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学パロですが、何もかも嘘すぎるので何にも照らし合わさず、読んでください。
放置してたメモの雰囲気小説で、エロくないです(そんな…!)完結していないので尻叩き。
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「お願いしま〜す」
気を張って内申や周りの評価を気にしていた中学時代の名残で、なんとなく今でも義務的にそう言ってプリントを回すようにしている。
…とは言っても後ろと面識はないし、返事をもらったこともない。聞こえていないわけでも、意図して無視しているわけでもなく、単に物静かでクールなタイプなんだろうな、と思う。勉学に熱心な生徒が多い我が校ではそういう人も珍しくはない。
…
一年経て高校生活には慣れたとはいえ、やはり新しくなったばかりの環境ではそれなりに体力を消耗する。
「はあ〜やっと昼だー…きりやん、一緒に食べよー」
まだ慣れない教室の扉から見慣れた顔が現れる。
「お前、新しいクラスメイトとの輪を広げなくていいのかよ」
「今日は本当に疲れたからお休む!笑」
Nakamuは一年の時のクラスメイトで、友人だ。クラスは分かれてしまったが、交流は続いている。
「きりやんのクラスって五限なに?」
「あー…英語、かな?」
「いいなあ、あんま頭使わなくて良さそう」
「俺は語学得意じゃないからな」
「いやでもほらペアワークとか、おしゃべりしてれば終わるじゃん」
「そりゃNakamuみたいに誰とでも話せたら、いいんだろうけど、あ…」
「どうした?」
四限まで隣と話す機会がなかったからすっかり忘れていたが、今日は隣の席は休みだ。となれば、その他ペアがいない人と組むことになるが…
「後ろか…!」
隣の席の後ろも休みだったはずで、例の無口な彼と組むことになる。あれだけプリントを回すときに無視されても気にも止めていなかったが、急に心配の材料になり得た。
「何お前、そんなコミュ症だっけ?」
「いやあ、相手が…」
ふと教室に目線を放して彼を探してしまう。見つけるのに、時間を要したのは失礼だが、意外と彼が人と群れて食事をしていたからだ。向こうの会話が断片的に耳に入ってくる。
「スマイルさぁ…」
その言葉に彼が反応を示している。
あぁ、そうだ。彼は”スマイル”と呼ばれている。
ぶっきらぼうな彼の人柄とそのニックネームのギャップに何度か疑問を抱いたことがあった。彼はどうしてそのようなニックネームで呼ばれているのだろう。むしろ皮肉にも思えてくる。
「やべえ!次、小テストだった!俺いくわ、英語がんばれ」
「ん、じゃあね。小テストがんばー」
Nakamuに別れを告げて、次の授業の支度を済ます。
…
語学が得意じゃないと言ったが、できないわけではない。知的好奇心は旺盛な方だが、生物や科学と違ってあまり惹かれるところがないというか…このコミュニケーションを重視する授業形式も、環境に依存していていつも気持ちよくできると限らない。
「…ええじゃあ、このthatが何を表すかペアで確認してください。隣がいない人は周りと話してください」
きた。
既に知っているが、一応わざとらしく隣とその後ろがいないのを目で確認してから、後ろを振り向く。
「あ、俺も隣いないから話そう、はじめまして。えーと…」
「スマイル…って呼ばれてる」
「あぁどうも。スマイルとちゃんとは話したことは、なかったね。きりやんです」
「ん、このthatは普通に関係代名詞だよね」
「うん、俺もそう思う」
「おけ」
昼休み時間に考えていたことが杞憂だったと、変に一人で拍子抜けする。でも確かに少し声は聞き取りづらいが普通に対話することができて、安堵の方が大きい。
案外話せる奴だと思って、余った時間を黙ってやり過ごすのも気まずいので、話を振ってみる。
「ねぇ、スマイルはなんでスマイルって言われてるの?」
「あー…」
