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注意
「□□」に没頭していた時期から何年と何ヶ月が経っただろうか。いつの間にかマジックの練習で頭がいっぱいになっていた。
暗号が好きだった男…。昔の私にそっくりだ…。
「□□」の合間にやっていた暗号は
今日の暗号…。頭を動かしたのは久々な気がする。とても楽しかったな…。
部屋の中に入ると、持ってきたカバンがベッドの上に置かれていた。
その上には、紙が置いていあった。執事からだろうか?
『 エントランスに一つ荷物があります。Girei様の物かわかりませんでしたので、エントランスまでお越しください。 』
Girei
「 荷物…? 」
見覚えのない荷物がエントランスにある…ということだろうか?
私はこの大きなトランクしか持ってきていない。なのに、荷物があると言っている。なぜ……?
本当に私の荷物かどうか確かめに行くために、閉まっていた扉のドアノブに手をかけた。
扉を開けたとき、視界が真っ白になり目の前には
見知らぬ教会に、ローブを着た男性。肩には鳥…だろうか…?教会内は血まみれていて、所々(ところどころ)に白い羽が落ちていた。見渡してみると、壁はボロボロ。窓ガラスは割れている。椅子は木製でできているのだろうか。ボロボロになっていて座れなさそうだ。
一歩踏み出そうと足を上げた途端。
視界は真っ白になり、いきなり廊下が現れた。
Girei
「 …は………? 」
何が起きた…?さっきまで教会に…いや、自分の部屋にいた気がする……?幻覚…?いやまさか…。
昼食を食べて、部屋に戻った。そういえば、ナワーブの部屋にあった小説。あれをこっそり盗んできたのだった。
夕食の時間まで全然時間がある。あの小説を見ておこう。
「 Tag 」
それは「 鬼ごっこ 」ハンターとサバイバーの2つに分かれて行われる鬼ごっこ。
ハンターはサバイバーを追いかける。サバイバーはハンターから逃げ切る。様々な願い。希望。紙にすがるような夢がここにはある。
この物語はそんなハンターとサバイバー2つの視点で書かれる小説だ。
この小説は、これから私達がやる遊戯「 ゲーム 」にヒントを与えてくれるかもしれない…。そう思ったんだ。
いつの間にか、夕ご飯の時間になってしまった。やはり、時間がすぎるのは早かった。
本の内容は大体わかった。でも一つ、聞いたことのない薬の名前がこの小説には書かれていた。
「 記憶再構築の薬 」
私が「□□」のときに見たことのない薬…?そんなものが本当にありえるのだろうか?
私は、その事実を確かめるべく、医学知識のありそうなイライの元へと行った。
Girei
「 イライ…! 」
イライ
「 どうしたんだい…? 」
Girei
「 聞きたかったことがあったから…。話をさせてくれないか? 」
イライ
「 別に構わないよ?さあ部屋に入って…。 」
Girei
「 ありがとうイライ。 」
イライ
「 話ってなんだ…? 」
Girei
「 ナワーブの部屋に小説が沢山あったから、借りた(正確には盗んだ)んだ。 」
「 その小説に見たことのない薬の名前が書いてあって…。 」
イライ
「 …済まない…。私は薬のことは詳しくなくてね…。 」
Girei
「 そうなのか…。
「 小説に見たことのない言葉が出てきたらまた行くかもしれない。その時はよろしくな…。 」
イライ
「 わかんないことがあったら聞いてくれ。答えられる範囲で答えるよ。 」
Girei
「 いきなり来てごめん…。また23時に…。 」
夕ご飯を食べて少しした後、部屋の扉からトントンという音を立てた。
Girei
「 どうぞ…? 」
イライ
「 失礼するよ。 」
「 さっきの薬の名前…気になったから調べてみたんだ。 」
Girei
「 …!…調べてくれたのか? 」
イライ
「 記憶再構築の薬は… 」
『 この世に存在しないんだ 』
Girei
「 薬が…ない……?! 」
イライ
「 残念なことにね…。 」
「 薬の内容的には、『 幻覚 』が一番近いんじゃないかな… 」
Girei
「 幻覚……? 」
「 みんなと離れた後、幻覚かどうかわからないけど…。そういうようなものを見た気がするんだ…。 」
イライ
「 実は…私もそうなんだ。教会かな……そこにナワーブみたいな人が立っていてね…。 」
Girei
「 私はイライだったよ…。 」
イライ
「 もしかしたら…ナワーブもなっているかもね…。 」
23時ちょうど。イライとナワーブは私の部屋に来た。
ナワーブ
「 おいGirei!約束通り来たぞ! 」
イライ
「 今晩和(こんばんわ)…。Girei失礼するよ。 」
Girei
「 あぁ…。来てくれてよかったよ…。 」
私はイライに聞いたことをナワーブにも聞いてみることにした。
Girei
「 ナワーブ。お前に聞きたいことがあったんだ。 」
ナワーブ
「 なんだ…? 」
Girei
「 私達と離れた後、幻覚…?が見えなかったか…? 」
「 この屋敷じゃないところに飛ばされたとか…。 」
ナワーブ
「 そういえば…。椅子から立ったときに立ちくらみが起きて、いきなり視界に教会が現れたな…。 」
「 一瞬だったから…何があったとかは分からなかったな。 」
イライ
「 ナワーブもなったんだね… 」
「 夕飯前にGireiが私の部屋に来たんだよ。そのときに言っていたんだ。 」
「 気になったから本で調べてみたけれど、分からなかったんだけれど…。 」
Girei
「 不思議だな…。 」「 一番の異変かもしれん…。 」
イライ
「 異変……8番出口…?異変見つけたら戻らないとだね…? 」
ナワーブ
「 なんだそれ…? 」
イライ
「 …?…なんだい…?なにか言ったかな? 」
ナワーブ
「 …いやお前怖いわ。 」
Girei
「 とにかく、幻覚…?がみんな見えてたってことでいいんだよな…? 」
ナワーブ
「 そうだな。 」
イライ
「 そうだよ…ッ…!? 」
イライが言葉を発したその時、イライがふらついてこういった。
イライ
「 これから行われる遊戯に不幸な未来が視える 」