テラーノベル
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若井と2人でコーラで乾杯して小さなケケーキとチキンを食べる。
毎年恒例のことなのに指輪が目に入るたびに実感する···今はもう友達を越えた関係なんたって
「俺は···若井に好きな気持ちが伝わったらもうきっと側には居られないって思ってずっと言えなくて、友達のふりしてた」
クリスマスソング特集している番組を見ながら、思っていたことを話しだすと、若井がそっと番組の音量を下げてくれる。
「けど···とっくに友達なんて関係じゃ我慢出来ないくらい···若井のことが好きで、伝えなきゃいけないって思って···好きって伝えられて、今すごい幸せなんだ···」
少しだけ若井の方に身体を寄せる。
いつもはなんてことない距離なのに今日はドキドキしてしまう。
「俺も、元貴の側でずっと居られたらそれでいいと思ってた···でも正直、我慢出来ない時もあって、けどそんな俺を元貴は受け入れてくれてて···好きな気持ちって終わりがないってわかってて、けどなかなか勇気が出なかった」
若井も俺に寄って来てくれて2人の肩が触れ合い、床に置いた右手に若井の手が重なった。
「じゃあ、なんで指輪用意してくれてたの···?」
「カッコ悪い話だけど···嫌わないでくれるなら」
俺の肩に若井の頭がそっと置かれてサラサラの髪が頬に触れてすこしくすぐったかった。
「嫌いになんてならないから···教えてよ、聞きたい」
「···冬休みの前に告白された時あったでしょ?その時俺、好きな人がいるからごめんって断ったんだ。告白しないのか聞かれて勇気が出なくてって思わず言っちゃって···そしたらその子に泣きながら叱られて。気持ちを伝えないまま、もし2度と会えなくなったらどうするんですかって。後悔して欲しくないって言われて、あぁそうだよなって納得したっていうか」
「けど、花火の時くらいからいつかは黙ってるのも限界だっていうのに気づいてたから···修学旅行の時もそうだけど、元貴が可愛すぎて我慢出来なくなりそうだったし」
ふふっと笑う若井に俺も身体を少し預けて、俺は我慢出来なかった、と過去の自分を思い出して若井には言えないなって苦笑いしてしまう。
「我慢、もうしなくていいね」
「···いいの?俺、何するかわかんないよ」
「···いいよ」
若井なら、いい。
そういった時、ゆっくりと顔が近づいて唇が触れ合った。
「もっとしたい···」
もう一度、今度は長いキスだった。
あの文化祭の時とは違う、ちゃんとしたキス。
「ずっと想像してた、元貴とこうすること···想像以上に幸せでやばいかも」
「俺も幸せだよ、抱きしめてもいい?」
いつもしているハグと行為は同じなのにその幸福感はいつもと全く違っててクラクラとしてしまうほどだった。
今、世界で一番幸せだって思えるくらい···若井の腕の中は暖かくて心地良い。
「元貴のこと大切にする、これからも。だからずっと側にいて」
幸せなクリスマスの夜、俺たちは昔みたいにひとつのベッドで眠った。
たくさんキスをした。
たくさん抱きしめた。
たくさん好きだと伝えあった。
でも、それ以上のことを若井は何もしなかった。
「なんで?俺、若井となら···」
「俺もだよ。けど、今の俺は本当に余裕がなくて···たぶん、これ以上したら止まらなくなる。元貴のことたぶんめちゃくちゃにしたくなる」
若井になら酷くされてもいいのに。けど若井はひたすらに優しかった。
「これから2人でゆっくり進んでいこう、今日は元貴のこと少しも傷つけたくない···」
「じゃあ、キスもっとして···?」
ねだる俺に若井は目を細めて笑って暖かいベッドの中で何度もキスをしてくれた。
心も身体も暖かい、幸せな夜だった。
・・・・・・
ついに2人がお付き合い出来ました!
長かったぁ···。
今後ですが、とにかく幸せなまま成長していくのか。
私はたぶん書いたことない悲しいエンドにチャレンジするのか迷っています。
もし良ければコメント何かもらえるとありがたいです。
悲しいエンドはたぶん生死的な意味での···を、考えております···。
コメント
10件
これは泣いちゃうわ😭幸せになって欲しすぎる🥺😭
ついについについに😭 はるかぜさんの書くふたりが大好きすぎて
今日は少しも傷つけたくない、と言う言葉に涙が🥲 2人の幸せそうな情景が浮かんできました‥! 悲しいエンド気になりますが、やっぱり2人には幸せに大人になって欲しい思いも強く‥😭 どっちつかずな意見ですみません😭