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※ ※ ※
――ユキちゃんが私のを舐めてくれている。
それだけで私は、歓喜の絶頂の中にいた。
そして訪れる、鋭敏な感触により頭が真っ白になる感覚。それは自分の指で弄った時の比じゃない。
身体は激しく痙攣し、その後全身から力が抜けた。
それでもユキちゃんはまだ舐めてくれている。
それがまた嬉しくて――気持ち良くて、私は気づかなかった。
「――っ!?」
私に伝わる、指とはまた異なる感触。
最初は指と思ったけど――違った。
指にしては大き過ぎる。そしてその感触は、私がよく知るものだという事に――
「ユキちゃんっ――駄目っ!」
気付いた頃には既に遅かった。
ユキちゃんの男性器は、既に私の中に侵入していたのだから。
ショックだった。
求めてないと言えば嘘になる。だけど最後の一線だけは越えちゃいけないと。
でもユキちゃんは構わず侵入させてくる。
「痛っ――!」
初めての時は痛いと聞いた事があるけど、中に侵入してくる想像以上の大きさと、針で刺すような痛みに私は思わず声を上げてしまった。
ユキちゃんを心配させたくない――と、この時ばかりは気遣う余裕なんてなかった。
“早く止めさせないと”
決して嫌な訳じゃない。
ただ余りにも急過ぎる。取り返しのつかない事になりでもすれば――
「で……出るぅ!」
痛み以上に私は、その言葉に震撼した。
ユキちゃんが射精を訴えたのだ。
「だっ――駄目ぇぇぇ!!」
私の中でユキちゃんの男性器が、ビクビクと激しく膨張する。
今更抜いても、もう遅い。ユキちゃんの精液で、私の中は一杯に満たされるだろう。
“妊娠”
私は姉弟の一線を越えた事以上に、その事が頭に過った。
もし、そんな事態が起きてしまったとしたら――
“ユキちゃんの将来が!”
私はよくても、ユキちゃんにそんな重過ぎる現実を背負わせる訳にはいかない。
“ドンッ”
気付いたら私は、ユキちゃんを両手で力の限り突き飛ばしていた。
「あっ――!」
“ニュルン”
結合が離れたと同時に、ユキちゃんの先端から白濁液が勢いよく放出され、私のお腹の上に降りかかる。
間一髪、不確かな避妊は成功した。
だけど私はすぐに気付く――
「ユキちゃんっ――大丈夫!?」
いくら緊急とはいえ、私はユキちゃんを否定してしまったのだ。
すぐに身を起こして寄るも、ユキちゃんは目を物憂げにキョトンとさせており、そしてすぐにベッドの上で平伏した。
「ごめんなさいごめんなさいっ――」
必死で謝るユキちゃん。謝らなきゃいけないのは私の方なのに……。
「ごめんねユキちゃん! 痛くなかった?」
私はすぐに謝り続けるユキちゃんを抱き寄せ、離さないよう――逃げてしまわないよう、しっかりとこの胸へと抱き締めた。
「うぅっ――ごめんなさぁい……」
胸の中で聞こえるユキちゃんの嗚咽。
私は何て事をしてしまったのだろう。
こんなにも愛しいユキちゃんを、否定して突き飛ばしたばかりか、傷付け泣かせてしまうなんて。
「お姉ちゃん怒ってないから……ちょっとビックリしただけだから……ね?」
どんな言葉で見繕っても、言い訳に過ぎないだろう。
泣き続けるユキちゃんに、私まで悲しくなってきた。
姉としての垣根で在り続けようとしたからいけないのだ。
愛するユキちゃんを、囚われた“常識”で傷付けたくない。
例えそれが誰にも認められないとしても――
「ユキちゃん……」
私は意を決した。もう迷わない――
“私はユキちゃんの全てを愛してる”
私は何も言わず自身の口を下へと持っていき、ユキちゃんの男性器を含んだ。
「あうっ! お……お姉ちゃん?」
突然の事にビックリしたのだろう。ユキちゃんの疑問の声が上がる。
