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、、、現在、会議進行中。各国が自分の意見を発言したり、時には不真面目にしていたり。基本的には自由だ。普段なら自分もメモを取ったり他の奴らと話したり何なりするんだろうが、今回は誰の話も耳に入ってこなかった。
答えは簡単、隣にイギリスが居るからだ。
同じヨーロッパ、隣国なのが運の尽き、毎回会議では隣の席にさせられていた。その分よく話しかけ、よく煽り、よく喧嘩して怒られたものだ。今までの自分なら。
しかし今はどうだろう、隣が一呼吸するだけでドキドキしたり、肩や手が触れそうになっただけで心臓が飛び上がりそうになっている。おまけに中途半端な時間に起きたせいで寝不足だ。会議なんて聞く余裕も無い。
見たら心臓バクバクのくせについ何度も横をチラチラと見てしまう。僕は思春期男子か。
今までは何とも思わなかった、いや少し苛立つくらいの済ました横顔が結構かっこよく見えてきたのはかなり重症だな。
「、、、、、、フランス?」
「っっうぇぇ!?!?」
咄嗟に普段より大きめの声が出たが室内は大分賑やかなので気にする必要は無い。てか気にする余裕も無い。
それよりも急に声を掛けてきた隣国は一体何の用があるのだ。
「っえっえと何?」
「いや何ですかその驚き様は、、、貴方何か今日おかしいですよ」
「っは?えっおおかしい?」
「はいおかしいですよ。、、普段ならもっとこう、うざったらしく絡んで来るのにそれが急にピタリと止むのは正直気味が悪いです、、、反応も変ですし」
「えそ、そう!?いやー別にいつもの僕だよ!?うん!!そう!!そう!!」
「絶対何かあるじゃないですか、
、、、もしかして体調でも悪いんですか?顔も赤いですし」
と言いながら額に手を当てようとしてきた。
くっそまじでこんな所で紳士出してくんなよ今顔もまともに見れないんだよ、察せよ、察されたくないけど!!!
あーとかえーとか声にならない声を出しながら、何て返すべきかショートした頭で考えていると、少し遠くの方で「解散!」という声が聞こえた。どうやら話を聞いていない間に会議はお開きになったようだ。
ちょうど良かったかのように、ごめん、イギリスの言う通り体調悪いかも、帰る、と言い捨てて逃げるように会議室を出た。
、、、出て少し走った後で、会議室内に忘れ物をした事に気がついた。本当に何してんだよ自分は。ただ、あんな事を言って出ていった手前、戻るのは流石に致しかねない。イギリスもまだ出て行っていないだろうし。
しょうがない、と少し歩いた先にある休憩室に身を隠す事にした。ここなら、そこまで人は来ない上自販機があるので時間を潰すことが出来る。会議室から人が居なくなったら取りに行こう、と密かに決意した。
ベンチに座って、はぁ、とため息をつく。
あの夢から、どうも自分はおかしい。恋を自覚したから_というのもあるけど、、、、、、
何か気づきたく無かったものを無理矢理気付かされたかのような、そんな気分がする。
美しさをモットーにする国として、今日の行動は自分でもらしく無いと思った。いつもはもっと余裕があって、感情も上手くコントロールして、、、どちらかと言えば手の平の上で転がす側で、、、
「、、、、、こうなったのも全部アイツのせいだ、、イギリスが、、イギリスのせいで、、、」
「私がどうかしたんですか?」