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うわぁ……好きしか出てこないですもう
すき〜………、死ぬほどいい…
🍣「ぁなんか来てた」
宅飲みした帰り際、スマホを開くなり🍣は言った。
🐥「なに。仕事関係?」
🐥たちは、もうコートを着て、鞄を肩に掛けていた。
帰る準備は万端だった。
🍣はスマホの画面をメンバーに見せた。
『〇〇組の頭を殺害すること。必要以上に殺すな』
🤪はそう読み上げた。
…上からの通達である。
殺しの仕事が来ちまった。
しかも、敵の頭と直接対決。
六人の間に緊張が走り、ごくり、と唾を飲み込む…ということは、しかし無かった。
💎は自分のスマホでスケジュールアプリを開きながら、「ぇいつ?」と聞いた。
友達にカラオケ誘われたときみたいに。
🍣「あさって」
🐇はスマホを見ながら、可愛い声で「おけぃおけぃ」と言った。
🐥「え🐥あさって美容院なんだけど」
🍣「w諦めろ」
🐥「ぇまじか」
🐇「〇〇組って強いん?」
🦁「俺やったことないよ」
🤪「ぁまじ?🦁でそれ?」
🐇「慎重めにやるかぁ」
🍣「ま全滅しなきゃいい話でしょ。最終俺が上に報告さえできれば」
💎「ぇなに僕たち捨て駒ー?ww 」
🍣「え違うの?(笑)」
🐥「まぁ違わないよね」
🦁「捨て駒か捨て駒じゃないかで言ったら捨て駒やろ」
🐇「代わりしかおらんからw」
「だからこんな仕事しか回ってこんねんw 」
💎「w」
男たちは自虐ネタが大好きだった。
プライドも恥も、とっくの昔にぶつかって削れて無くなった。
🍣「一応慎重にやろうね。報連相ね」
🐥「おっけ慎重ね」
↓
🐥「オッサン状況分かってんの?」
🍣「臨機応変てまじ出来たほうがいーよ」
髭面の男──組長の上に、🍣が馬乗りになっている。
隣に🐥が、つまらなそうにしゃがんでいる。
しゃがみながら、男の口に銃口を突っ込んでいる。
…慎重に、やったつもりなのだ。
これでも。
しかし敵が弱すぎた。
ミッション・インポッシブルごっこは二分で終わった。
見張り役を殴り倒した時点で、これは不可能なんかじゃ無いと判明したので。
🐥「殺さないでくださーい」
男は顔を涙と汗でぐちゃぐちゃにして黙っていた。
🐥「は?言えし」
「…っこぉはないで、くらぁ、」
🍣「おぉおぉ可愛いじゃーん。勃ったかも(笑)」
🐥「そゆとこ見せてこ」
🍣「可愛い売りいいね」
🐥「自分の強みに気付けてよかったね」
🍣「こゆときなんて言えばいいか知ってる?」
「…」
🍣「…え感謝とか無いわけ」
「っありぁと、ごずぁま、」
🐥🍣「はいアザ〜〜〜ス」
🐥は引き金を引いた。
男はオーラルセックスの喘ぎ声みたいに鳴いて死んだ。
🐥は立ち上がって「ぇいいことしたんじゃない」と言った。
🍣も「今回善人だったねー俺ら」と笑った。
ほら、なんかありがとうって言うと人って笑顔になるらしいから…まぁ俺らそっち系よく知らんけど…
【一方その頃】
🦁「糞ッ」
🦁は、しばらく敵と取っ組み合いになっていたが、顎を割って脱出したところだった。
🦁はケホ!と一回だけ咳をした。
💎「大丈夫ね?」
🦁「ン」
ここのメンバーは、仲間が攻撃を食らったとき、いつも「大丈夫だよな?」と聞く。
こいつは大丈夫だろうという適当な信頼があるから。
あとまぁ、仮に大丈夫じゃなかったら置いていくだけなので。
全員が全員、才能のおかげで一緒にいるだけなのだ。
ただ単に、その才能が噛み合っているから組んでいるだけ。
いないよりいた方が都合が良いから組んでいるのだ。
そこに心配の気持ちは無い。
ちなみに🦁が狙われたのは小柄だったからで、その隙が生まれた原因は💎の弾切れなのだが…誰のせいとか考えるための頭は、生憎、誰も持ち合わせちゃいなかった。
済んだことはどうだっていいのだ。
こいつらは未来の利益のみを見ている。
💎と一緒にいた方が今後良くなると見たから、見捨てないし怒らない。
💎は取り敢えず、その辺にあった日本刀をチャキ!と構えた。
🤪「ッ追ってきてる」
後ろから迫り来る巨漢。
四人は逃げた。
多分🐥たちが組長を片付けてくれたので、逃げる以外に特にすることが無かった。
あと、あんま殺すなって言われてるし。
🐇は全力疾走しながら…すこーし、弱らせようと思って。
足とかに当たるといいなと思って。
振り返りざまにパンパンパン、と三発撃った。
全弾、ド頭に命中。
🤪「ア゙ッおい殺すなって」
