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私は、元々この世界の人間ではなかった。
人より強い霊感と、持て余すほどの呪力。
それらを使いこなす為にひたすら鍛えた。
初めは霊媒師になりたいとか、
別にそんな気持ちは少しもなかった。
ただ、放っておけなかった。
霊に取り憑かれ、我を忘れた人達を。
そして、此岸と彼岸の狭間に残された者達を。
呼び寄せ、祓う。
除霊とは本来、とてつもない危険を伴う。
1.対象者が霊を強く非難・拒絶している場合
この場合、霊は憑いたものの居場所がない。
そして、憎悪や疑念を増幅させる。
大抵、こういう霊は祓うのに時間がかかる。
2.憑いた霊が現実に干渉できる場合
正直、これが一番面倒だ。
こういう霊は大きく分けて二つ。
悪霊と怪異。
悪霊は言わずもがな。
取り憑いた人間とその周囲に悪影響を及ぼす。
怪異はよくある口裂け女とかそういうのだ。
本体は別に都市伝説だからどうってことない。
問題はそれらに対する人間の感情。
『怖い』『逃げたい』『死にたくない』
怪異はそういう感情をエサに寄ってくる。
人間の方をどうにもできないからこそ
勝手に力をつけられる。
だから苦労した。
そういうのと戦えるぐらいまで強くなった。
でもこれは生前の話。
私は呪い殺された。
目が覚めたら異世界と呼ばれる場所に来ていた
生前と大して生活は変わらない。
私の体は転生して尚、呪力に溢れていた。
同時にほぼ同量の魔力を与えられた。
魔法については正直よく分からなかった。
呪術や陰陽術を専門にする私にとっては
呪力も魔力も同じものだ。
私はまた霊媒師兼陰陽師の道を選んだ。
私にとってはこれが一番平穏な選択だった。
魔物呼ばれるモンスターも私にとっては
霊と相対するのと変わらない。
礼拝堂で祈って、どうにもならなかった人達が
私の家を訪れる。
次第に噂が噂を呼び、別で仕事をしなくても
生活が出来るぐらいには稼げるようになった。
ある時、街の商人の息子だという少年が
弟子にしてくれと頼み込んできた。
あまりに鬼気迫る顔で懇願してくるので
とりあえず話を聞いてみた。