呪術VS鬼滅

宿儺はその冷徹な目を見開き、周囲の空間が震えるのを感じた。彼の怒りが爆発し、無数の呪力がその場を支配する。その瞬間、彼の周囲の空間が歪み、真っ黒な闇が広がった。

「領域展開。」宿儺の声が響くと、彼の周囲に広がった黒い空間が急速に膨張し始め、無数の歪んだ形が現れた。それは、宿儺の力の象徴とも言える、圧倒的な存在感を放つ「伏魔御厨子」だった。

「その目、覚悟しておけ。」宿儺は冷笑を浮かべ、目を細める。瞬く間に、黒い闇の中に様々な幻影が現れ、まるで宿儺の意志に従っているかのように、鋭い形をした無数の影が立ち上がった。

その影の正体は、宿儺が放つ力であり、宿儺の呪力を体現する存在だ。その力はもはや物理的な制約を超越し、無限に広がっていくようだった。宿儺の手のひらがわずかに動くと、その影たちは一斉に動き出し、周囲の空間を飲み込むように迫った。

「伏魔御厨子――その中では、時間も、空間も、すべてが俺の支配下だ。」宿儺の声は冷徹で、無慈悲な響きが込められていた。

一方、童磨はその変化を冷静に見守っていた。彼の目には少しの驚きもなく、むしろ興味深くその展開を眺めているようだった。彼の冷徹な笑みが続き、背筋を凍らせるような気配が立ち込める。

「すごいですね、宿儺さん。やっぱり、あなたは違う。」童磨の言葉には、まるで賛美のような響きがある。しかし、その言葉の裏には、無意識に彼の計算が含まれている。

「だが、俺も負けるわけにはいかない。」童磨は自分の体を調整し、手のひらを広げる。すると、周囲の氷が揺れ、まるでそれが命令を受けて反応するかのように、氷の結晶が急速に集まり、光を放ち始めた。

宿儺の領域展開によってその空間は完全に支配されていたが、童磨はその中でも冷徹な目を光らせ、次第に自らの力を増幅させていく。

「なるほど。」宿儺はその様子を一瞥し、「どうやら、ここからが本番だな。」と呟いた。

その瞬間、宿儺の周囲に広がる黒い空間が一層激しく変化し、無数の闇の波が押し寄せる。全ての影が実体を持ち、宿儺の呪力がその存在を明確に示し始めると、まるでそれが全ての人間の恐怖を具現化したかのような圧倒的な力を放ち始めた。

「伏魔御厨子、すべては無に帰す。」宿儺の声が響き渡り、その瞬間、周囲の全ての物質が歪み、空間がねじれ、時間の流れも一瞬で止まるような感覚が広がった。

その力に圧倒された善逸と伊之助は、ただただ身動きが取れず、力尽きたように倒れ込んだ。二人の力が完全に封じ込められ、何もできない状態となっていた。

童磨もその力に一瞬ためらいを見せたが、すぐに冷徹な笑みを浮かべ直し、言った。「まぁ、楽しいことには変わりない。」

しかし、その時、宿儺の目が鋭く光った。「お前も、逃げられるわけではない。」宿儺の呪力が再び増大し、その周囲を完全に包み込んだ。童磨はその攻撃を受け止めようとしたが、宿儺の力が予想を遥かに超えていた。

「どうした？」宿儺は余裕を持ちながら、童磨を睨んだ。「抵抗するつもりか？」

童磨の顔に微かに動揺の色が見えたが、すぐにその表情は元に戻り、冷徹な笑みが浮かんだ。「ああ、少しだけ。だが、楽しい展開になりそうだ。」

その後、宿儺と童磨の激闘が繰り広げられる中、周囲の空間は引き裂かれ、破壊の嵐が吹き荒れた。どちらが勝者となるのか、その結末はまだ見えていない。

だが、どちらも本気で戦い、全てを賭けて挑んでいる