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#ファンタジー
#ざまあ
設楽理沙
翌日の放課後、家庭科室のドアを開けようとした時のことだった。
「歩、電話でてくれたけど元気なさそうだったよ。修学旅行で家に帰ってこなかったから、それで更に不安定になっちゃったみたいだよ」
「でもさぁ、いい加減現実受け止めさせないと、まじで歩が壊れちゃうんじゃないの」
潤と実里くんの話し声だ。
もう二週間は歩くんを見かけていない。メッセージの返事もこない。でも潤の電話には出たの?
歩くんは風邪じゃないの? さすがに長いなとは思っていたけど……話に全く着いていけない。
「俺らにはどうにもできないことだろう」
武蔵先輩が珍しく低いトーンで真面目に言った。
「はー、でたよ。武蔵のそういうときだけ達観する感じ」
「こら、実里」
私がいない時に話すということは、私が聞いちゃいけない話なの?
「ねぇ、歩のことせんぱいに言わないの?」
「言ったら歩が怒るよ」
私に話したら歩くんが、怒る?
「……みちよが」
和葉の声が聞こえた。やっぱりみんなこの中にいるんだ。
「今回はちょっとやばいかもって言ってた」
「は? どういうこと?」
「歩が卒業したら出て行こうとしていること、勘づきはじめてるらしい」
ドクンと心臓が跳ねる。歩くんが家を出たいという話は本人から聞いたことがある。けど、どうして今そんな話しているの? この話が歩くんが学校に来ないのと関係しているの?
家庭科室のドアを開けると、振り返った彼らは目を見開いて私を見ていた。