4、新情報
俺は、放課後の空いた時間に瑠夏の事件について、調べることにした。もちろん、学校の中でしか得れないこともあるけど、何よりも、今はそんなことを聞ける雰囲気でもないから、俺が調べれる範囲で調べようと思った。
そして、今は…。瑠夏の死体が発見されたところへと来ている。
先生「こさめさん?、なぜ此処にいるんですか?」
こさめ「先生⁉︎、」
先生「此処は、あまり、近寄らない方がいいですよ?」
こさめ「瑠夏は、俺の大切な友達だったので…、」
先生「そうですか…、」
こさめ「…、あまり、先生も、気負いすぎないでくださいね?」
先生「…!、ありがとうございます。あまり遅くまで、残らず、寮に行くのですよ〜」
こさめ「はい!、先生もお疲れ様です」
スタスタ
すっかりと、足音が聞こえなくなった。
静かな空間。それにしても、瑠夏の死体は、不思議だったそうだ。警官が今朝、話していた。
警官「聞いたか、?」
警官「なにを?」
警官「今回のは不思議な事件だったそうだ。」
警官「そんなにか?」
警官「なんでも、凶器が自分の手だそうで…、なのに、何者かに頭を潰されてる。」
警官「趣味の悪い奴がいたもんだ」
警官「死後硬直が始まっていたそうだから、4時間から5時間前だろうな、死んだのは」
こさめ「此処で、潰されたのなら…此処ら辺に血が付いてるはずなのに…、ない」
不思議すぎる…。そもそも、瑠夏が居なくなったのは、3ヶ月と2週間前。その間に、自殺してるとしても、それを見つけ出すのは困難であり、硬直していないはず。3ヶ月どうやって、生きていたのか。誰から、ご飯を貰っていた?あり得ないに等しい…、だが、それ以外に何もない。そう、生きる手段は何もない。だとしたら…、誰から?分からない。幽霊だと仮定しても、実態がないものからは貰えない。そして、幽霊は…、
こさめ「手段がない…、」
本当に?、そんな事は無いのかも、しれない。可能性は残しておいた方がいいな…
ピロン♪
こさめ「誰…、?」
瑠夏「此処で待ってる!x…1253 y…478 z…0」(着信)
こさめ「…は、?」
瑠夏「はやくきてね?」(着信)
どう言う事、?瑠夏は…、もう居ないはずじゃ…、
違う。雨乃こさめ、!落ち着け…。瑠夏は、居ないがスマホは残っているはず。…ん?、って事は誰かが操ってる、?
瑠夏「はやくって、言ってるでしょ?」
瑠夏「なんで、来ないの、?」
こさめの背中に、急激な悪寒が走った。正直言って、怖い。
なぜ、?今も、これを見る限り、この位置に近いところにいるはず。と言うか、瑠夏を偽装している人が呼び出したい位置が分からない。
何かの手掛かりになるんじゃないか。そう思い、検索をかけた。数秒後、こさめは、後悔した。調べるんじゃなかった、と。
そこに写っていたのは、確かにこさめの、今いる場所だった。
瑠夏「あっ!、こさめくん居るじゃん♪」(着信)
背筋が凍りついた。誰の気配も、音もしないこの近くに、誰かがいる。
こさめは、振り返ることも怖くなり、声を出す事も難しかった。
こさめ「だ…、れ、?」
やっとの思いで振り絞った声は、カスカスでとても苦しそうだった。
こさめ「誰か…、いるん、でしょ、?」
すたっ
誰かが、着地したような音がして、こさめは、完全に身動きが取れなくなった。こさめの後ろに、誰かがいる。
でも、そいつは生きてない。
後ろの人は、少なくとも、生きてはいない。こさめは、耳がいいから分かる。生きている物からは、絶え間なく、鼓動の音がした。でも、こいつからは、一欠片の鼓動の音すら聞こえてこない。
こさめ「ねぇ、…誰?」
一言も喋らない誰かに、いい加減腹が立った。そこにいる物が、言葉を発するかも分からないが、それでも、反応の一つくらい、してくれてもいいだろう。
こさめ「だから!、誰ってば、!」
こさめは、怒りに任せ、振り返ってしまった。
案の定と言うべきか、そこには誰も居なかった。
正しくは、いないように見えた、だ。だって、確かに、そこに気配はあったから。
こさめ「姿くらい、見せたら、?」
?「ふふっ、俺を見抜けたんだ、w」
そこに現れたのは、こさめと同い年か、少し小さいと思われる、少年の姿だった。だが、決定的に違うところは、容姿だった。顔が半分隠れていても分かるほど、アイドルかのように、洗練された美貌。それに似つかないほどに、少年は痩せており、目は何かを探しているような、どこか寂しげな目をしていた。
こさめ「瑠夏のスマホから、連絡していたのは、お前か、?」
?「随分と、ご立腹のようだねぇ。まぁ、それもそうか、瑠夏の名を借りて、君と接触を図ったんだから。」
苛立つ言い方をしてくれる。それに、分かっているのなら、はやくして欲しい。
こさめ「で?、要件は、?」
?「…君は、怖いと。恐ろしいと、思わないの?」
こさめ「何を、?」
?「俺を…、」
?「今まで、会ってきた子や大人は、俺を恐れ、怖がり、偽の愛を俺に注いできた。言われるがままに。そして、瑠夏も、その一人。」
こさめ「…、?どう言う事、?」
?「知らなくていいよ、まだ」
“まだ”と言う言葉に多少の違和感を抱きつつも、こさめは瑠夏を殺した主犯が分かり、内心ほっとした。
こさめ「じゃっ…、要件はそれだけ?」
?「うん。それじゃあ、またね…、」
少年はそうとだけ、言い残して去っていった。
がちゃっ
自室に着いたこさめは、今日起こったことを振り返っていた。1日で、いろいろな事があったが、瑠夏をも、巻き込んだ事件の犯人は分かったものの、解決には至っていない。そこに、こさめは頭を悩ましてた。
こさめ「はぁ、どうするかなぁ…」
完全に無くすことは無理でも、被害を抑えることだけなら可能だろう。しかし、完全にと言う場合は、相当な労力が必要になることぐらい想定は出来ている。
だが、おあいにく様だ。こさめに、そこまでしてやる義理はない。そして、そこまでの労力を他人のために注ぎ込むほど、こさめは優しくもない。
あれこれと考えた結果、寝てしまっていた。それに気づいたのは、言うまでもなく次の日の事である。
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