🐇「あやばい天才的すぎた!!ww」
💎「ね゙ーーー死んだじゃん」
🦁「処置しとけよ」
🐇「失われた命は回帰しない…」
🤪「鬼滅やめろ」
🦁「ぁーあ…w」
💎「これ僕たち上に殺されるくない?」
🤪「持ち帰ろワンチャンあるから」
🦁が巨漢の髪の毛をぐしゃっと掴み、🤪が片足だけ雑に持ち上げ、半身を引きずってそのまま走る。
助けたいなんて、これっぽっちも思っちゃいなかった。
ただ上の人に許してほしいだけ。
罪を軽くしてほしいだけ。
怒られたくないだけ。
それ以外何とも思ってない。
こいつ別に興味ないし。
趣味とか合わないし…顔とかタイプじゃないし…
瞬間、曲がり角からスキンヘッドの男が現れた。
パンパンの腕に死んだ鼠のタトゥーが入っている。
💎「っわ゙ーーー!!!」
💎は吃驚して日本刀をめちゃくちゃに振り回した。
スキンヘッドの男は、ちょうど鼠くらいの大きさに分解されてしまった。
🦁「殺すなっつってんだろ!!!」
💎「いやみんながすぐ死ぬのが悪くない?」
🤪「開き直んなバカ」
💎「ぇ゙絶対僕悪くないと思うんだけど、ッ!」
そう言いながら💎は弾丸を避けた。
後ろから撃たれている。
さらに発砲音。
🍣「屈めッ」
🍣と🐥であった。
合流に成功したというわけだ。
🍣は銃を構えて発砲した。
弾と弾がバチン!とぶつかり、落ちる。
🍣はモグラ叩きみたいに敵の弾をはじき、はじき… 最後に敵の脳天をブチ抜いた。
🍣「なに。生き残ったの捨て駒」
🦁「くたばれ組織の犬」
そのまま走って、走って、建物を出た。
まぁ、だいぶ余計に殺したが…とりあえず、殺されなかった。
これにて任務完了である。
さて、彼らは心の底から、こういう自虐ネタを楽しんでいた。
他人をいじめて楽しいのは、無関心な相手が可哀想な目に遭っているからである。
こいつらは自分に無関心なので、自虐ネタが世界一面白いと本気で思っているのだ。
だってもう転職も結婚も出来ないし。
辛いだけのカクテルみたいな人生が、ドス黒いマスしかない人生ゲームが、確定しているから。
もうどうだってよかった。
こいつらと飲む時間だけが退屈じゃなかった。
だって何を言ってもいいから。
一応こうなったのにも理由がある。
🤪は、一畳半の座敷牢に💎と二人で三日間閉じ込められた際(任務)、「わり昨日お前で抜いたわ」と言ってみたことがある。
まこれは流石にジョークだったが、💎は「あそなの」と言って流した。
全員イカれているのだ。
こんなコミュニケーションしかとれないので、とり続けた結果、網膜もうずまき管もブッ壊れてしまって、何を言ってもよくなったというわけである。
あとはシンプルに、一緒に踏んだ場数が、地雷の数が、虎の尾の数が、ハンパないというのもあるが。
お互いのいいところなんて一つも言えない。
穴の締まりがいいとか、そういうことしか言えない。
照れてるんじゃない、本気で思いつかない。
ただ…たまにメンバー以外のやつと仕事をすると、言動一つ一つに普通に殺意が湧くので。
で殺意が湧いたら、普通に再起不能とかにはするので…。
それが無いということが、もはや彼らなりの愛情なのかもしれなかった。
ただ仕事で関わるだけのヤツ、都合が良いヤツ、一人で酒を飲みたくないときの道具、だと思っているけれど。
心の底からそう思ってはいるけれど。
愛を知らない男たちは、預け合った背中の温もりが、これが愛だと気付けないだけかもしれなかった。
おしまい
↓おまけ
🍣…この班のリーダー。スラムの出身。大人になってから、かなり時間をかけて読み書きを覚えた。わりと古株。
🐥…感情に左右されない判断能力を評価され、最近スカウトされた。
💎…虐待されていたが、それに関していまいち何とも思ったことが無い。冷めてる。
🐇…人の懐に入り込むのが得意。ネグレクト→施設育ち。
🤪…天涯孤独。人を殺した日は寝付きが悪くなるなど、わりと人間らしい部分が残っている。🦁のために文字を読んであげることがある。
🦁…物心つく前に組に引き取られた、生粋の極道。学校に行ったことが全く無いため、読み書きが微妙。
↓この世界線ではこう
常識ある←🐥🤪🐇🍣💎🦁→常識ない
人の心ある←🤪🦁🐇🍣🐥💎→人の心ない
↓おまけのおまけ
🦁の標準語①「〜だよ」(可愛い)
②「〜じゃねぇ、やろうか(=あげようか)」(漢)
↑実際どんくらい言ってたか分かんないけど、この二つが死ぬほど好きだから言わせてます