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銃声が途切れた一瞬。
地下通路に、不気味な静寂が落ちた。
おんりーは息を整えながら、周囲を確認する。
おんりー「……一旦、引いた?」
MEN「いや……」
MENは銃を構えたまま、微動だにしない。
MEN「“様子見”だ。まだ終わってない」
その直後。
床を転がる金属音。
おんりー「――っ、MEN!」
反射的にMENを突き飛ばす。
爆音。
閃光と衝撃が同時に走り、視界が白く染まった。
MEN「ぐっ……!」
おんりー「MEN!!」
煙の中、MENが片膝をついている。
右腕を押さえ、明らかに動きが鈍い。
おんりー「……やられたのか」
MEN「……浅い。まだ動ける」
そう言いながらも、血が指の隙間から落ちていた。
おんりー「……嘘つくな」
声が、低くなる。
おんりー「その腕で前に立つ気?」
MEN「もちろん」
即答だった。
MEN「俺が崩れたら、お前が危ない」
おんりーは歯を食いしばる。
焦りと怒りが、胸の奥で渦を巻いた。
おんりー「……そんなに俺のこと信用してない?」
MEN「逆だ」
MENは顔を上げ、おんりーを見る。
MEN「信用してるから、前に立つ」
その言葉に、一瞬言葉を失う。
だが次の瞬間――
闇の奥から、拍手の音が響いた。
???「――なるほど。さすがだな」
低く、余裕のある声。
複数の影の向こうから、一人だけ歩み出てくる人物がいた。
おんりー「……指揮官、か」
???「ご名答。君たち、かなり厄介だ」
MENは銃口を向けたまま、低く唸る。
MEN「……俺たちを誘い込んだのは、お前か」
???「そうだ。通信を切り、数で潰す……普通なら、もう終わってる」
男はMENの腕に一瞬だけ視線を向け、口角を上げた。
???「だが……まだ立っている。だから興味が湧いた」
おんりーは一歩前に出る。
おんりー「MENから離れろ」
男は小さく笑った。
???「相棒想いだな。だが――」
次の瞬間、男の合図で周囲の影が一斉に動く。
MEN「来るぞ!」
おんりー「……っ、MENは下がれ!」
MEN「無理だ!」
銃声が再び響く。
MENは痛む腕を庇いながらも、前に出た。
その背中を見た瞬間。
おんりーの中で、何かが切れた。
おんりー「……いい加減にしろ!!」
声が、地下に響く。
おんりーはMENの前に立ち、敵の動きを一気に読み切る。
おんりー「右、フェイント! 左が本命だ!」
MEN「……!」
おんりー「俺が全部見る! MENは俺を信じろ!」
一瞬の躊躇の後、MENは頷いた。
MEN「……任せた」
そこからは早かった。
おんりーが道を作り、MENが確実に仕留める。
二人の連携は、先ほどよりも研ぎ澄まされていた。
男はその様子を見て、低く笑う。
???「……やはり面白い。だが、覚えておけ」
男は闇へと下がりながら、言い残す。
???「次は、逃がさない」
気配が消えた。
残された地下通路に、荒い息だけが残る。
おんりーはすぐにMENの元へ駆け寄る。
おんりー「……腕、見せろ」
MEN「……悪い」
おんりー「謝らないで」
短く言い切り、応急処置を始める。
おんりー「……俺がいる。だから、無茶すんな」
MENは一瞬目を伏せ、静かに言った。
MEN「……ああ。次は、背中預ける」
通信は戻らない。
敵の正体も、まだ全ては見えていない。
それでも。
二人は、まだ立っている。
この戦いは――
確実に、深みに入っていた。