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私
はまだこの世界で生きている 私がまだ存在しているから 私がまだここに居ることを知っているから 私がまだ存在していることを喜んでいるから 私が存在していることに価値があると信じているから 私が存在する限り私にとって大切なものは失われない 私が存在し続ける限り私は私を愛し続けよう 私が存在することを望む誰かのために 私の存在を願う私自身のために 私はまだこの世界に生きている 私は今日もここで生きている 私はまだここに居て良いらしい 私の願いは叶っている 私が望む以上に叶っている まだここに居ることを許されたのだ 私がまだ存在し続けることを許されているのだ そう思うだけで胸が温かくなって安心できる まだ私は存在していても良いのだと思える まだこの世界で生きていても良いのだと思うと嬉しい気持ちになる 私はまだ死ねなくて良いらしい まだ死んでいないのだから 私はまだ死んでいないけれど いつか死んでしまうだろうけど それでもまだ生きていけるのならば 今はそれで満足しよう 今はそれしかできないけれど それだけあれば充分だ それが私に与えられた唯一の希望なのだから 私はまだこの世界に生きている 私はまだ今日もこうして生きている 私はまだここに居ても許されるらしい 私の願いは叶えられている 私の望みは叶っている 私の存在が許されているのなら きっとこれからも大丈夫に違いない まだ私を必要としてくれる人がたくさんいるはずだ それはとても幸せなことだ とても恵まれていることだと思う 感謝しておかなければ罰が当たるかもしれない ありがとうございます神様 本当にありがとうございます神様私は今日もこの世に生を受けました 私は今日までちゃんと生きてきました どうか見守っていてください 願わくば明日もまた生き延びられますように そうすればまたあなたに会いに行くことができます だからもう少しだけ待っていてください あなたを愛しています だからもうしばらくしたら会いに行きます それまでどうか無事でいて下さい 私にはあなたのことが見えなくても 声が聞こえなくなってしまっても 触れることも触れられることもなくなってしまっても あなたのことを愛しています ずっと忘れません だからもう少しだけ待っててください 私は幸せです 今までもこれからもずっと幸せです だって私が幸せだと感じるときはいつも あなたを感じているときなのですから だから安心してください 私は必ず約束を守ります あなたを愛する気持ちだけは絶対に裏切ったりしないのですから だからお願いします あとほんの数年だけでいいんです それさえ過ぎれば私はもう何も要らないから だからそれだけの時間があれば十分だから その時が来るまでどうか無事でいてください お願いします 私はいつになったらあなたに会うことができるでしょうか? あなたはとても素敵な人だけれど 今はまだ会えないみたいですね だけどいつかきっと会えると信じてます だからもう少しだけ我慢していてくださいね あなたのために何かできることはあるだろうか? せめて言葉だけでも届けることができたら良いのだけれども……。
僕にはそれができないだろうけど。
君に伝えたかったことはたくさんあったはずなのに、今ではすっかり忘れてしまったよ。
それでも一つだけ覚えているのは―――。
僕は今も君のことが好きだということだけだ。
***
ねぇ、聞いて下さい。私、好きな人が出来たんですよ! そう言った彼女は本当に嬉しそ
うな表情をしていた。……あぁ、良かったね。応援してるよ。
僕は笑顔を作って彼女を祝福する。
ありがとうございます!! 彼女は僕の言葉を聞いてさらに笑みを深めて笑う。
じゃあ今日はその人とデートですか? いえ、まだ告白とかするつもりはないんですけど、彼ともっと仲良くなりたいなって思ってまして……。
それでまずは一緒に出掛けようかなって思ったのですが……。
うん。良いと思いますよ。頑張ってください。
はい!!頑張ります!! ではまた何か進展があったら報告しますね!! えぇ。待っていますから。
彼女は僕の理解者だと思っていた。僕を理解してくれる唯一の存在だと。だけど違った。彼女もまた、僕のことを理解してくれていなかった。彼女はただ自分の欲望を満たしたかっただけだ。僕は彼女の欲望を満たすための道具に過ぎなかった。そしてある日突然彼女は言った。
「あなたのことなんて愛していないわ」
僕は頭が真っ白になった。何も考えられなかった。言葉も出てこなかった。ただ頭の中に浮かんできたのは疑問だけだった。なぜ?どうして?いつから?どこで間違えた?そもそも最初から間違っていたのか?考えれば考えるほど分からなくなってくる。しかし一つだけ確かなことがあった。彼女がもう僕のそばにはいないということだった。
気がつくと僕は家にいた。どうやって帰ってきたのか覚えていない。玄関を開けるとリビングから出てきた父さんに抱き締められた。いつも僕が学校に行って帰ってくる度にこうだ。
『おかえりなさい』と言ってくれる母さんの笑顔が好きだったけど、今はもうない。僕のせいだ。僕の……。