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「んっ、」






艶かしい声がピンク色の部屋に響き渡る。




ネットリと男の性格を表しているような、

舌を入れた気色の悪いキス。





そのまま首元に唇を当てて吸ってくる。




「ねぇ キスマ付けないでって言ったよね」


「でも声出てるし気持ちいいでしょ?笑」

演技だとも露知らず、男は私の腰に手を回して くる。


子供のお遊び程度の前戯を早々に終わらせ、男は膨れたソレを挿れたくて私を急かす


「ちゃんとゴム付けてよ」


「後でいいじゃん、とりあえず生で」



ここは居酒屋じゃねぇんだよ


「…最初だけね」





思えば私はいつもそうだ


周りに流されて


こんな男の我儘にも付き合ってしまう



なんてお人好しで


不器用で



可哀想な私。






「じゃあ挿れるよ 」


いつから私は



こんな好きでも無い男ともヤる女になったのだろうか…



























朝起きたら、あの男は隣にいなかった






代わりに懐かしい匂いがして



死んだはずの母の朝食の匂いと


実家の匂い……












「ちょっとミナミ!」

「早く起きないと入学式遅刻するよ?!」



母の声がする


水色の時計は6時42分を指していて


中退したはずの高校の制服があった




…もしかしてこれは



「高校の頃に戻ってる…?」

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