そこから彼は黙ってしまった。そんな複雑な経緯があってそう言われているのか、そこまで知りたくはないぞと、思いつつも彼とキャラとの差異を考えるとそういう事情があっても不思議ではないと妙に納得してしまった。自分のこの”きりやん”というニックネームも理由はないようなものなので、いざ説明しろと言われても難しいのかもしれない。
「えっと「はい、話し合いは終わりましたか_
彼がやっと、返答をまとめて口を開くと話し合いが終わってしまった。彼がこれほど時間をかけたこと自体にも、その時間で無駄に色々な可能性を考えてしまったのもあって、おあずけを喰らったような気持ちになった。
結局、話し合いの機会はそれ以降も何度かあったがわざわざ掘り返して聞くような仲でもないし、変に興味があると思われるのも違うと思って聞き返せなかった。
…
「きりやーん、かえろ〜」
放課後、再びNakamuがやってきた。今度はBroooockも同じだ。
「こいつ、廊下であってさ〜、一緒に昇降口まで行こうよ」
Broooockは昨年度クラスは違ったが友人の友人という形で知り合った、貴重なゲーム仲間である。今年度もクラスは違うが、同じフロアにいるのでよく話す。
「お前ら、新しいクラスで新しい交流とかできた?」
「また新しい友達欲しがってる。何、寂しがり屋?」
「え〜、きりやん寂しがり屋なの〜?」
二人がわざとらしく口元に手を添えて、笑って見てくる。
「いや、今日たまたま、ちょっと考えるところがあって…」
「あぁ、英語のペアワーク?」
「そー、環境とか新しいクラスなってもこんなに意識することなかったのにな」
「意外となんとかなるよ〜、僕も今回ちょっと緊張したけどできたよ?シャークんはね〜…「きんときあいつすごいんだよ!あいつ、すごい爽やかなやつなんだけど…」
「お前らちゃんと友達いるのかよ…」
…
家が近づき、二人と別れると再び彼の名前について考えてみる。名前負けだよな、謎の出オチ感…とは思いつつも自分があまりにずーっと考えていると気づくと失笑してしまった。
あいつもこんなふうに笑うのか?
そうなら、少し見てみたい。いや、だいぶ見てみたいぞ?
今日意見交換で顔を合わせたときに初めて、ちゃんと顔を見た。同性にいうのも変だが、整っていた、と思う。
もしかしたら、笑った時なにか人と違うところがあるのかもしれない。それかやはり笑わないから、という皮肉か?笑っているところを見てみたらこのニックネームの謎も紐解けるのか?
一度気になってしまうとどうしても彼の笑顔が見てみたくなってきた。
「明日、話掛けてみるか…」
…
次の日、気持ち少し早く家を出て教室に入ると、既に彼はいた。普段の登校時間では気づけなかったが、彼は他人よりかなり早く登校しているらしい。窓から指す朝日で影のかかった彼の端麗な横顔は、片手に持っている本が合うな、と思った。
読まずに片手に持っているのは、俺の席との間に先客がいるからだ。昨日、俺にスマイルというニックネームの存在を思い出せた人だ。
「あ、邪魔になっちゃうから」
「本当だ。ごめんな」
彼は凶暴的な顔のイメージと違い、謙ってスマイルの席の横に避けた。軽く会釈をして空けてくれた自席に座る。本当は、スマイルと話そうと思ってきたがやることもないので適当に授業の予習でもしようと用具を出す。
また、スマイルは思ったより周りを見ているらしい。いや俺が横顔を見過ぎて気づかせてしまったのかもしれないが。
まだ朝早く、俺たちの周りには人がいないので聞き耳を立てなくとも彼らの会話が耳に入ってくる。どうやらゲームの話をしているようだ。そんなにしっかりと聞いていたと知られたら引かれるだろうが、なんとか話題を作れないかと探っている。
「じゃあ、今日もシャークんがここきて昼飯ね」
「おけ、じゃあまた昼休み」
「はい」
ちょうど帰ったが、相手はシャークんという名前らしい。
…なんか最近聞いたような名前だ。そうか、Broooockの友達自慢話だ。
Broooockを通じてシャークんとやらを通じてスマイルと近づく、なんて回りくどいルートを考えてみる。彼はすぐ後ろにいるというのに、シャークんがいなくなって静寂が訪れると、振り向いて改めて口を開くのもなんだか億劫になる。自習しているフリをし、時計を確認するのを何度も繰り返してやり過ごす。
