私はパレットと筆を鞄に入れ、外に出る。
近所にある公園に行くとベンチに座り込み、
鞄からパレットと筆を取り出す。
「まずは…」
1番見たかった色を見る事にした。
その色はもちろん空の色。
確か…青色だったはず
試しに、あの天羽という天使が言ってたように、
筆に絵の具をつける。
「色が着きますように…」
そう呟きつつ、空を空中からなぞる。
しっかりと、雲は避けて色をのせていく。
絵の具をつけ終わると絵の具が消え、空が見える。
「……」
綺麗、そう呟こうとしても感動で声が出なかった。
空に色がついている。
青色という元の色が。
「本当だったんだ…」
ふと周りを見渡せば青色の物だけ色がついていた。
「青色の物にはもう色がついたって事なのかな…」
他の物にも色を着けたい、そんな衝動にかられ、絵の具を付けようとパレットに目を移す。
そこには先程はなかった青色の絵の具が追加されていた。