テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#異能力バトル
聖杯
523
聖杯
1,207
7
『Fate/Divine Eclipse ― 神杯戦争 ―』を読む前に
Fateを知らない人のための巻頭解説
この物語は、人気シリーズ『Fate』を元にした二次創作作品です。
けれど、Fateを詳しく知らなくても大丈夫です。
ここでは、この物語を読む前に知っておくと分かりやすいことだけを、簡単に説明します。
Fateとは何か
Fateシリーズの基本は、とてもシンプルです。
魔術師が、伝説の英雄を召喚して戦う物語。
魔術師は「マスター」と呼ばれます。
召喚された英雄は「サーヴァント」と呼ばれます。
サーヴァントになるのは、神話や歴史、伝説に名を残した存在たちです。
たとえば、アーサー王。
ヘラクレス。
ギルガメッシュ。
ジャンヌ・ダルク。
彼らは普通の人間ではありません。
生前の伝説や逸話を力として持ち、現代に一時的に呼び出された英雄です。
聖杯戦争とは何か
Fateシリーズで特に有名なのが「聖杯戦争」です。
聖杯戦争とは、どんな願いでも叶えるとされる器――
「聖杯」をめぐる戦いです。
マスターとサーヴァントが一組になり、他の組と戦う。
そして最後まで勝ち残った一組が、聖杯に願いを叶えてもらえる。
それが聖杯戦争です。
ただし、これはただの勝ち残りゲームではありません。
マスターにも願いがある。
サーヴァントにも未練がある。
過去をやり直したい者。
失ったものを取り戻したい者。
誰かを救いたい者。
自分の人生に答えを出したい者。
聖杯戦争とは、力と力の戦いであると同時に、願いと願いがぶつかる物語でもあります。
サーヴァントのクラス
サーヴァントは召喚される時に、「クラス」という役割を与えられます。
代表的なクラスには、次のようなものがあります。
セイバー。
剣を扱う英雄。
アーチャー。
弓や遠距離攻撃を得意とする英雄。
ランサー。
槍を扱う英雄。
ライダー。
乗り物や騎乗に関係する英雄。
キャスター。
魔術を得意とする英雄。
アサシン。
暗殺や隠密に優れた英雄。
バーサーカー。
狂戦士として召喚された英雄。
同じ英雄でも、どのクラスで召喚されるかによって、戦い方や性格が変わることがあります。
宝具とは何か
サーヴァントには「宝具」と呼ばれる切り札があります。
宝具とは、その英雄の伝説そのものが形になった武器や能力です。
伝説の剣。
神話の武具。
不死身の肉体。
生前の偉業が能力になったもの。
宝具は、サーヴァントにとって最大の力です。
一度放てば、戦いの流れを大きく変えることもあります。
この物語の違い
本作『Fate/Divine Eclipse ― 神杯戦争 ―』は、普通の聖杯戦争とは違います。
本来なら、召喚されるのは英霊であるサーヴァントだけのはずでした。
しかし、この物語では召喚の仕組みに異常が起きます。
英霊がいる場所だけではなく、神々の領域にも繋がってしまったのです。
その結果、英雄だけではなく、神話の神々に近い存在まで召喚されます。
それが「サーヴァリアント」です。
英雄であるサーヴァント。
神格であるサーヴァリアント。
この二つが同時に現れたことで、聖杯戦争は別の戦いへ変わります。
それが――神杯戦争。
聖杯戦争を超えた、英雄と神々の戦いです。
サーヴァリアントとは何か
サーヴァリアントは、この物語独自の存在です。
サーヴァントが「伝説の英雄」なら、サーヴァリアントは「神話の神」に近い存在です。
たとえば、ポセイドン。
ゼウス。
ハデス。
アテナ。
アレス。
アルテミス。
デメテル。
彼らは人間の英雄よりも、さらに大きな力を持っています。
サーヴァントには宝具があります。
サーヴァリアントには、それを超える「神器」があります。
けれど、神だからといって完璧ではありません。
神にも怒りがある。
願いがある。
未練がある。
矛盾がある。
だからこそ、神杯戦争では人間の願い、英雄の後悔、神の理が複雑に絡み合っていきます。
神杯とは何か
この物語の中心にあるのは、聖杯ではありません。
神杯です。
