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私は天使を見た事がある
人とは思えない程
奇麗で美しく愛おしい 生き物だった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
私の暮らしている村では 天使信仰が過激だった
毎日花を供え天使へ祈る
それを欠かすと罰を受ける
そんな村が私は嫌いだった
存在しない生き物の為に、
綺麗な花を摘み枯らしていく。
花が好きな私にとっては嫌でしかない
ある日、目が焼かれそうになるほどの
光が堕ちてきた
村の人は
『天使様だ。天使様だ。』
って騒ぎ立てて、そんなのいるわけ__
「綺麗……」
綺麗な純白の羽と髪
青空を切り取ったような澄んだ瞳
本当に綺麗で、美しくて
ずっと見ていたい
そう心から思った
天使が嫌いな私でもそう思うのだ
村の人は直ぐにこの天使を囲った
空へ飛ばないように籠に入れ、鎖を繋いだ。
ソレに対して毎日花を供え祈るようになって
本当に気味が悪い
天使に闇は似合わない
明るい空の下が似合う
そう思ったから、私は天使に話しかけに行った
「ねぇ、逃げたいって思わないの?」
《思っても逃げられないもの》
《それともなぁに?あなたが逃がしてくれるの?》
甘い、甘い声。脳が揺らされている気がする
「に…が、したいよ」
《あら、ほんとう?》
《嬉しいけれど…あなた、私に見惚れているわね》
《そんな子が本当に私を逃がしてくれるの?》
そう聞く天使は何故か怖かった
「花の為…だから」
「それに、アンタに暗いところは似合わない」
《お花の為?》
《私の為ではないの?》
「私、天使のこと好きじゃないし」
《あらあら、それにしては
私の姿を気に入っているみたいね》
「姿と存在は別」
《それにしてもお花の為だなんて》
笑い声も綺麗なんだな
「そんなにおかしい?」
《ええ。だって私は嫌いだもの》
《こんなもの渡されても困るだけよ》
「余計勿体ない。」
《……?何を作っているの?》
「花飾り」
《器用なのね》
瞳を輝かせながら私の手元を見ている
その姿が幼い子供みたいで
なんだか愛らしかった
「…じゃ、また」
《逃がしてはくれないの?》
「こっちにも準備が必要なの」
《そう、残念》
帰り際に見た天使の髪には花が咲いていた
「気に入ったのかな」
時は過ぎ、私と彼女は結構仲良くなった
村の人は天使が身近になったが故に
彼女を魔女だ。と段々虐げていった
「また、傷増えてる」
《手当してくれるでしょ?》
「まぁいいけど」
《ねぇ?いつ、終わるのかしら》
「手当ならもう終わる」
《そうじゃない。この状況よ》
「……もう少し、待って」
《そう言って3ヶ月くらい経っているけれど》
《もしかして私が惜しい?》
「……」
《あら、図星だったかしら》
「うるさい」
《んふふ。まぁ_》
「やめて」
《早い否定だこと、流石に悲しいわ》
「何も、言わないで」
《…ねぇ、泣かないで?》
《私 あなたのその顔には弱いみたいなの》
《だから、お願いよ…泣かないで…》
「…うちの村は、天使信仰が…過激なの。」
《ええ、知っているわ》
「なのに、なんで?」
「なんで貴女が、魔女だって言われなきゃないの?」
「こんなにも天使なのに」
《私が綺麗すぎた結果ね》
《村長を狂わせてしまったから》
《仕方の無いこと。わかって頂戴?》
「無理。やだ、出来ないそんなこと」
《あらあら、前までは嫌いだったのに》
《いつからそんなに好いてしまったの?》
「天使は嫌いだよ。でも、でも貴方は…」
「貴方のことは、嫌いになんてなれない」
《…ねぇ、あなたは天使じゃない私でも好いてくれる?》
「貴方に変わりない」
《そう。だったら、私……》
羽なんて要らないわ
「…だめ、ダメだよ。貴方は空にいないと」
「だから一緒に空に堕ちよ」
《分かったわ》
《でも、私ね》
《あなたと同じになりたいの》
次の日、背中に2つの傷がある娘と村娘が
天に昇った姿が目撃された。