…
次第に教室も騒がしくなってきて、流石のBroooockでも登校しているだろう、と思うと彼のクラスに赴いた。
「あれ〜、きりやんじゃん。どうしたの〜」
「おはよう、Broooock。お前が昨日言ってた友達ってシャークんだっけ?」
「そうだよ〜、あの子ね」
本人にバレない程度に目線で教えてくれる。やはり先ほどスマイルと話していた彼だ。
「なに〜、気になっちゃった?」
「いやあ、ゲームの話してるの聞いて、一緒にできないかなって」
「あ!そうじゃん!シャークんも僕のゲーム友達なんだよね、みんなでやりたいなぁ。仲良くなってよ」
「じゃあ、Broooockが斡旋してよ」
「んん〜、じゃあごはん一緒に食べる?」
「それはねぇ、ありかも」
「おっけ〜、僕からいっとくね〜」
「はーい」
手を振ってBroooockのクラスを後にする。今日はスマイルと食べるだろうし、シャークんとは明日以降になるかなと思い、スマイルと話したいという目標からだいぶ逸れたことをしているなと気づく。
「あ、きりやん?」
ついさっき別れたはずのBroooockに廊下で声を掛けられる。
「え、なに」
「今シャークんと話してきたんだけどさ」
「早…」
「シャークん、一緒に食べる人いるみたいでさ」
「あーうん、じゃあ」
「みんなで食べよう」
「え?」
「え〜嫌?でもきりやんのクラスの子だよ?」
「は?」
「スマイルだよ、昨日見たけど席後ろでしょ」
「お前知ってるのかよ”ッ!!」
「何w急に怖い!」
「いや、違く、て…」
「あ〜僕分かった!昨日言ってたのってスマイルのことだったんだ!」
「いやー、そうだけど!」
「えぇ?wあってるんだ、適当言ったのに」
「なんだよ!」
完全に図星だ。でも知っているのなら早いんじゃないか?別にやましいことでもなく、動機は単純な疑問だ。Broooockに話してみるのもありなのかもしれない。
「Broooock、実はさ…」
…
「なるほどねぇ〜、それくらい本人に聞けばよくない?なんで笑ってるところが見たいになるの?」
「直接聞くのも面白みがないっていうか、反するんだよな〜、俺の知的探究心に。それに一度聞いたのに聞けなかったし。てかお前は知らないで呼んでてなんか気持ち悪くないのかよ」
「え〜…僕は別に〜…?まあいいや、とりあえずがんばれ」
…
それから何度も休憩時間の度に今日一緒に昼食を取ることになった旨をスマイルに、伝えようとしたが移動教室だったり、トイレに行ってしまったりしてその機会を逃し続け、そのまま昼休憩になってしまった。
教室の扉が開くと大柄なBroooockと背の小さなシャークんが顔を覗かせる。ズカズカと入ってきて、二人で俺らの席を囲む。
「やってきたよ〜ん」
「Broooockも一緒に食うの?」
スマイルはやはり何も知らされていなかったようで、不思議そうに尋ねる。
「そ〜、きりやんもね」
一瞬ビクッとしたが、名前を呼ばれたので後ろを振り返り、控えめに会釈する。
スマイルの読めない表情を目の前にすると、なんで言わなかったんだと咎められる気がして怖くなってくる。
こんなに、人との交流下手だったか?俺。
「そうか」
…
いざ話し始めるBroooockという存在やリサーチ通り、ゲームという共通の話題もあって案外普通に話すことができた。
相変わらず表情は豊かでないので、シャークんと違って本当に俺と一緒に食ってよかったのかという気持ちにさせてはきたが、それからは普通に世間話もする、一般的な友人という枠組みに互いに互いを入れた、と思う。
…
「…であれはどうなの?」
「なんのこと?」
帰路にBroooockに尋ねられるが主語が足りないので、質問に質問で返す。
「スマイルの由来だよ〜」
「いやそれがまだ分かんないんだよね」
「もう友達なんだから直接聞いちゃえばいいのに〜…ってのはあれかぁ、きりやんの知的探究心?ってやつに反するのか。」
「いいだろ別に…」
「長くなりそうだな〜愚かなり愚かなり!」
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未来の自分!ガンバ!😉