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「先生!」???「ん?何?」
「俺たち新聞部のインタビューの記事に載ってくれませんか?」
???「え?」
ここは、『トウヒガ学園』の職員室。
新聞部が記載している「インタビューコーナー」のアンサーになって欲しいと「紅蓮先生」に頼んできたのだ。
紅蓮「何で俺なんだ?」
「この学校で悪目d……人気があるのは紅蓮先生と紅葉先生なんですけど……紅蓮先生は、女子たちから距離を置かれているじゃないですか?それを俺たちの新聞で解消させてみせます!紅蓮先生にもメリットのある話なのではないかと!」
紅蓮「なるほどな!途中めちゃくちゃ泣きたくなったけどそんなメリットがあるならやらざる負えないだろうな!」
「ありがとうございます!では早速なんですが……」
紅蓮先生と新聞部が話し合いを始めた。
???「…………」
それを心配そうにみつめている「紅葉先生」
紅葉「あいつ何も起こすなよ……」
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「おはようございます!紅蓮先生」
紅蓮「おはよう!今日は一日密着インタビューだよな!よろしくな!」
翌日。約束通り新聞部は紅蓮先生のインタビューを開始した。
「まず、こんな早朝に学校に来た理由はなんですか?」
今は、朝の五時。こんな時間に紅蓮先生は何するつもりだったのか。
紅蓮「まぁみてろ。まずは車のトランクに入っているこの嫁だ!」
「嫁?」
紅蓮先生は、その「嫁」のやらをトランクから出す。すると、
「これは……」
桃時「ルージュ兄妹のスカーレットちゃんだ!」
紅蓮先生が出したのは、アニメの少女が印刷された抱き枕だった。
「…………」
紅蓮「俺はこの子と一緒に今から朝飯を食べる。家でやると紅葉がうるさいので、学校でやってるんだ!ご飯を食べたらあとは車の中で寝る!」
「は、はぁ……」
紅蓮「じゃあ付いてこい!お前たちの分の朝飯も買っておいた!」
「ど、どうも……」
紅蓮「よし!中庭に行くぞ!」
「…………」
「「俺たち本当にやばい人をインタビュイーにしちまったんじゃ……」」
午前七時
「本当に先生寝ちまったな」
今の新聞部は四人。二人はカメラマン。一人は質問の回答を書き記す者。一人はインタビュアーである。
紅蓮「……う、う……ん……」
「せ、先生!もうすぐ生徒たち登校しますよ!」
紅蓮「う、うーん……あと一分……あと一時間……」
「増えてますけど!?小学生の朝ですか?!先生ー!!起きてください!!」
結局紅蓮先生は、ホームルームが始まるギリギリまで起きなかった。
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紅蓮「ていうかお前ら授業大丈夫なのか?」
「あぁ、それなら部活動の一環として許して貰えました」
紅蓮「そうなのか!それにしても授業を休めるすげぇ好都合な部活だな!はっはっ!」
「(なんかこいつに言われると腹立つな)」
紅蓮「さてと、じゃあ頼まれ事をやるかな」
「おっ!やっとインタビューしがいのあるこt」
紅蓮「よし!やるか!!」
紅蓮先生は大きなバックから何かを取り出す。
「そ、それって……」
紅蓮「そう!」
「「薔薇の造花作りだ!!!!」」
「……もしかして造花の内職ですか?」
紅蓮「おぉ!だって給料全部推しに使ってるから生活費稼がねぇといけないんだよ。他にも色々バイトしてるんだ俺!」
もちあたぼうよと親指で自身を指す紅蓮先生。
「公務員ですよね?それなりに給料もらってますよね?足りないんですか?」
紅蓮「そりゃあそうだよ。遠征とかもしてるし」
「マジでか……というか……」
「「今美術の授業中なんですけど!?!?」」
紅蓮「こっちには生活がかかってるんだ!給料泥棒とバッシングされるのは良いが、推しを裏切るのは絶対嫌だ。そのためにも健康的に生きないと!」
「…………」
「「ダメだこの教師。思ったよりダメだった」」
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「はぁ……次は何なんですか?」
紅蓮「次は俺が良く行く場所に案内する」
「(どうしよう……俺たちが依頼したとはいえ、このままだと先生と女子との間にますます距離が置かれてしまう……)」
紅蓮「でも、嬉しいな」
「え?」
紅蓮「一定の生徒たちは俺のこと遠巻きにするから、もちろん慕ってくれる生徒も沢山いるんだけど、お前たちみたいに話しかけてくれる人って中々いないからさ。嬉しいんだ。この学校のヤツらって真面目なやつ多いじゃん?俺みたいなダメ人間になって欲しくはないけど、少し肩の力を抜いてみても良いと想うんだ。お前らも俺の指定した時間通りに来てくれたり、俺の行動に文句一つ言わなかったり……やっぱり真面目なんだな」
「……………」
そういえば、紅蓮先生っていっつも生徒目線で物事を考えるよな。
この人がダメ人間なのって
こういう人間でも生きていけるからあんまり気負うなよっていうメッセージっていうのも
あるのかもしれない。
紅蓮「ここが、俺の良く行く場所だ」
「ここって……!」
「「生徒会室!?!?」」
コンコン
「今いるんですか?」
紅蓮「いやいるはずだ」
コンコン
「いないんじゃ……」
紅蓮「絶対いる」
コンコン
「絶対いませんって……」
紅蓮「いる!!」
コンコンコンコン
???「コンコンうるさーい!!!!」
ドッゴォォォォン!!!!
