこんなに冷静ですが、体は冷静ではないようで、わあわあしながらゾムさんに説明している状況になってしまいました。
終始困惑した顔でしたが、大丈夫でしょうか?
_______________________ut sid
「はぁー、誰もおらんし暇やぁ…もうここでゾムさん封印してみてもええかなぁ…」
てな感じで、偶像を持って、鳥居にお願いしてみた。
(ゾムさんをこの偶像に封印して、楽にしてあげてください、!)
すると、あたりが黄緑色の光でいっぱいになった。
しばらくした後、みんなが屋上にやってきて、僕にいろいろ聞いてきた。でも、なにがどうなったのか僕にはさっぱりだった。
「あー…多分だけど……ゾム封印出来たわ…」
「「は????」」
こんなにあっさりとしたもので良かったのだろうか。まあ、封印出来たし、一件落着、?
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偶像の目が黄緑色になっており、誰かが封印されている事は一目瞭然だった。今は学校の屋上にある祠に飾ってあるが、誰も近づかない。
これで、よかったんだ。
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次回「終わり」
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後3話で終了です、!
誰が週一投稿だ?ってなった方、すみません、!!
ちなみに水曜日、卒業式があって、卒業を迎える事が出来ました!
これからは色々投稿していくつもりです(いつも言ってる)