だけで私はユキちゃんのを舐め続ける。
私のせいで中途半端に出てしまった為、行き場を無くして半立ちになってしまった男性器。
元の硬度を取り戻す為。
「駄目っ――お姉ちゃん! 僕……また……あぅぅ……」
ユキちゃんの回復力は早い。少し舌で亀頭を刺激すると、またすぐに何時もの硬度を取り戻してくれた。
頃合い――と私は口を離す。
「……お姉ちゃん?」
そのまま射精まで導いてくれると思ったのだろう。ユキちゃんが口を離した私へ、疑問の瞳を向けていた。
勿論、ユキちゃんが望むなら、何時でもしてあげるつもり。
だけど今回は――
「お姉ちゃんね、ユキちゃんの事を、世界で誰よりも愛してるから」
「うん……僕もお姉ちゃんが、世界で一番好き」
そんな素直であどけないユキちゃんに、私の決意は更に固まった。
「今度はちゃんとしよ? お姉ちゃん大丈夫だから」
本当の意味で結ばれたい――
「で……でも――っ!?」
もう何も言わないで――私は途中でユキちゃん口を塞ぎ、そのまま私達はなだれ込んだ。
「さあユキちゃん……好きにしていいからね」
改めて私が下になる。今度はきちんとした心構えで、私は股を大きく開きながら、指で割れ目を拡げた。
さっきは中途半端に終わった為、私の中からは既に体液が垂れ流しっ放しだ。
早く欲しい――今ならすんなり受け入れられると。
「でもお姉ちゃん!? 血がっ……」
でもユキちゃんは、私の破瓜の血に戸惑っている。勃起して苦しい筈なのに、入れようとしてくれない。
「大丈夫よユキちゃん。これは最初だけだから……」
根拠は無い。
「それにユキちゃんが、お姉ちゃんの“初めて”になってくれて嬉しいの。だから今度はちゃんと貰って?」
私は間違っているのだろうか?
一時の感情で、ユキちゃんまで巻き込んでいいのか。
もしユキちゃんが望まないのなら――私はまたユキちゃんの“お姉ちゃん”に戻るつもりでいた。
いくら愛してても、どうしようも無い事柄が在る。それが私とユキちゃんの――“姉弟”としての、揺るぎ無い関係。
「お姉ちゃん……“愛してる”よ」
そんな中で聞こえた、確かなユキちゃんの声。
嬉しかった。例え以前の関係に戻ろうとも、それだけで私は満足だった――
“グググ”
だけど叶えてくれた――受け入れてくれた。
「――っあぁ!?」
私の中に侵入してくる感覚。
はち切れんばかりの太い先端部分を、捻り込むようにゆっくりと中に挿入させながら、ユキちゃんが私に覆い被さってきた。
――でもまだ先端部分が入って来ただけ。
「んんっ――!」
それでもやっぱり……まだ痛かった。
「おっ……お姉ちゃん!?」
私が嗚咽を洩らしたので、ユキちゃんが心配そうに訊いてくる。
「だ……大丈夫だからねっ! ユキちゃんのを……全部入れて!」
ゆっくりだと逆に痛い。いっその事、一気に行った方がいいと――
「う……うん」
“ズブゥゥゥ”
「――っああぁぁぁ!!」
一気に奥まで埋め込まれた感触に、私は耐えきれず悲鳴に近いものを上げた。
でも――
「はぁはぁ……」
「ゆ……ユキちゃぁん……」
私達は今は、確かに繋がっていた。
まるで産まれ落ちた時からそう定められていたように、一つに戻ったような気がした。
「お姉ちゃん……」
「ユキちゃん……私達ね、今一つになったの」
「お姉ちゃんと一つに……」
そうユキちゃんが繋がったまま、私の唇を求めてくる。
「んん……」
私も負けじと舌を絡め合わせた。そしてお互い充分に味わった後、名残惜しそうにどちらともなく口を離す。
「お姉ちゃんの中……温かい……」
「ユキちゃんの大きなのが……お姉ちゃんの奥まで感じてる……」
ずっとこのまま、繋がっていたい気分だった。
でも――“最後”までいかないと。