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ものすごく良い作品…!!うわあ、好みです…!✨ フォロー失礼します、更新頑張ってください"🙇♂️
なんかめっちゃ涙が出てきてもうやばいです! すごく好きです続き頑張ってくださいね(*´∀`)♪
次に向かった先は、烏天狗の山。
烏天狗達が山の中に家を構え、由緒正しき家々が暮らしている。
ここにくるのは、久しぶりだな。
「ピーッス!お久しぶりっス!」
「わぁー、ガク先輩!!お久しぶりです」
久しぶりに会った山神さんは、前に会った時よりも少し髪が伸びて、雰囲気も少し変わっていた。
最後に話したのは、配信した時だったかな。
「急にごめんなっ。山神さんは、元気ッスか?」
「やまは、元気でしたよ!」
雰囲気は変わったものの、話し方や仕草は変わっていない。
懐かしい感じがする。
「ガク先輩どうして突然ここに?」
不思議そうな顔をしながら、首を傾けている。
「実は、刀也さんがおとといに亡くなってしまって。それを知らせるためと、最後に挨拶をしにきたんだぜ」
あまり暗い雰囲気を作りたくなくて、空笑いをした。
山神さんは、突然の報告を受け止めきれなかったのか、一瞬顔が強ばった後に、泣き崩れた。
「剣持さ…ん、けん…も…ちさんが…」
ベルさんが冷静であっただけで、こうなるのが当たり前だ。
俺は、声をかけることができずに、ひたすら山神さんが落ち着くまで背中をさすり続けた。
段々と落ち着きを取り戻した。
やはり、何度も死を目前にしたり、見送ってきていても、慣れないものは慣れない。
この先も慣れることは無いだろう。
「ごめ…んね、取り乱しちゃって」
途切れ途切れに鼻声で必死に話している。
山神さんの目は、赤く潤んでいた。
「いや、大丈夫だぜ。やっぱ何回見送っても、慣れないよな」
山神さんは頷きながら、広い台所の方へ歩いた。
「ガク先輩、良かったら少し話ましょ。お茶出すので座ってください」
「ありがとう、お言葉に甘えて少し話してから行くことにします」
山神さんとお茶を軽く飲みながら、剣持さんの最後の事や、配信であったことを微かな記憶を頼りに話し合った。
次第に、山神さんの表情に笑顔が戻った。
山神さんは、「懐かしいですね」と言いながら笑った。
「あーあ、また、皆と喋りたいなー。リリ先輩も元気にしてるかなー」
山神さんは、窓の外を眺めて記憶を思い出すように、目を優しく細め、恋しそうな顔をした。
リリちゃんは、最後の配信を終え、それから、普通の女の子として暮らし、むぎっちが刀也さんと同じところへ行った時に、未来に帰って行った。
むぎっちは、最後まで笑顔を絶やさなかった。だから、リリちゃんもむぎっちが息を引き取るまで、泣かなかった。
むぎっちの手を優しく両手で握って、今までの思い出と感謝をゆっくり話していた。
俺と刀也さんは、リリちゃんの向かい側で椅子に座り見守っていた。
「…リリ、がっくん、剣持さん。ありがとぉ」
そして、むぎっちが眠るように息を引き取った。むぎっちが亡くなってから一番泣いていたのは、リリちゃんだった。
でも、決して泣き顔を見せなかった。
手や腕で隠し通していた。
「がっくん、私未来へ帰ります」
「今までお世話になりました。ありがとう。」
「こちこそだぜ。じゃあ、元気でな」
リリちゃんからは、年に一度の程手紙がくる。
毎年その手紙が来るのを刀也さんと待っていた。
手紙が来る日は決まって、ハピトリの結成日だった。
今は、もうその手紙は途絶えてしまったけど。
その事は、山神さんも知っていた。
「そうッスね」
そんなこんなで、山神さんと会話を弾ませた。
「そんなこともありましたね。ガク先輩ほんとに面白かったですよ」
山神さんが手を叩きながら笑う。
「もう随分昔のことだけどな」
話す内容が過去の事ばかりなことに気がついた。
刀也さんの時間が進んでから、刀也さんと一緒に居ることが多くなっていた。
そのために、他の友人と遊ぶことが少なくなっていた。
30分程話したところで、山神さんの仕事が入った。
まだ、話し足りないと言う山神さんにまた話に来ると約束して、次の場所へ向かった。
ーーー
さて、次の場所だけど。
ちょっと俺の力じゃ、行けるか微妙なんだよななんせ行くところは天界。
俺も一応そっちの部類だけど、力が及ぶかどうかはわからない。
まぁ、やるだけやってみっか!
