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昼食を食べた後。
「さあ、これが事実上最後の漁だ」
という事で、すだて漁最終回に入る。
なお昨晩からの冷蔵庫整理で、使わないだろうアラ等は全部出して、昨晩中にすだて中央に放り込んだ。
しかも今日は、いままでで一番潮汐が大きい。
成果は期待を裏切らなかった。
「とりあえずエイは、生きているうちに海に帰しておくぞ」
なんて余裕の感じで。
今までの総決算、という感じで色々入っている。
魚種は大体今までと同じだけれど、それが全部込み。アジサバから、黒鯛から、ソウダカツオから、スズキから、ウシノシタにメジナにコロダイに、ブリ系の小さいのまで。
よくもこんなに、という感じだ。
もう参加希望者全員で掬いまくって、浅い部分に逃げたキビナゴまでしっかり獲って。
最後に、網を砂浜から引き抜く。
「このすだて、大成功だったのです」
「面白かったよね。毎日、色々魚が入っていて」
そんな事を言いながら、大収穫をキッチンに運んでと。
さてキッチンは草津先生か、朗人先輩の領域だ。
という訳で、ここからの仕切りは朗人先輩。
「さて、この中で優先的に欲しい魚はありますか。どうせ余る位なので、先にどうぞ」
川又先輩が手を上げた。
「先輩方より先で申し訳無いけれど、持ちそうで珍し目のやつを3本いいかな。タッパーを借りたり冷蔵庫を借りたりした先生にお返ししたくてさ。しめて内臓を取っておけば、それ以上の細工は必要ない。料理は得意というか、専門の人だから」
七橋先生用か。
確かに世話になっているし、あそこは2人暮らしだから、多めでも大丈夫だろう。
「こっちはいいですよ。ではまず3本、どれでも」
「なら申し訳無いけれど」
コロダイの大きいの、ヒラマサの大きいの、スズキの大きいのと、しっかりキープ。
「他に誰かいますか。なければ、適当に皆で料理しますけれど」
実は、サバが欲しかったりする。
塩サバにして冷蔵して持ち帰り、しめ鯖にすればいいかなと。
でも個人的な理由だしな。
そんな感じで、ちょっと遠慮。
「なら、このままキッチンで。ただ自分で処理したい魚は、自分でキープして下さい。例えば僕は、キビナゴの新鮮なのって滅多に出ないのでキープして、刺身とくぎ煮を作らせて貰います。他にも個人的にソウダカツオをキープしたい人と、サバをキープしたい人がいると思います。それは捌いた人の自由です」
朗人先輩がそう宣言して、調理の部へと移行する。