???「今日は生徒会ないですし、部活の助っ人もないので早めに帰れますね」???「うーん……もうすぐ夏ね〜その前に梅雨が来るけど」
???「梅雨かぁ季節だね〜」
「雨花」、「橙」、「桃時」は今、帰るために『トウヒガ学園』の廊下を歩いていた。
桃時「梅雨は折角巻いた髪が落ちるから嫌なのよね……」
雨花「でもわたし梅雨好き!雨で湿った地面から匂う匂いが好きだから!」
橙「それは少し分かります。風情がありますよね」
桃時「まぁ確かに嫌いな匂いじゃないわね」
そして、靴箱に着いて上履きをしまう雨花たち。
橙「この時間ってことは他の学校の生徒たちにも会うかもしれませんね」
桃時「はぁ……また変人扱いされるのかしら」
橙「この学校は他人からみると廃校にみえますからね……悔しいですが諦めるしかないかもしれませんね」
雨花「他の学校の生徒……」
桃時「どうしたの?雨花」
雨花「ん?何でもないよ〜」
雨花たちは学校から出て通学路を歩く。
桃時「この時間に帰るの珍しいから、変な感じね」
橙「悪目立ちしませんように……」
雨花「…………」
桃時「ねぇ!どこか食べに行かない?」
橙「いいですね!どこ行きます?」
雨花「…………」
橙「あの……雨花さん……先程から黙っていらっしゃいますが……やっぱり何かあるんですか?言いたくないならいいんですが……」
桃時「橙の言う通り言いたくないなら別に言わなくていいけど、無理しちゃダメよ?」
雨花「あはっ!大丈夫大丈夫。……会わないといいけど」
桃時「本当に大丈夫なの?」
橙「雨花さn……痛っ」
橙は角を曲がった時、人とぶつかった。
「あっすみません!お怪我ないですか?」
橙「大丈夫です。お気遣いなく」
「では失礼しまs……あっ」
雨花「…………」
「し、紫雲」
橙・桃時「え?」
「じゃ、じゃあな」
橙とぶつかった人は急いで離れていってしまった。
橙「あの……あの方とお知り合いなんですか?」
桃時「何か逃げるように去っていったけど……」
雨花「……はぁ、やっぱり会っちゃったか……」
雨花はため息を落とす。
雨花「…………元カレ」
桃時「え」
橙「…………え」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」」
桃時「ま、マジで!?!?」
橙「本当ですか?ていうか雨花さんって恋愛したことあるんですか?」
桃時「いつ誰が告白したの?!?!」
橙「どっちが振ったんですか?!」
雨花「ちょちょ!質問一つずつにして!」
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桃時「それで?」
雨花「えぇーまず、告ったのは一応わたしでぇす」
桃時「ま、マジで!?」
橙「反対だと想ってました」
雨花「で、振ったのもわたしでぇす」
桃時「ま、マジで!?」
橙「さっきから桃時さん、「ま、マジで!?」しか言えてませんよ」
雨花「そんなに驚くことかなぁ?」
桃時「いや驚くでしょ!?」
橙「もっと詳しく教えて下さい!」
雨花「…………さっきの人はすごく優しくてね?でも、ちょっと事情があって二年間くらい話すことができなくて、その頃にはわたしはもう……まぁ色々あって「好きになる」って何なのか分かんなくなっちゃったの。……性的な意味で。そんな状態だって伝えたらきっとわたしを支えようとすると想って振ったの。それだけ」
橙「でも、あの逃げっぷりは異常でしたよ?」
桃時「……はぁ……何となく想像付くけど、どう振ったの?」
雨花「……別に。最低なこと言って振っただけ」
桃時「……最低なこと?」
橙「どういうことです?」
雨花「……もう二度とこっちを振り向く気にもならないくらい。何の未練もなく、こんな最低なクソ野郎以下の奴なんだって想われるくらいズタズタにすれば、わたしを憎みきれて、次の恋に行けるんじゃないかな……って想ったの」
橙・桃時「…………」
そんなことしたら
一番
きついのは……
雨花「まぁ、好きになれてないって言って、嫌われるのが嫌だったんだけどね!あはっ!」
「それに」
「「私なんかに好きという気持ちを抱かせてくれた人には幸せになって欲しいから!」」
「あはは!」と雨花は笑う。
その笑顔はどこか心もとなくみえた。
桃時「……よっし!じゃあ今日は串カツ屋さん行きましょ!」
桃時「確かあそこ食べ放題してましたし、沢山食べませんか?」
雨花「うん!行こ〜!」
雨花、橙、桃時三人はその後、串カツを腹いっぱいになるまで食べ尽くし、帰って行ったのだった。
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