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#大人の恋
鷹槻れん

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#ハッピーエンド
美凪ましろ
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「部屋には入れてもらえない?」
両親への挨拶の前にお互いを知るために2回のディナーと今日はランチと映画を見た。いわゆるデートだ。
前回もやましい心があるからか、食事や映画ショッピングなどに連れて行ってくれていた。
忙しくて旅行にいけないからと気遣ってくれたことが嬉しかったが、今となれば義母との不倫を気づかれないようにするために必死だったんだろう。
最低だ。
以前はお互いの見たい映画を交互に選んだ、わたしは主にミステリで海はマーベルのようなヒーローものを好んだ。
上映中には手を繋いだりキスをしてくれたり、女性が喜びそうなことをしてくれた。
あの時の私は喜んだんだけど。
でも、今回はそんな甘いシチュエーションは必要ない。
今回、私が選んだ映画は「ミニミニモンスター」ミニモンが大好きで毎回映画を見ているという設定にしておいた。
さらに、ポップコーンのバケツにLLサイズのアイスコーヒーを持ち、一切、海の方を向かなかった。
でも、子供向けアニメを見ていると、大きくなった永遠がこれを見たかもしれないと思うと涙が流れてしまった。
画面では丁度、助けたミニモンとの別れのシーンだったから、海からみたら私は感受性豊かで感情移入しているんだろうくらいにしか思っていないだろう。
そして今、海が運転する車で部屋まで送ってもらったところで、部屋に入りたいオーラを出してきた。
「ごめんなさい、明日も早いし、とても疲れちゃって早く寝たいの」
「わかった、じゃあ」
海は手を伸ばして私の頬に触れそうになったところで体を引いて「おやすみなさい」と言ってドアを閉め百万ドルの笑顔で手を振った。
海は諦めたように片手をあげてから車を発進させた。
神山秘書が私の提示した条件に合うホテルを探している間に、私の実家に海が挨拶に来た。
両親、とくに母の驚きようは私も思わず笑ってしまった。
母は一度、岸と会っているから、結婚の申し込みが課長ではなく専務になっていて、まるでエビで鯛を釣るみたいな感じになっていたから。
思えば、岸はまめな男だったんだろう、婚約者がいるのに浮気相手の私の親と食事をするとか、あれですっかり私も両親も騙されてしまった。
そして、今日はあの女と再会する。
もう、何も知らない小娘じゃない。
あの雨の日に飛び出した門を通る。
一瞬、緊張がはしる。
私のわずかな異変に気が付いたのか、海が私の肩を抱き寄せた。
「大丈夫だから、リラックスして」
「ありがとう大丈夫です」
でもこれは、武者震いでもある。
この家は二世帯住宅になっていて、門は一緒だが玄関は別々で、渡り廊下で行き来ができるデザインになっている。
昨年、海が結婚することを見越して建て直したらしいが、きっと弥生の思惑が反映された住宅なのかもしれない。
社長の自宅側のドアを開けると、玄関に社長と弥生が立っていた。
「山口奈緒さん、それなら奈緒ちゃんって呼んでもいいかしら?」
アラフォーとは思えないほど若々しくて美しい女性だ。
エステを欠かさず、高級化粧品を使い手荒れを気にして一切の家事をしなかった。
それはあたかも夫である社長の為と思わせながら本当は若い海とのバランスを考えていたんだろう。
奈緒ちゃん・・・
石井由貴もそんな風に言ってたっけ。
「はい、お義母様とお呼びするにはお若くて綺麗なのでお名前で呼ばせていただいてもいいですか?」
前回は初めは義母様と呼んでいたが、弥生が嫌がり名前で呼ぶことを強要された。だから、今回は先手を打ってこちらから提案しておいた。
「もちろんよ、そう言ってもらえて嬉しいわ」
「では弥生さんと呼ばせていただきますね」
社長と海は穏やかに私たちを見つめていた。
「奈緒、俺たちが住む方の家を案内するよ」
そう言って立ち上がる時、椅子を引き手を差し伸べる海の手を掴む時、目の端で弥生を捕らえる。
弥生の目にはハッキリと嫉妬の色が見えた。
「ありがとう海」
「奈緒ちゃんは海くんのことを海って呼んでいるのね」
「海くん?」
海は少し決まり悪そうな表情をしていると、社長が「弥生は昔から海智を甘やかしていたから」とフォローを入れる。
社長のセリフは前回と一緒だ。
「そうなんですね、さすがにわたしは年上の海には“くん”をつけるのはおかしいですよね」
ふふふ
と、マウントをとってくる弥生に無邪気さをアピールしつつ、”あなた”は年上ね。と暗に伝えると悔しそうに表情がゆがんだ。
楽しい
案内をしてもらった海智の”家”はあまり生活感がなくあの日の景色とはかなり違っていた。
それもそうだ。
この家に入ってから一緒に家具を揃えて家庭を形作っていったから。
でも、前回二人で買わなかったものもあった。
「広くて素敵、色々な部屋を覗いてもいい?」
「もちろんだよ、ここは二人の家になるんだから」
海との生活、そして永遠を思い出す。
キッチンやバスルーム、そしてベッドルームに行くと、最後の日に目が覚めたあのベッドが置かれていた。
今ならわかる、私が来る前は弥生と海が愛し合っていたベッドだ。いや、今も愛し合っている。もしかすると、私がこの家に入った後もこのベッドでしていたのかもしれない、そしてもしかしたら昨夜もここで二人は・・・
気持ち悪い
背後からおもむろに抱きしめられた。
「疲れてない?ここで少し休もうか?」
海はベッドに視線をむける。
「この後は式場を見に行くんでしょ、用事を先に済ませましょう」
海はくくっと笑いながら
「奈緒は時々、俺よりもお姉さんに感じるよ。了解、じゃ行こうか」
あのベッドは替えよう。
コメント
1件
弥生さんとの再会シーン、めっちゃ痛快でした!「奈緒ちゃん」って呼ばれて「海くん」で返すあたり、主人公の冷静な駆け引きが光ってて…前回の反省を活かして先手打ってるのが気持ちいい。ベッドのシーンも「気持ち悪い」って正直な感情が伝わってきて、読んでるこっちもゾッとした。これは続きが気になる展開ですね🔥