聖杯が「願いを叶える器」だとすれば、神杯はもっと危険で、もっと歪んだ存在です。
神杯は、願いを叶えるだけではありません。
人の願い。
神の未練。
英雄の後悔。
死者の残響。
そうしたものを集め、燃料のように扱います。
願いを救うための器なのか。
願いを利用するための炉なのか。
願いを永遠に燃やし続ける怪物なのか。
神杯の正体を知ることが、この物語の大きな目的になります。
主人公たち
物語の中心にいるのは、衛宮士郎という少年です。
彼は「誰かを救いたい」という強い願いを持っています。
けれど、その願いはまっすぐであると同時に、とても危ういものでもあります。
誰かを救うために、自分自身を後回しにしてしまうからです。
士郎のそばには、セイバーことアルトリア・ペンドラゴンがいます。
彼女はアーサー王を元にした英霊であり、誇り高き騎士です。
そのほかにも、遠坂凛とアーチャー。
間桐桜とメドゥーサ。
イリヤとヘラクレス。
ジャンヌ・ダルク。
ギルガメッシュ。
エルキドゥ。
イスカンダル。
多くの人物と英霊たちが、神杯戦争に関わっていきます。
彼らは、ただ戦うためにいるのではありません。
過去の後悔。
叶わなかった願い。
言えなかった言葉。
別れたくない気持ち。
それでも前へ進もうとする意志。
そうしたものを抱えながら、神杯と向き合っていきます。
この物語のテーマ
『Fate/Divine Eclipse ― 神杯戦争 ―』は、激しい戦いの物語です。
英雄が剣を振るい、神々が神器を解放し、宝具と魔術がぶつかり合います。
けれど、本当に大切なのは、ただ勝つことではありません。
この物語の中心にあるのは、願いです。
叶わなかった願いは、消えてしまうのか。
届かなかった言葉は、なかったことになるのか。
失った人への想いは、鎖になるのか。
それとも、未来へ渡す手紙になるのか。
誰かを救いたいという願いは、本当にその人のためなのか。
願いを叶えることだけが、救いなのか。
この物語では、願いを無理やり叶えるのではありません。
燃やし続けるのでもありません。
閉じ込めるのでもありません。
願いと向き合う。
願いは変わってもいい。
答えはすぐに出なくてもいい。
完璧に救えなくてもいい。
それでも、誰かの願いを聞いたことを、なかったことにはしない。
それが、この物語の大きな答えです。
Fateを知らなくても読める?
読めます。
Fateを知っている人は、登場人物や設定のつながりをより深く楽しめます。
でも、知らない人でも大丈夫です。
覚えておくことは、これだけです。
魔術師が英雄を召喚して戦う。
英雄はサーヴァントと呼ばれる。
サーヴァントにはクラスと宝具がある。
この物語では、英雄だけでなく神々も召喚される。
その戦いは、聖杯戦争ではなく神杯戦争と呼ばれる。
そして神杯戦争は、願いをめぐる物語である。
それだけ分かれば、この物語は読めます。
最後に
『Fate/Divine Eclipse ― 神杯戦争 ―』は、英雄と神々が戦う物語です。
けれど、それだけではありません。
これは、願いを燃やす物語ではなく、願いに返事をする物語です。
叶わなかった願い。
届かなかった声。
忘れられそうになった想い。
それらを、ただ消えたものとして扱わない。
誰かが願った。
誰かが叫んだ。
誰かが救われたかった。
誰かが生きたかった。
その事実に、もう一度向き合うための物語です。
勝利の先に残るものは、願いを叶えたという結果だけではありません。
願いを聞いたという証。
返事をしたという記憶。
そして、まだ続いていく余白。
これは、聖杯戦争を超えた神杯戦争。
英雄と神々が交わり、願いが燃え、砕け、眠り、やがて新しい形へ変わっていく物語です。
コメント
1件
聖杯さん、第44話読みました! Fate知らない人にもすごくわかりやすくて、でもただの説明じゃなくて「願いと返事」ってテーマがしっかり伝わってくる…。神杯が歪んだ願いの炉みたいな存在なのも気になるし、サーヴァリアントって神格同士のぶつかり合いも熱そう…🥀 主人公たち一人ひとりの想いを大事にするってところ、すごく好きです。 続きも静かに読ませてもらいますね🌙