TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

その後、卒論が本格的に完成するまで、響とは離れて暮らした。

ただ…ずっと連絡は取り合ってて、響は「会いたい」なんて素直にメッセージしてくることも。


ただ、私の大学卒業がある程度確約されるまで、会うなんて余裕はなかった…。



ごめんね響…w




そしてようやく心配事が解消して、すぐに響に連絡をした。





「多分卒業できます会、やっていい?」


「は?」



卒論のデータまとめとか、手伝ってくれた真莉ちゃんと約束したお礼なんだけど…。




………………


「ども。お久しぶりッス」


「…お前さ、遠慮なくよく来たな?

やっっと琴音に会えるって日に…」



「はぁ…すいません…」




響のマンションに、招待した真莉ちゃんがやってきて、早速響が威嚇してる…。



「卒論手伝ってくれたお礼をするって言ったでしょ?!」



真莉ちゃんと2人で会ったら、響が嫌がるだろうから、これでも配慮したつもり。




「ヤッホー!優奈も来たよん」


真莉ちゃんの後ろから優菜ちゃんも顔を出す。

…響の顔が、また少し曇った。




皆を集めて作るメニューは…


エプロンを着けて冷蔵庫を覗いてみると、やっぱりあった高級食材!



「海老と蟹…!海鮮鍋にしよう…!」



すると響、殻つきの牡蠣もあるという。


剥きかたもわからずに牡蠣と奮闘していると、響がそばで「…危ない!」と言って、知り合いのシェフを呼ぼうとする。



「大丈夫!こんなの適当にやれば外れるはず…」



と、その時、手が滑って指先を殻で引っ掻いてしまった。



「ほらっ!危ない!」



私の手を取って、流水で流すと、すぐにパクっと咥えられた。



「や…!なんかえっちぃ…!」



瞬間赤くなる…。

だって血なんか出てないんだもん。


レロ…と、舌が巻き付く感覚が伝わる。



ニヤッと笑った顔がいきなり妖艶で、会えない間についにおかしくなったのかと心配になった。




実は…私だって、今日はちゃんと覚悟してここに来た。



新しい下着は、薄いピンク。

ショーツはなんと、両脇は紐。

男子が喜ぶってリサーチ済み…!


お風呂から出ると、いつもは響のTシャツを着てるけど、今日はちょっと雰囲気のあるスリップを着るんだから…!



「あ、あとで…なんでもするから、今は皆で楽しも?」


そう言って、わかりやすく小首をかしげてみれば…



「…わかった」



素直に返事をした響、私の頬をスルリと撫でた。






気をよくした響は、旅行の時みたいに高価なお酒を皆にごちそうしてくれた。



「響さん、俺は一発OKで卒論決めましたので、来春から…よろしくお願いします」



武者小路グループに入社する真莉ちゃん。



「そういえば、グループのどこの会社に内定が決まってるんだっけ?」



優奈ちゃんの質問だけど、真莉ちゃんは響に向かって言った。



「総合商社、…そこの、経営企画室で仕事をしたいと思ってます」


「そこなら俺の管理下だ。じゃ…真莉は来春から俺の部下か…ふーん」


「あの…聞いてます。響さんが新事業に着手してるって」



真莉ちゃん、妙に真剣な顔。



「あぁ…。もう漏れてるんだ。さすがうちに来るだけのことはあるな。情報が早い」


「その新事業、FUWARIの経営危機があるからですか?…それとも」


「…お前はどうなんだよ。ずいぶん新事業に興味があるみたいだよな。その理由は?」


「…理由は、別に」



「俺と同じだったら、気に入らない…!」



なんとなく、話が見えない。



じっと黙る真莉ちゃんと、強い目で見つめる響。




2人がどことなく不穏なやり取りをしてるみたいに見えて、私は優菜ちゃんと顔を見合わせた。




優奈ちゃんが場の空気をうまく変えてくれて、また和んだ雰囲気になる。


響はなぜか、となりに座る私の腰に腕を絡めて、より一層自分の方に引き寄せた。



…………


「それじゃ…今日はごちそうさま!」


珍しく酔ってフラつく真莉ちゃんの腕を取って、優奈ちゃんが片手をあげた。




またね…と2人に手を振り、ドアが閉まって振り返ると…。



「一緒に、風呂入る…?」



目の縁をほんのり赤く染めた響が、私の手首を取って抱き寄せた。




「…今日は、いい?…もう何の邪魔もないよな」



「…いいよ。響、好き…」


「琴音、愛してる…」


こんなベタなセリフを言えたのは、きっと2人ともお酒が入ってるから。


強く抱き締められて、今日は響からのキスが始まる…



まだ後片付け終わってないけど…お風呂入ってから、用意したスリップを着たいけど…



響のキスは今までにないほど性急で、深い。


舌を絡めて、歯列をなぞって、粘膜をくまなく犯される…



「…んっ…ふぅ、あっ…」


下唇が甘く噛まれる…私も仕返しをする。


響の手は強く背中を這い、そのまま下りて、お尻をムギュ…と揉まれる。


そして私を抱き上げたので…お風呂に連れて行かれると思ったのに…



「初めてなのに風呂場じゃまずい」



と言って、ベッドに組み敷いて、私も…もうこのまま抱かれようって覚悟した。



その瞬間…






インターホンが鳴った。





2度、3度、4度…


5回目で、さすがに響の胸を押して言った。



「ちょっと、出よう。真莉ちゃんたちかもしれない。忘れ物かも」



「…なん…っだよっ…もうっ…!」



その場に仰向けになって、響は髪をグシャグシャに搔き乱した。



てっきり真莉ちゃんたちだと思いつつ、服の乱れを直しながら出てみると、あまりに意外な人の訪問に、息を飲むほど驚いた。










「響…いるよねぇ?ちょっと開けてくれるぅ?」












モニターに写っていたのは、


武者小路グループの頂点に君臨する現会長、響の父親…武者小路正孝だった…。






スパダリは甘くない

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

13

コメント

1

ユーザー

父〜っ😭😭😭なんてタイミングの悪さ… それも語尾に小さいぇとぅが😂 響またおあずけだねぇ。琴音ちゃんも覚悟決め勝負下着用意してのにねぇ…(_ _。)ガッカリ… でもチャンスかも〜💡結婚式の日程決めちゃおうーっ٩(`・ω・´)و オォォォ!!! 我ながらイイ案と思う✌️😁

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