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三日月が自分の仮面をはずし、私の仮面も取り払う。
「理沙……」
私の名前を呼んで、三日月がじっと黙り込む。
もどかしいような沈黙が続いた後に、ふと近づいた唇に、吸い寄せられる自分がいた。
「ずっと、あなたを求めていました……」
腰が抱かれた手に、熱がこもる。
「……愛しています。……狂おしいくらいに」
胸の開いたドレスから覗く鎖骨へ口づけられると、そこに焼けつくような熱が灯るようにも感じた。
「三日月……」
メガネのない彼の瞳は、ほのかに潤んでも映り、ひどく艶っぽく見えて、
「愛してる……私も…」
魅かれるように彼の背中に腕をまわすと、いっそう強い力でぐっと抱き締められた。
「キス…して…」
目を閉じてせがむ。
唇に受けた彼の口づけは、普段の厳しい姿からは想像もつかないくらいに、淫らで情熱的にも思えた。
「うっ…ん…」
「ん…、理沙…?」
甘い吐息とともに呼びかけられて、
「なに…?」
胸を込み上げる高ぶりのままに尋ね返す。
「私がもし執事などでなければ、あなたを奪い去ることもできるのに……」
「私を奪ってよ…三日月っ」
抑えられない感情に、彼の体にきつくしがみつく。
「いいえ……」
すると三日月はそう一言を洩らして、私をそっと体から離した。
「明日からはまた、私は執事で、あなたはお嬢様です……」
三日月の言葉に、首を何度も横に振る。
「嫌よ…そんなの……。今夜だけだなんて……そんなの…寂しすぎるもの……」
頬を流れた涙に口を付けて吸い、
「……けれど、思いは変わりません……。
私の心は、永遠にあなたのものであると、約束します……」
三日月が、熱い想いを吐き出した。
この約束は、永遠に忘れることはないと……。
たとえ主従の関係であろうと、愛する気もちは変わらないと……。
ただ、あなただけを愛していたいと、月灯りの下、2人は再びの口づけを交わし、限りなく続く永遠を誓った……。
-END-
※この後は、あなたを超イケメン✧ホストクラブへご招待する、特別エスコート編に続きます。