TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

君と俺の旅の記憶

一覧ページ

「君と俺の旅の記憶」のメインビジュアル

君と俺の旅の記憶

1 - 君と俺の旅の記憶

♥

172

2024年08月25日

シェアするシェアする
報告する




ある日インターホンがなった。


出てみるとそこにはずぶ濡れになったshoちゃんがおった。


shoちゃんは「昨日人を殺したんや」と言って家には入らず玄関の前で泣いていた。夏で暑いはずなのにshoちゃんは凄く震えとった。そこから始まった俺とshoちゃんの物語の記憶や。



shoちゃんは、


sho「殺したんは隣の席毎日いじめてくるの彼奴や。もう嫌んなって、我慢出来ひんくて肩を突き飛ばしたんよ。多分打ち所が悪かったんやろ。

……もうここにはおれへんと思う。やから、どっか誰もおらん所で死んでくる。」


そう言った。




俺はそんなshoちゃんにと言った「そんじゃ、俺も連れてってや」


ut「必要なもん持って、要らんもんは全部壊して行こうや。あの写真と日記も、もう要らへんよ。」



人殺しの君と駄目人間の俺の楽しい旅や



そして俺とshoちゃんは逃げ出した。こんな狭過ぎる生きづらい世界から。家族もクラスの奴等も全員捨てて。二人だけで。旅に出た。


ut「shoちゃん!何もあらへん誰もおらん遠いとぉ〜いとこで死のうや」


sho「おん、そうしよかな」

この世界にはもう何の価値もあらへん。だって、この世界には人殺しなんてそこら中に湧いとるんやから。


ut「shoちゃん」


sho「ん?」


ut「shoちゃんは悪ない、なんも悪ないから」








誰も追っては来おへん。やっぱ愛されてなかったんやな。俺もshoちゃんも。


ut「誰も追って来おへんな」


sho「追って来おへん方がええやろ」


ut「まぁせやけど、」


sho「愛されんかったから大先生の事信用できるんもあるんよ?」


確かにそうだ。こんなに信用しきってるんは誰にも愛されんかった、必要とされんくて痛みが分かるからやねんな。そんな嫌な共通点で簡単に信用できるんも変な感じやな。


ut「せやね、よかったんかもしれんな」


sho「おん!そうやで」



ギュ


sho「ふふっw何?」

手はあん時みたいに震えてないな。少しも震えとらん。よかった。



shoちゃんの手を繋ぎ二人で線路の上を歩いた。誰にも縛られること無く。自由に。




それから俺らは金を盗んで、逃げて、何でも出来る、どこへでも行けるような気がした。

もうなんも怖いことはあらへんかったんや。


落としたメガネも額の汗もどうでもええ。なんでもええ。


ut「今やったらもうどうでもええわ。」

ut「俺とshoちゃんの逃避行の旅やな!」


sho「あははwなんやそれw」


sho「でもええなそれ!」


ut「やろぉ〜?」


sho「おんw」
















ut「いつか夢に見たさぁ優しい、誰にでも好かれる主人公なら…、

こんな汚くなった俺達も見捨てず助けてくれるんかな」


sho「何言ってるん?そんな夢捨てた。だって、現実を見いや。シアワセの四文字なんてある筈無かった。今までの人生で思い知ったやろ?誰もが自分は悪くねぇと思っとる。助けてなんてくれへんよ。」












行くあてもない蝉の群が彷徨っていた。



目にアイツらが入った時に視界が揺れ出し心臓が変な音をたてた。


shoちゃんが殺してしまった奴の母親、警察の奴等の怒号が聞こえた。

でも、やはりそこには俺の家族もshoちゃんの家族もおらへんかった。


見捨てられたんやろーな。どうせ、





ut「来るな!!」






shoちゃんと俺はそん時は馬鹿みたいに逃げた。やって、近寄りたくなかってん。

また、あの日々に戻りたくなかったから、



アイツらが見えなくなったとこまで来た。




そしたら君は、ふとナイフを手に取った。



sho「大先生のおかげでここまで来れた。今まで生きて来れた。ありがとう。楽しかった。

だから、もうええよ。もう、ええんやッ、」

ut「ぇ…、?っ」


sho「死ぬのは俺一人でええ。大先生は生きてなッ?、」









君は手に取ったナイフで首を切った。自殺したんだ。






















俺は悲しみという感情を通り越して何も言葉を発せなかった。


まるで、なんかの映画のワンシーンみたいやった。白昼夢を見ている気がしとった。







気がついたら俺はアイツら捕まっていた。


夢は覚めたはずなのに君がどこにも見つからんくて、shoちゃんだけがッ、どこにもおらんかった…、













そして時は過ぎて行った。


ただただ暑い日が過ぎて行くだけや。



あんな家族もあんなクラスの奴等もおるのに、君だけが、shoちゃんだけが、おらんのや。なんでやろな。


shoちゃんは死んだのに、あんな奴等が生きてる。可笑しいよな。





あの夏の日を思い出す。


俺は今も今でも思ってる。


君を探している。

君に伝えたいことがあるんや。







いつになっても6月のあの日は忘れへん。


君の眩しい笑顔は、

君のあの無邪気さは、


俺の頭の中を満たしている。







「誰も悪ない。shoちゃんは何も悪ないから、もうええよ。全部投げ出そう。一緒に死んでしまおうや。」










「そう言って欲しかったんやろ?なぁshoちゃん」
























あの夏が飽和する。

作詞・作曲・編曲:カンザキイオリ















loading

この作品はいかがでしたか?

172

コメント

3

ユーザー

あの夏が飽和するいいですよね😭 たまに泣きそうになります 私曲パロ書くの苦手で、主さん凄すぎるんだけどっ!😳 次の投稿も楽しみにしてます!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