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マリーは「よろしくね」と馬に挨拶をした。


馬もそれに応えて「ひぃぃぃぃぃん」と一声いななき、自分の首をスッとマリーの腰辺りまで下げた。


すると、マリーはひょいっと馬の首の上にまたがった。


えっ、どうして首の上に? わたしは驚いた。


次に、マリーが「いいわよ」と声をかけるや否や、馬は首を上げた。と同時に、マリーはそのまま馬の背中に降りることができたんだ。


こうして脚をかける鐙がないにもかかわらず、あっという間にマリーは馬上の人となった。


すっ、すごい。こんな乗り方があったなんて。


「私、いつも鞍なしで走っているんですよ。馬の体温に触れて、一つになれる感じがたまらなく好きで……」


マリーはそう言うと、手綱を巧みに操った。はじめはゆっくりと、そして徐々にスピードを上げていった。


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