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フッとその光景を思い出し洋平はくるみを抱きしめたままワハハと笑った
その話を聞いて、くるみが小学生の頃、近所のガキ大将にいじめられて泣いて帰った時、激怒した母が烈火の如くその子の家に怒鳴り込んで行ったのを、思い出した
もう・・・お母さんったら・・・
・:.。.・:.。.
「とにかく・・・僕は君を愛している!もう二度と君を疑わないよ!ハッキリ自覚したんだ!君の瞳を見て、愛してると思った、自分の気持ちを信頼してみようと思うんだ、こんな事は初めてだ、君が自身を与えてくれたんだよ」
「私が長い間悩んでいた家族との関係や誠との事を・・・初めて理路整然と解き明かしてくれたのはあなたよ・・・私はあの瞬間から心の中であなたが何より大切な人になったの・・・」
「僕と結婚してくれるかい?くるちゃん?今度はフェイクなんかじゃなく!本物のフィアンセだ!」
じっと洋平が真剣な目つきでくるみの顔を覗き込む
ああ・・・嬉しくて涙が止まらない・・・
「もちろんよ!母にウエディングプランを立てさせてあげられなかったのが唯一残念だったから」
洋平はプッと吹きだした
「たぶんそのプランにうちの爺さんも入ってくると思うよ、結婚式の準備はうちの爺さんも最も楽しみとするところだからね。君のお母さんならうちのややこしい爺さんともまともに渡り合えるよ 」
ようやく、くるみからも笑顔がこぼれた
クスッ
「お母さんは口出しさせないかも」
「なんでもいいよ・・・・君さえ僕と生きてくれるなら 」
洋平はくるみの腰に腕を回し引き寄せ、またくるみの唇を奪った
くるみは驚きの声をあげ、体を硬直させた全身を歓喜が駆け抜けて行きしびれたように動けない
次の洋平の口づけは衝撃的なものだった、ぴったりと唇を押し付け、欲望をむき出しにしている飢えたようなキスを受けて、くるみの身体が反応せずにはいられなかった
ゆっくりと夜が二人を包んでいる
洋平の顔が時々角度を変える
優しいけれども執拗な唇・・・・
深く・・・熱く探る唇・・・
ああ・・・これが欲しかった
くるみは自分の体が焼け焦げてしまうのではないかと思った
優しく彼のキスに応じ、パーカーの中に手を差し入れると、そこには素肌の彼の体から放たれた、自分ではない男性の匂いが鼻腔をくすぐる・・・・
すっかりうっとりさせられて、くるみは唇を離して洋平の胸にもたれた
洋平はくるみの腰に腕を回しさらに強く引き寄せた、彼の硬いモノがお腹に当たっている、くるみはドキドキした
「とりあえず部屋に入れてくれないかい?君と今すぐ愛し合いたい・・・ベッドの中の僕達はすごかった!」
クスクス・・「しーっ・・・声が大きいわ!洋平君ったら・・・黙って!ご近所に聞こえちゃう! 」
くるみが真っ赤になって洋平の口に、人差し指をあてた
「誰に聞こえたってかまわないよ、世界中に君を愛していることを知らせたい」
くるみはまた彼の首に腕を巻き付けた、二人の心が通い合った今、1分1秒だって離れていられない
「洋平君!私嬉しくって死んじゃいそう!」
クス・・・
「死ぬなんてやめてくれ」
洋平はくるみの口元にまた唇を寄せてキスをして言った
「人生で今が一番幸せなのに」
・:.。.・:.。.
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