ある日インターホンがなった。
出てみるとそこにはずぶ濡れになったshoちゃんがおった。
shoちゃんは「昨日人を殺したんや」と言って家には入らず玄関の前で泣いていた。夏で暑いはずなのにshoちゃんは凄く震えとった。そこから始まった俺とshoちゃんの物語の記憶や。
shoちゃんは、
sho「殺したんは隣の席毎日いじめてくるの彼奴や。もう嫌んなって、我慢出来ひんくて肩を突き飛ばしたんよ。多分打ち所が悪かったんやろ。
……もうここにはおれへんと思う。やから、どっか誰もおらん所で死んでくる。」
そう言った。
俺はそんなshoちゃんにと言った「そんじゃ、俺も連れてってや」
ut「必要なもん持って、要らんもんは全部壊して行こうや。あの写真と日記も、もう要らへんよ。」
人殺しの君と駄目人間の俺の楽しい旅や
そして俺とshoちゃんは逃げ出した。こんな狭過ぎる生きづらい世界から。家族もクラスの奴等も全員捨てて。二人だけで。旅に出た。
ut「shoちゃん!何もあらへん誰もおらん遠いとぉ〜いとこで死のうや」
sho「おん、そうしよかな」
この世界にはもう何の価値もあらへん。だって、この世界には人殺しなんてそこら中に湧いとるんやから。
ut「shoちゃん」
sho「ん?」
ut「shoちゃんは悪ない、なんも悪ないから」
誰も追っては来おへん。やっぱ愛されてなかったんやな。俺もshoちゃんも。
ut「誰も追って来おへんな」
sho「追って来おへん方がええやろ」
ut「まぁせやけど、」
sho「愛されんかったから大先生の事信用できるんもあるんよ?」
確かにそうだ。こんなに信用しきってるんは誰にも愛されんかった、必要とされんくて痛みが分かるからやねんな。そんな嫌な共通点で簡単に信用できるんも変な感じやな。
ut「せやね、よかったんかもしれんな」
sho「おん!そうやで」
ギュ
sho「ふふっw何?」
手はあん時みたいに震えてないな。少しも震えとらん。よかった。
shoちゃんの手を繋ぎ二人で線路の上を歩いた。誰にも縛られること無く。自由に。
それから俺らは金を盗んで、逃げて、何でも出来る、どこへでも行けるような気がした。
もうなんも怖いことはあらへんかったんや。
落としたメガネも額の汗もどうでもええ。なんでもええ。
ut「今やったらもうどうでもええわ。」
ut「俺とshoちゃんの逃避行の旅やな!」
sho「あははwなんやそれw」
sho「でもええなそれ!」
ut「やろぉ〜?」
sho「おんw」
ut「いつか夢に見たさぁ優しい、誰にでも好かれる主人公なら…、
こんな汚くなった俺達も見捨てず助けてくれるんかな」
sho「何言ってるん?そんな夢捨てた。だって、現実を見いや。シアワセの四文字なんてある筈無かった。今までの人生で思い知ったやろ?誰もが自分は悪くねぇと思っとる。助けてなんてくれへんよ。」
行くあてもない蝉の群が彷徨っていた。
目にアイツらが入った時に視界が揺れ出し心臓が変な音をたてた。
shoちゃんが殺してしまった奴の母親、警察の奴等の怒号が聞こえた。
でも、やはりそこには俺の家族もshoちゃんの家族もおらへんかった。
見捨てられたんやろーな。どうせ、
ut「来るな!!」
shoちゃんと俺はそん時は馬鹿みたいに逃げた。やって、近寄りたくなかってん。
また、あの日々に戻りたくなかったから、
アイツらが見えなくなったとこまで来た。
そしたら君は、ふとナイフを手に取った。
sho「大先生のおかげでここまで来れた。今まで生きて来れた。ありがとう。楽しかった。
だから、もうええよ。もう、ええんやッ、」
ut「ぇ…、?っ」
sho「死ぬのは俺一人でええ。大先生は生きてなッ?、」
君は手に取ったナイフで首を切った。自殺したんだ。
俺は悲しみという感情を通り越して何も言葉を発せなかった。
まるで、なんかの映画のワンシーンみたいやった。白昼夢を見ている気がしとった。
気がついたら俺はアイツら捕まっていた。
夢は覚めたはずなのに君がどこにも見つからんくて、shoちゃんだけがッ、どこにもおらんかった…、
そして時は過ぎて行った。
ただただ暑い日が過ぎて行くだけや。
あんな家族もあんなクラスの奴等もおるのに、君だけが、shoちゃんだけが、おらんのや。なんでやろな。
shoちゃんは死んだのに、あんな奴等が生きてる。可笑しいよな。
あの夏の日を思い出す。
俺は今も今でも思ってる。
君を探している。
君に伝えたいことがあるんや。
いつになっても6月のあの日は忘れへん。
君の眩しい笑顔は、
君のあの無邪気さは、
俺の頭の中を満たしている。
「誰も悪ない。shoちゃんは何も悪ないから、もうええよ。全部投げ出そう。一緒に死んでしまおうや。」
「そう言って欲しかったんやろ?なぁshoちゃん」
あの夏が飽和する。
作詞・作曲・編曲:カンザキイオリ
コメント
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あの夏が飽和するいいですよね😭 たまに泣きそうになります 私曲パロ書くの苦手で、主さん凄すぎるんだけどっ!😳 次の投稿も楽しみにしてます!