力を精密にするため、目を瞑り意識を集中させる。
血の巡り、心臓の動き、記憶、色々なものが集中させ、一気に出す。
「よっしゃ!」
小さく声をだしガッツポーズを心の中できめた
「ピーッス!お久しぶりです、お女神様」
「あら、ガクちゃん!お久しぶりなのだわっ」
そこには、優しい陽の光を浴びながら、紅茶のようなものを飲む、白い羽根と白いドレスに身を包んだ美しい女神がいた。
一瞬目を見開いてから、やわらかい優しい笑みを俺に向けた。
「ガクちゃん、遥々ここまで来てくれたのね」
そう言いながら、俺をフレンチアンティーク調の椅子に座らせた。
「大変だったでしょ、今甘いものと紅茶を出すわ」
「いや、女神様にそんなことさせられませんよ。俺も手伝います」
女神様は、優しく微笑んだ後に「私がやりたくてやってるのだからいいのだわ」と宥め、手際よく準備をして俺の前に並べた。
並べられた食べ物は、見たことあるような無いような不思議なもので、甘い香りが漂っていた。
「ありがたく頂きますっス!」
渡されたフォークで切り分け、口に入れる。
入れた瞬間に、甘い香りと暖かい香りが鼻を抜け、とろけるような美味しさが口いっぱいに広がった。
力が抜けていく。
「おいしい!!」
その様子を嬉しそうに頬杖を付いて女神様は眺めていた。
「良かったのだわ」
ニコリと笑って女神様もたべはじめた。
部屋に食器の当たる音が響く
女神様が透き通った褐色のオレンジ色をした紅茶を口に運ぶ
「ガクちゃん、、刀也ちゃん最後まで幸せそうにしてたわね。女神、ずっと天界から見てたのだわ」
手元の紅茶を眺めて、少し悲しそうな視線を向けた女神様が翳りな表情で優しく話しかけた。
「はは、女神様はなんでもお見通しですね、刀也さん最後まで笑顔でしたよ」
紅茶を口に運ぶ、心地のいい香りがする。
「そうね、刀也ちゃん幸せだったわよ。女神天界の少し下の亡くなった方々が行くところに行ったのよ。刀也ちゃんが来ると思って」
「女神様は、そんなこともできるんすね」
やっぱり俺らとは格が違う
「えぇ、それで刀也ちゃんに会ったのよ。刀也ちゃん、とても幸せだったって言ってたわ。」
「それは良かったです」
「たくさんの仲間に囲まれて、楽しく配信できて、たくさん良くしてもらって優しくしてもらって、がっくんと出会えて…話せばキリがないほどの幸せをもらったって。」
「これは刀也ちゃんからの伝言よ。がくちゃんがこちらに来なかったら行こうと思ってたの、伝えなきゃいけないと思って」
女神様に教えてもらえて良かった。
本当はずっと不安で自信がなかった。ほんとに、幸せだったのかとか、楽しかったのかとか、もっとこうしてあげられれば良かったとか。
後悔はいくらでもあった。
思い出も沢山あった。
でも、刀也さんはちゃんと幸せだったんだ。
良かった、良かった。
「教えてくれてありがとうございます。」
座ったまま、紅茶を置き頭を下げた。
女神様は、嬉しそうに紅茶を啜った。
「よかったのだわ」
紅茶や甘いスイーツを食べ、どこか心地良くなり、完全にリラックスしていた。
「そのお紅茶とスイーツはね。人や神様の心を落ち着かせる効果があるのだわ。不安な気持ちを楽にしてくれるのよ。」
流石女神様。
なんでもかんでも、お見通しらしい。
「どう?少しは不安がほぐれたかしら」
「おかげさまで」
ふふっ女神様が口に手を当て、目元を緩ませた
天界は、時間軸が人間界と違っている。
ゆっくりと時間が流れるため、注意しなければ、元の世界に戻る頃には、あっという間に数年時が流れてしまう。
「女神様、そろそろおいとまいたします」
「あら、もう行っちゃうのね」
「はい、ありがとうございました」
深くお辞儀をした。
「また、お茶しましょうね。女神は長生きだから、がくちゃんよりも生きるのだわ。ゆっくりいつでもきなさい」
「それは、安心。ゆっくり来させていただきます。女神も是非いらしてくださいね。」
「帰りは女神が結界開いてあげるのだわ」
そう言って女神様は、人差し指を前にだし軽く円を描いた。
意図も簡単に結界を開いてしまう女神様は、やはり特別な方だと再認識した。
到底俺では敵わないなー。
「じゃあね、がくちゃん」
「じゃあな、モイラ様」
あらっと声を小さくだし笑う女神様を横目に
無言で頷き。中に入っていった。
場所を言わずとも女神様はお見通し。か。
天界を後にした。
「がくちゃんたら、ちゃんと女神の名前覚えててくれたのね。」
女神様は、光の中に包まれて行った。
ーーー
作者 黒猫🐈⬛
「まどろみのなかで」
第2話 長寿達
※この物語は、ご本人様と関係ありません。
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続きます゚・*:.。❁