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⚠️文下手・レイマリ百合描写あり
設定崩壊多々あり。ご注意を。
▷霊夢◁
「はぁ、こんなもんかしらね。」
神社の石畳の上で紅白の巫女は溜息を付きながら独り言ちる。今日も今日とて参拝客は少なく、霊夢の前には立派は赤い鳥居だけがぽつんと静かに佇んでいた。今日は何も予定が無いから暇なのよね…と思っていると、ふと可笑しな事に気付いた。
「そういえば、今日はまだ魔理沙が来ていないわね…。」
ほぼ毎日博麗神社に顔を出している彼女は、今日は何故か姿を現さなかった。大方魔法の森でキノコ採取でもしているか、人里をぶらついているのだろう。魔法使いの割には活発な性格の彼女が家で大人しくしているとは考え難い。
(…今日は来てくれないのかな。)
いつもは呆れた表情をしつつも魔理沙の相手をしている巫女は、今日は少し拗ねたような表情をしていた。寂しさを感じた彼女は、〖パトロール〗という仮の名目で人里で魔理沙を探すことにした。
﹌﹌﹌﹌少女移動中﹌﹌﹌﹌
人里に着くと、普段の半分ほどの人だった。
「そういえば今日は準備夜だったわね。」
そう彼女は呟く。行事好きな彼女のことだ。どうせ準備夜(じゅんびや)にも参加しているのだろう。彼女は里を見渡しながら魔理沙を探し始めた。
魔理沙はすぐに見つかった。彼女の金髪は、人里ではかなり珍しい色だったからだ。妖怪にも確かに金髪はいるが(紫や藍、ルナサやパルスィとかね)人間、そして地毛で金髪というのは幻想郷でも珍しい色として知られているほどだ。霊夢は魔理沙に近づき話しかけた。
▷魔理沙◁
「やっぱりここにいたのね。」
少し呆れたような声だが、不思議と惹かれるような声が聞こえた。流石にこの私を舐めてもらっちゃあ困る。何年も一緒にいるんだ、声ぐらい耳に馴染んでる。そう思った私は作業を続けながら返事を返した。
「どうしたんだ?霊夢。珍しいな、お前から進んで人里に降りてくるなんて。」
そう言うと彼女は溜息をついた。
「あんたホント来て欲しい時に来ないわよね。探してたのよ、魔理沙。」
「そりゃあ魔法使いは忙しいからな……っていうのは嘘で、祭りの準備が面白そうだったから来たんだ。なんで私を探してたんだ?」
「ちょっとした……」
そこまで言いかけて霊夢は口を濁した。
「どうしたんだ?」
「いや、恥ずかしい…のよ、言うのが。」
そう言われた魔理沙は少し目を見開いて驚いた顔をした。
「……何よ。」
「いや……霊夢にも恥ずかしいと思う心があるんだな、と。」
「は?」
「だってお前そんなん気にしないじゃん。」
霊夢はムッと顔を顰めた。図星だった。
「それともなんだ?”私に言うのが”恥ずかしいのか?」
顰めっ面の霊夢が面白かった魔理沙は、冗談を言う。けれど霊夢は、
「その通りよ。」
頬を薄紅色に染めてそう言った。
「え」
「私、魔理沙と祭りに…行きたい。」
静かに霊夢は告げた。妙に恥じらうその姿が新鮮で、何より可愛らしくて、
(そんなお願いされたら断れないだろ。)
とまで思ってしまった。まぁ、まず断る気は毛頭もないのだが。私も顔が熱くなった。霊夢のせいだ。霊夢の……せい。
「わ、わたしも!」
言葉がとび出てしまった。でも、これが私の本心なのだ。だから霊夢に返さなければいけない。
「わたしも誘おうと、思ってたぜ!」
そう言うと、霊夢は嬉しそうに笑った。
……その笑顔は、やっぱり可愛かった。
【次回 浴衣の着付け】