テラーノベル
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翌日の朝。教室。——prっつはいつもより少し早めに登校していた。机の引き出しから小さな紙袋を取り出す。
prっつ「……よし。」
中身はヘアピンだった。——悪魔モチーフの、ちょっと洒落たデザイン。昨日の帰り道、雑貨屋で買ったものだ。
その時、ガラッと後方の扉が開く。
mz太「……ぁ、おはよう、ぷーのすけ。」
prっつ「おう、おはよう。」
平静を装った。——が、紙袋をさっと机の中に突っ込んだ動きは明らかに不自然だった。
prっつ「……今日ちょっと早いやん。珍しいな。」
mz太「…ぅん、まぁね。」
mz太は席に座って鞄を下ろした。——顔色は悪くない。昨日よりは元気そうだ。
prっつ「……体調、どうや。」
さりげなく聞く。——毎日聞こうと決めていた。「大丈夫?」ではなく「どうや」と。大丈夫じゃない日があるかもしれないから。
prっつ「昨日ちゃんと寝たか?」
mz太「うん、大丈夫。」
prっつ「ならええけど。」
安堵の息。——ちらりと机の中の紙袋に意識が向く。渡すタイミングを計っているのが丸わかりだった。
一限目の予鈴が鳴った。——担任が入ってきてホームルームが始まる。prっつは前を向いたが、シャーペンを持つ手はノートに何も書いていない。
休み時間になった瞬間。
prっつ「あー……mz太、ちょっと来い。」
手招き。——廊下に出ると、人のいない階段の踊り場までmz太を連れて行った。
prっつ「……はい、これ。」
ぶっきらぼうに紙袋を差し出す。——目を合わせていない。
mz太「……えっ?…何これ……?」
prっつ「……別に、大したもんちゃうけど。開けてみ。」
壁の方を向いたまま。——耳が真っ赤だ。
mz太「…ぅん……わかった。」
紙袋を開ける。——中には小箱が入っていた。開けると、紫地にシルバーの悪魔があしらわれたヘアピンが一つ。
prっつ「……お前それ気に入っとったやろ、前から。似たようなん探してて——」
早口。——言い訳がましい。
prっつ「——祭りん時の帰りに見つけてん。……別に深い意味はないからなッ。」
mz太「…そっか……笑。ありがとう、pーのすけ。」
そのヘアピン を見つめたまま、ふわっと笑った。
prっつ「——っ、」
横目でその笑顔が見えた。——反則だ、と思った。
prっつ「……おう。……気に入ったなら、よかったわ。」
声のトーンが急にしおらしくなった。——照れ隠しの勢いが完全にガス欠を起こしている。
prっつ「……つけてみぃや。」
mz太「……うん、つけてみる。」
今つけているシルバーの悪魔のヘアピンを外して——新しいものを留めた。
prっつ「——……。」
言葉を失った。——似合う、とか、そういう一言が出てこない。——ただ見惚れていた。紫と銀のコントラストがmz太の左側の白の前髪に映えて、黄色い瞳と相まって。
prっつ「……うん。ええやん。」
やっと出た感想がそれだけ。——語彙力は死んでいた。
prっつ「……大事にせぇよ。」
mz太「うん、もちろん。」
二限目のチャイムが廊下に響いた。——現実に引き戻される。
prっつ「……戻るか。」
並んで教室に向かう。——さっきより半歩、近い距離で。
それからの日々は駆け足だった。——文化祭。二人で模擬店を回ったり、お化け屋敷でmz太だけ本気でビビって出口で動けなくなったり。写真を撮った。——prっつのスマホのフォルダには、もうmz太しかいない。
日帰りの海にも行った。——電車で一時間半。十一月の海は寒かったけど、二人して靴下まで濡らして笑い転げた。帰りの電車でmz太が寝落ちして、prっつの肩にもたれた。——起きなかったことにした。降りる駅を一つ乗り過ごしたのは秘密だ。
——そうして、残り五日。
mz太「……。」
十二月十八日。——冬の朝は冷たい。
prっつはいつものようにmz太の家に迎えに来ていた。——約束通り、毎日。一日も欠かさず。
prっつ「……おはよう。今日めっちゃ寒い——」
玄関先に立つmz太を見て、言葉が止まった。
顔色が悪い。——明らかに、今までと違う。唇に色がない。目の下の隈が濃い。マフラーに顔を埋めているが、それが寒さのせいだけじゃないことは、もうわかっていた。
