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私
にはわからないわ。どうしてあんなことを言ったの? あなたのことが好きなら……もっと他に言うべきことがあったはずよ。
えぇ、そうね。わかっているわ。私が悪かったのよね。あなたは何も悪くなかった。
なのに私は……ごめんなさい。
私、これからはもう少し優しくなることにするわ。
それから、あなたにもちゃんと謝る。本当に申し訳ありませんでした。
うん、そうだね。ありがとう。
私も頑張るから、あなたも頑張って。
さようなら。もう会うことはないでしょう。お互い幸せになりましょう。
ふぅん。そうなんだ。
じゃあ、仕方ないか。
また会えた時に、改めて考えさせて貰うとするかな。
それでは皆様、御機嫌よう。
──────
あとがき
いつも読んでくださる皆さん、こんにちは。初めましての方は、よろしくお願い致します。
今回は、『黒猫』ことネロと、『白姫』ことハクの出会いの物語です。
この物語で語られている物語は、全てフィクションであり、実在の人物・団体等には関係ありません。
「さあ!みんなぁー!!今日はスペシャルゲストの登場だぞぉ!!」
マイクを持った司会進行役の男性の声が会場内に響き渡る。
観客たちは待ちわびていたかのように歓声を上げた。
「なんと今回は!我ら『夢見る少年少女』のアイドルである、月宮美空ちゃんに来てもらえました~!」
司会進行の言葉とともにスポットライトがステージ上の少女に当てられる。
光を浴びてキラキラ輝く銀髪ツインテールの美少女。
彼女の名前は月宮美空(つきみや みそら)。
アイドルグループの夢見る少年少女に所属するメンバーの一人である。
彼女は……夢の中で出会った少女に似ている気がする。
どこかで会ったような……不思議な懐かしさを感じるのだ。
「そういえば、君は……」
「……?」
「僕の名前を知っているようだけど、どうしてだい?」
「……あなたの名前は……知っているわ」
「え?それじゃあ……」
「……あなたの名前は知らないけれどね。あなたのことはよく知っているわよ?」
彼女は言う。
「あなたは自分が思っている以上に有名人なのだから……」
そう言って彼女は微笑む。
「ねぇ、『魔人』さん?」
――――――
「……ん? なんだい、それ?」
「えーっとね! なんか最近ネットとかでよく話題になってるんだよ!」
「へぇ~、そうなんだぁ。
それでどんな内容なのか教えてよ。
「『聖剣伝説3』だね! あれは伝説の勇者の物語だよ!」
えーっと……それじゃあ……
「『DQXI』?」
うん。そうそう。
「ドラゴンクエストシリーズの11作目かな。冒険の舞台はなんといってもアストルティアと呼ばれる異世界だよね」
アストルティアっていうのはドラクエの中で出てくる地名?
「そうだね。人間たちの住む大陸のことをアストルティアと呼んでいるよ。この世界には3つの大きな島がある。君たちが今住んでいる場所だね。この世界には大きな山はないけれど、その代わり大小さまざまな湖が存在しているんだよ」
『ふーん』
「次に僕たちがいる島。名前はサライ島の西にある魔導王国ミラルレイクだよ」
『ほうほう!』
「そして最後に海を渡っていくとある小島。名前はまだ決まっていないけど、そこはドワーフ族の国になっているんだ」
『ドワーフ! 男のロマンやん!!』
「そしてこの島にも魔族と呼ばれる種族が存在するんだけど……実はこの魔族は僕ら人族とも友好的な関係を築こうとしているんだよね」
『えぇ!? それほんま?』
「うん、本当さ。ただ、まだお互いをよく知らないからなのか、魔族たちはあまり積極的に交流しようとしていないみたいなんだ」
『そうなんやぁ~。せやったらウチらも頑張って仲良くなれるようにせんとあかんなぁ~』
「そ、そうだね。それで、なんの話だっけ?」
「んー、確かさぁ……」
「あ!思い出したよ。そういえば僕たち、まだ名前を名乗ってなかったよね」
「え?ああ、そう言えば……」
「僕は、七海 拓人っていうんだけど、君はなんていうのかな?もし良かったら教えてくれないかい?」
「えっと、私は……美桜里って言います」
「うん、わかったよ!」
「そうだね!ありがとう!」
「また明日遊ぼうね!」
「それじゃあバイバーイ!」
少女は少年に手を振り駆け出す。夕暮れの街の中へ消えてゆくその姿を見つめながら少年は呟く。
「本当に僕には夢なんてものがあるんだろうか……」
少女が見えなくなった後もずっと少年はその場に佇んでいた。
次の日、学校から帰ってきた僕は部屋に入りベッドの上に横になった。いつものように宿題をこなしてゲームをして眠くなったら眠る毎日。今日もきっと変わらない。昨日の事を思い出しながらもそう思い眠りについた。
どれくらい経った頃だったろうか。僕の部屋の扉が開かれ一人の女性が入ってきた。彼女は僕の姿を確認するなり口を開く。
「……あぁ良かった。まだ生きててくれたんですね」
そう言って彼女は微笑む。僕は彼女に訊ねる。
「君は誰だ?」
「私は貴女の守護者ですよ。貴女がこの世界で生きるために私がいます」
「……何故、僕のことを?」
「さっきまで一緒にいましたからね。それにしても……酷い有様ですね」
彼女の言う通り僕の体はボロボロになっていた。体中至る所に傷を負い血を流している。痛みも感じない程に疲弊していた。だけど不思議と死に対する恐怖はない