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そう考えていると、すぐ近くで二人の言い合う声が聞こえてくる。私の目の前に居る彼女ではなく、また別の二人の声が。
知っている人の声だと分かっていても、言い合う理由が分かっていても、反射で体がびくっと驚いた事を表した。
「…二人、大丈夫かな…。」
いつもこうなれば、私にはどうにもできない。できた試しがないから。
不本意ながらもそう聞いた私を見て、驚いたかの様に目を見開かせては数秒の間、沈黙を作り上げた彼女。
少ししてから彼女はこちらに向き直って優しい笑顔を見せ、私をぎゅっと抱きしめた。
「…怖いの?星玉、大丈夫だよ。」
星玉とは、私の名前…正確には呼び名のこと。
本名で呼ばれたくないからと、こうして呼び名をつけてもらった。自分の親の事ながら、中々に酷い名前のセンスをしていたものだ。