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俺の幼馴染が屑な話

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俺の幼馴染が屑な話

16 - 悔しいけど幸せになってね。

2026年02月20日

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時間をくれと言ったあと。及川は、本当に努力してる。

でも。

例の子と帰る帰り道。

ふと見える。

体育館前で女子に話しかけられてる

及川徹 。

断ってる。

ちゃんと。

でも、笑顔はある。

「まだ好きなんだよね?」

例の子が小さく言う。

図星だ。

「……わかりやすい?」

「うん」

優しい声。

その優しさが、刺さる。

数日後。

及川がまた告白してくる。

「もう一回、ちゃんと好きだって言わせて」

本気の目。

でも。

その夜、例の子からメッセージ。

“私は逃げないよ”

迷いがない言葉。

安心する。

及川は、強くて弱い。

例の子は、揺れない。

選んだのは自分なのに。

まだ、心は揺れてる。

放課後。

及川が言う。

「俺、待てるよ」

震えながら。

「何年でも」

その必死さが、痛い。

でも。

信じるには、まだ怖い。
















例の子と帰る道。

隣は、静かで安心する。

無理に笑わなくていい。

疑わなくていい。

「まだ好きなんだよね?」

あの日の言葉が、頭に残ってる。

否定できなかった。



数日後。

体育館裏。

呼び出された。

立ってるのは

及川徹 。

目の下に、うっすら影がある。

「岩ちゃん」

まっすぐ見る。

逃げない。

「俺、全部断ったし、切った」

静かに言う。

「連絡も、遊びも、曖昧なのも」

拳が震えてる。

「証明にならないの分かってるけど」

息を吸う。

「それでも好き」

重い。

逃げ道のない“好き”。

胸が痛む。

「……遅ぇよ」

本音が漏れる。

及川の顔が歪む。

「うん」

否定しない。

「遅かった」

沈黙。

夕方の風。

「でも待つ」

即答。

「岩ちゃんが俺を選ばなくても」

その言葉に、胸がざわつく。

“選ばなくても”?

「……諦めんのかよ」

苛立ちが滲む。

「諦めない」

目が強い。

「でも奪わない」

その線引きが、余計に苦しい。

優しくなってる。

ちゃんと変わろうとしてる。

だからこそ、揺れる。

その夜。

例の子から電話。

「岩泉くん」

柔らかい声。

「無理しなくていいよ」

言葉が詰まる。

「私は逃げない」

安心する。

心が静かになる。

でも。

静かなだけだ。

ドキドキは、しない。

最低だと思う。

数日後。

廊下で、及川と目が合う。

何も言わない。

でも目が追ってくる。

“待つ”って目。

例の子と並んで歩く背中に、

その視線が刺さる。

限界が来るのは、岩泉の方。

放課後。

体育館に戻る。

誰もいない。

と思ったら。

壁にもたれてる

及川徹 。

目が合う。

一歩近づく。

「もうやめろ」

思わず言う。

「待つとか、優しくなるとか」

喉が震える。

「余計無理だ」

及川が息を呑む。

「俺は」

視線が揺れる。

「安心より、お前選びたい」

口に出して、理解する。

ずっと揺れてたのは、

信じられるかどうかじゃない。

傷つく覚悟があるかどうか。

「でも怖ぇ」

正直に言う。

及川の目が、熱を帯びる。

「じゃあ一緒に怖がろうよ」

一歩近づく。

触れない距離で止まる。

「俺も毎日怖い」

笑わない。

誤魔化さない。

「また失うかもって」

その目は、本気だ。

前みたいな余裕はない。

「それでも好き」

沈黙。

鼓動だけうるさい。

例の子の“安心”が浮かぶ。

及川の“不安”が重なる。










放課後、校舎裏。

例の子を呼び出した。

逃げたくなかった。

「話ある」

声が少し震える。

でも、目は逸らさない。

例の子は静かに頷く。

「……及川くんのこと?」

図星すぎて苦い。

言おうとした瞬間。

「岩ちゃん」

背後から声。

振り向く。

息を切らして立っているのは

及川徹 。

「空気読めません?」

例の子の声は冷たい。

でも及川は止まらない。

「読まない」

まっすぐ俺を見る。

逃げない目。

「岩ちゃん、俺、ちゃんと好きだよ」

断言。

心臓が大きく跳ねる。

例の子が一歩前に出る。

「でも選んだのは私です」

強い声。

「私は逃げません」

腕を軽く掴まれる。

温かい。

安心する温度。

及川が近づく。

今度は、触れない。

でも距離が近い。

「俺は逃げた」

低い声。

「軽くしてきた」

否定しない。

「だから信用ないのも分かってる」

拳を握る。

「でも好き」

余裕ゼロ。

誤魔化しゼロ。

「岩ちゃん、俺を選んで」

真正面。

例の子が震えながら言う。

「私は泣かせません」

優しい声。

「大事にします」

胸が締めつけられる。

両方、本気だ。

両方、真っ直ぐ。

でも。

「……俺」

息を吸う。

震える。

「安心で決めたら、きっと後悔する」

例の子の目が揺れる。

「…………ごめん」

はっきり言う。

「俺、及川が好きだ」

沈黙。

風の音だけが通る。

及川の言葉に揺れたわけじゃない。安心な人を選んで後悔するわけが無い。でも、いつの間にか前よりもっと好きになっていた。”及川徹”を



例の子の手が、ゆっくり離れる。

数秒。

下を向く。

震えてる。

それでも、顔を上げる。

涙が光ってるのに、笑う。

「悔しい」

正直な声。

胸が痛い。

「でも」

一歩下がる。

「今の本気だもんね、ずるいよ」

及川を見て、そして俺を見る。

「ちゃんと幸せにしてあげてね」

震えてるのに、強い。

「もし泣かせたら、許さないから」

及川が、真剣に頷く。

「絶対」

軽さゼロ。

例の子が小さく笑う。

「悔しいけど」

涙を拭く。

「幸せになってね」

それだけ言って、背を向ける。

強い背中。

最後まで、強い。

胸がぎゅっとなる。

及川が小さく息を吐く。

そして、俺を見る。

「岩ちゃん」

今度は、ゆっくり手を伸ばす。

俺から掴む。

逃げない。

「次やったら終わりな」

真顔で言う。

及川は即答。

「うん」

少し目が赤い。

「もう逃げない」

夕日が落ちる。

今度は奪ったんじゃない。

ちゃんと選んだ。

その重さを、二人とも分かってる。

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