prっつ「……mz太。」
一歩近づいた。——手が震えそうになるのを握り潰して止めた。
prっつ「今日——学校、休むか?」
mz太「…ぇ、?でも……」
prっつ「ええから。——休め。」
有無を言わせない声だった。——いつもの軽い調子が消えている。
prっつ「……俺がおるから。な?」
冷えたmz太の手を両手で包んだ。——温めるように。逃がさないように。——学校なんかどうでもいい、とは言えなかったけれど、天秤にかけるまでもなかった。
prっつ「お前の部屋、上がってええか。——おってもええやろ。」
mz太「……ぅん。」
二人で家の中に入った。——静かな家だった。誰もいない。——いつものことだ。
mz太の部屋。——ベッドに横になるmz太に布団をかけた。暖房をつけて、ホットココアを淹れた。キッチンを勝手に使ったが、もう慣れたものだった。——残り五日の間に何度も通ったから。
prっつ「……ほら。」
マグカップを渡す。——prっつ自身はベッドの横の床に座り込んだ。
しばらく沈黙が続いた。——ココアを啜る音。時計の秒針。——prっつには聞きたいことがあった。ずっと喉元まで来ていた。——でも、聞けない。
prっつ「……なぁ、まぜ太。」
mz太「……ん、?」
prっつ「……あと、何日や。」
——出た。
ずっと避けてきた問い。——震える声で、それでも真っ直ぐに。
prっつ「……わかっとるよ、俺。お前がただの風邪で顔色悪いんちゃうことくらい。——もう誤魔化さんといてくれ。」
mz太「…ぅん。…………ぁと、——五日。」
五日。——その数字が部屋の空気に落ちた。
prっつは動かなかった。——瞬きすら忘れたように、mz太を見つめていた。それから、ゆっくりと視線を落とす。——自分の膝を見ている。
prっつ「……五日。」
繰り返した。——噛み締めるように。
prっつ「……そうか。」
それだけ。——怒りも悲しみも爆発させなかった。今ここで泣いたら、mz太が困る。——それだけがprっつを繋ぎ止めていた。
prっつ「……聞かせてくれて、ありがとう。」
mz太「……ぅん…、」
静寂。——時計が秒を刻む音だけが残酷に正確だった。
prっつ「……五日間。全部、俺にくれ。」
顔を上げた。——目が赤い。でも涙は落ちていない。
prっつ「学校も何もいらん。——お前とおる。それだけでええ。」
mz太「……うん、あげるっ…。俺の全部。」
——全部。
その言葉の重さを、prっつは受け止めた。——全部。残りの五日間も、それまでの時間も。全部。
prっつ「……ありがとう。」
短く。——それ以上言ったら崩れそうだった。
prっつは立ち上がると、mz太が横になるベッドに腰掛けた。——そっと頭を撫でる。
prっつ「……寝とき。——起きたら、おるから。」
冷たくなった指先を自分の手で温めた。——ゆっくり、丁寧に。
mz太「……うん。」
数分もしないうちに、まぜ太は眠りに落ちた。——浅い呼吸。時折、苦しそうに眉が寄る。——それでも穏やかな顔だった。
prっつはその横で座っていた。——動かない。手だけはずっと、布団から出たmz太の手を包んでいる。
prっつ「…………。」
窓の外では冬の陽が傾き始めていた。
——あと四日。
next ♡ 6000 ⤴︎⤴︎
参考パクリ×
表紙イラスト保存⚪︎
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自作発言 禁止
無断使用
コメント
2件
いや ...... もう、 pr彡が イケメン すぎる。🤦🏻♀️💗 mz彡も pr彡に 残りの日 を pr彡に 全部 上げれるの って やっぱ pr彡の事 それだけ 大好き( いい人 )って 思えてるの かな って 思いました 。 ( 勝手な解釈すみません 。 ) 時間無いので今度空いてる時にまた♡押しに来ますね !!
もう4話か…毎日「どうや」って聞くprっつの優しさが刺さるわ。ヘアピン渡すシーンの照れっぷりとか、mz太の笑顔に「反則だ」ってなる気持ち、すごいわかる。 でも後半、一気に雰囲気変わったな…「あと五日」って数字が重すぎる。prっつが泣くの我慢して「全部くれ」って言ったところ、ガチで震えた。この二人の時間、ちゃんと目に焼き付けておきたい。