「あなたは……」
「桃時書記!!!!」
「桃時」は想いっきり扉を蹴破り、紅蓮先生を扉に貫通させた。
桃時「あーあ、扉突き抜いちゃった」
???「大丈夫か?桃時」
「兎白」も心配そうに桃時をみつめている。
紅蓮「兎白さん!なぁ雨花さんはどこだ?」
兎白「分かんないです。多分まだ授業が終わってなくてサボってるんじゃないですか?」
桃時「扉を元の場所に戻さないと……」
桃時は紅蓮先生を突き抜いたまま扉を元の場所に戻した。
桃時「よっし。じゃあ仕事に戻ろ」
紅蓮「おい!桃時さん!無視しないでくれよ!雨花さんどこだ?!」
桃時は、仕事に取り掛かる。
「ダメそうですか?」
紅蓮「うーん……よし!じゃあ俺のバックから果物セットを出してくれ!!」
???「何やってんだ?あんたら」
紅蓮「その声は瑠璃人さん!俺の果物セットを……」
瑠璃人「おぉ、美味そう!!貰っちゃお」
「瑠璃人」は果物セットを強奪した。
瑠璃人「おーい桃時!一緒に食おうぜ」
桃時「いいわよ」
紅蓮「おいぽまえら!!ぽまえら!!それはこの生徒会室に入れてもらうための餌だ!!近所のばっちゃんに貰ったんだ!!頼む!!早くここを通してくれ!!そして食わせろ!!ぽまえら!!なぁぽまえら!!」
兎白「なぁお前ら。先生のこと……」
桃時「ぽまえぽまえうっさいわね」
兎白は心配しているが、うるさいと一蹴する桃時。
桃時「瑠璃人。その果物は取っておいてよ」
瑠璃人「あ、悪ぃ」
兎白「あっ先生もどうぞ」
紅蓮「えっありがとうな」
「いや、」
「「何しに来たんですか!?!?」」
紅蓮「クソ、ダメk……」
???「こんにちは紅蓮先生」
「橙」も生徒会室に来たようだ。その際、扉に突っ込んでいる紅蓮と隣のドアがぶつかる。
橙「また雨花さんとお話ですか?もう少しここで待っていて下さい」
「え?中には入れないんですか?」
橙「調子に乗るので」
紅蓮「そんなことしないから中に入れてくれ!!」
橙、桃時、兎白、瑠璃人は仕事に集中する。(兎白は気にしていたが)
紅蓮「くぅ〜こうなったら……」
グギグギグギグギグギグギグギグギボコン
紅蓮「よし!侵入成功」
とうとう紅蓮は扉を壊して中に入ってきた。
桃時「あぁやっぱりこうなるのね」
橙「こうなって一番困るのは紅蓮先生なのに」
兎白「もうすぐ紅葉先生来るんじゃないか?」
瑠璃人「あと五分にフルーツティー一つ」
桃時「アタシも」
???「それじゃあ賭けにならないね」
橙「あっ雨花さん!」
「雨花」がとうとう生徒会室にやって来た。
紅蓮「あ、雨花さん!!やっと来てくれたのか!!」
雨花「はい……」
「「紅葉先生と一緒ですけど」」
紅蓮「あっ……紅葉……」
紅葉「お前……なぁ……!!!!」
「扉の破壊魔かお前は!!!!」「違う!!俺はキャラポスターのキス魔だ!!!!」「キモイこと言ってんじゃねぇ!!!!それで純情保てんのか!!!!」「俺の心は純情なんて生易しいものに染まると想ったら大間違いだぞ!!!!」
「あぁ……よし!新聞の題名は……」
「「『紅色兄妹。抗争の終結は何処へ』だな」
そして
「「『紅蓮先生のこういうところが見本になる!』がインタビュー記事の題名だ」
紅蓮先生と紅葉先生は素手で抗争する中、
新聞部たちは、メモを取り、新聞の構想をしていた。
生徒会メンバーは紅蓮の遺品(笑)の果物セットをもぐもぐ食べていた。
ちなみに新聞は、たまたま映っていた兎白の写真が女子たちの目に止まり、飛ぶように売れ、インタビュー記事は誰の目にも止まらなかったそうな。
紅蓮「何か想ってたのと違う」