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唐瓜と茄子が鬼灯を尋ねると、小柄の日本人女性が、3本の巻物を持って立っていた。唐瓜と茄子、そして鬼灯の間くらいの身長である。女性の頭は、鬼灯の肩である。
「あれ?見覚えのない女の人だ」
茄子が女性を見上げて声を掛けた。
「⋯初めまして。少年」
「あぁ、唐瓜さんと茄子さんは初めてお会いしますか。私の秘書官になりました、ゆうさんです」
ゆうは、黒い前髪と、縛られた部分から垂れた髪が肩から揺れている。
「どうも」
ゆうの声は、女性の中でも高く、鈴が転がるようである。若苗色の着物を、逆襟にしている。薄紅の帯をし、朱色の事緒の下足を履いている。
「記録科への配職も性格上考えたのですが、新しい方法も作ってみようと思いまして」
と鬼灯が言うと。
「性格上?」
「そもそも、結構若いですよね?」
茄子と唐瓜が口々に質問する。
ゆうは重そうな瞼を少し下げ、まつ毛を数回重ねた。先程まで紫だった瞳が、影が落ちると黒くなる。死んだ魚のような瞳は鬼灯に似ている。
「私、働ける状態なのに面倒で自殺したんです。その場合だと罪に当たるようで」
加えて、鬼灯が補足する。
「理由や環境、諸々ありますが、彼女の場合は有罪でしたね。
そして、囚人でありますので、罰を受けて働いております。1対1で黙々
字を書くのが得意とのことですので」
すると、ゆうが続ける。
「死んだのはつい最近なんです。和服は私の趣味です」
「なるほど⋯。あ、俺唐瓜です」
「オレ茄子でーす!どうも!」
ゆうは一礼した。
「それでは、ゆうさんは私と仕事がありますので」
「失礼します」
唐瓜と茄子は同時に思った。鬼灯は面倒見が良いが、ゆうに対しては存外甘いな….と思ったが言わなかった。懸命な判断である。
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