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僕の小さい頃のゆめは、イルカのショーのお兄さんだった。
いるかと戯れて、みんなからの歓声を浴びたい。でも他の子と違ってかなり幼い年齢で厨二病を患っていた僕は、裏ではヴァンパイアになりたかった。割と本気で。実際、近所の子と一緒にヴァンパイアごっこをして、ヴァンパイア王子になって他の子にコウモリをやってもらった黒歴史がある。
ヴァンパイアは俺の夢が詰まった大好きな種族だ。
異世界ではすごく強く、そして珍しい。かっこいい牙に、赤い瞳に、首を噛んで血を飲むという魅力的なキャラクター。
吸血鬼と呼ばずに、ヴァンパイアっていう呼び方にこだわりがあるくらいには好きだ。
なんならネット名だって、
吸血→血が足りない→お腹が空いた→飢餓になったし。
小さい頃から高校生の今までたまごっちの推しはまめっちバンパイア、2番目にスペイシーっちだし
代理キャラもヴァンパイア。そして、大好きでたまらないオリジナルキャラクターの種族もヴァンパイア。
すごく複雑で、切なくて、そのキャラの強さを詰め込んだ、悲しい過去。
その子の人生を、1日何時間も考え続けた。自分の中でその子は、自分の大好きを詰めた唯一無二のキャラだった。
この世界にヴァンパイアは少なく、片手で数えられる程度。そのひとりとして、先祖がヴァンパイアの彼がいる。人間と結婚する特性があり、彼よりもだいぶ前の代でヴァンパイアの血はほぼ途絶えていた。彼の家族や、親戚達には牙なんてないし、血の味を美味しいとは思わない。
でも隔世遺伝して彼にあらわれた。
彼は先祖とほぼ互角・なんならその上をいくような強い力を持つ、強力で恐ろしいヴァンパイア。
でも家族に罵倒され、苛まれ、自分だけ家の離れたところに部屋を持つ。牙を隠すためと母が過剰に心配して中学時代はずっとマスクをつけて過ごしたし、幼少期飼い犬を噛んで叱られてからは生肉、生魚を我慢して血から離れた。
小説のネタバレになるので言えないが、とにかく自分はこのキャラが大好きだ。
彼以外にヴァンパイアなんて必要ないし、彼は感染を自分で決められるから他に増えることも滅多にない。増えるのは別世界線で2人、同じ世界線で1人だけ。
アニメや漫画のヴァンパイアを見るたび、彼の個性が薄まる。と心が痛くなる。
彼は唯一無二。彼以外にいらない。いらないんだ。
頑張って、作ったのに。