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かちゃり、と先程までカフェオレが入っていたカップをシンクに置く。
「、、、はぁ、とりあえず落ち着いたかな」
とは言ったものの夢で見たあの顔がずっと脳裏から離れない。クソ、と濡れ衣を着せられた隣国に心の中で悪態をつく。
目を逸らすように、手に持っていた携帯を確認すると、画面は朝の3時を示していいた。いつもなら絶対に眠っている時間だが、生憎あの夢のせいでとっくに目は冴えきっている。 ぼんやりと意味も無く眺めていると、時刻とともに表示された月日に、少しだけ既視感を覚えた。
、、この見覚えのある数字は、確か―
と首を傾げた所で完全に思い出す。すぐに焦りながら(転ばない程度の)駆け足でリビングに向かうと、迷いない視線でカレンダーを見上げた。
「、、、嘘でしょ」
今日の日付の場所には、赤いマーカーで走るようにメモ書きされていた。
【会議】と。
自分がカレンダーにわざわざ赤で書くような会議、といえばあれしかない。世界各国が1つの部屋に集結する_小規模何だか大規模なんだか毎回よく分からない_あの会議だ。
普段なら当日の朝に思い出したとしても何ら気にしたことは無いし思い出しても正直どうでも良かった。
、、、ただ、今回の場合は普段と前提が違いすぎる。
“世界各国が集まる会議”。ならば当然アイツも来る。そう、今さっき自分に告白してきたアイツだ。夢だけど。
「っいや嘘だろ、、、こんな気持ちで会うとか絶っっっ対ムリ!!!!ロクな顔できない!!!!目合わせらんない!!!!終わった!!!!」
またもやご近所さんが目をかっぴらいて起きそうな声量が出たが、この時間ならまだギリ早起きで済ませられるだろう。
いやそうではなくて、とにかくやばい。いつもの調子で絡みに行けるような心情じゃないし、絡まれても上手く返せる自信が無い。今じゃ日常茶飯事となったいがみ合いも到底無理だ。
、、とは言っても軽く休めるようなものでは無いし、イギリスと会話をしないというのも不可能なので、受け入れるしかない。仕方なく。
自分が上手く今日を乗り切ることを祈りながら、カップを洗った。短いようで長い余った時間は、この熱を冷ますことに費やそう。