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「そんなOさんと喋るの楽しかったですか??」
いつものように微笑んで、物腰柔らかで、Nの声は穏やかだった。けれど、どこか違和感があった。
その笑みには熱が籠っていた。
焦げつくような、静かな怒りと——隠しきれない嫉妬が。
「……別に普通の会話だ。職員会議の話の続きで雑談の延長だ」
Kはそう返しながら、思わず目をそらした。
この視線のそらし方をNはよく知っている。
Kが何かを誤魔化そうとするときの癖だ。
「でも、楽しそうでしたよ??……俺にはあんな顔してくれないのに」
Nが一歩また一歩と近づいてくる。
Kの背中が机にぶつかり、冷たい感触が走る。
「な、何の話だ……ッ!!」
「Kさんって人には距離を置くくせに時々……他の誰かには甘くなるんですね」
「それはッ…..誤解だ」
「……じゃあ、証明してくださいよ」
耳元で囁く声が落ちると同時に、Kの手首が机の端に優しく、けれど確実に押さえつけられる。Nの力は強くない。でもその瞳が——本気だ。
「……ほんとにO先生とは何もないんですか??」
「……あるわけないだろ!!」
怒鳴るように言っても、Nは表情を崩さない。
代わりに唇だけをすっと近づけて、Kの頬に熱いキスを落とした。
「俺、嫉妬してるんです」
「馬鹿なのかお前…..」
「Kさんが他の人に笑うの、好きじゃない。……Kさんは俺の、でしょ??」
「……ッ////」
Nの指がKのシャツのボタンをひとつずつ、丁寧に外していく。焦らすように、ゆっくりとそれでいて怒りを滲ませる手つきで。ボタンが外れるたびに、ひやりとした空気が肌を撫でた。
「……全部見せてください、俺以外に触られないで」
「……勝手にッ、触るな……ッ♡」
「でも、Kさんの身体……嘘つかないですよね??」
Nの指がKの腰を撫で、熱い吐息が首筋を這う。
Kの抵抗はすでに弱々しいものになっていた。
「……誰にも渡しません……どれだけ逃げようとしても、俺が一番奥まで刻みつける」
「……N……ッ♡やだぁ♡……やめ……ッ♡あぅッ♡」
机に押しつけられたまま、Kの身体が跳ねる。
シャツが乱れ、声を噛み殺しても止められない熱が全身を這っていく。
嫉妬に裏打ちされた、愛と執着のまぐわい。
それはKのすべてを暴き、彼がどんなに口で拒んでも、逃げ場はもうなかった。
Kのシャツが肩まで滑り落ち、白い肌があらわになる。
薄く汗ばんだ胸元をNの指が這うように撫でると、Kはビクリと肩を揺らした。
「……やッ、やだ……ッ♡」
「ダメです。さっきO先生に見せてた笑顔……今すぐ全部俺のに変えますから」
Kの脚を広げるようにして、Nが腰を押し込める体勢になる。机の端に引っかかる背中が冷たいはずなのに、それ以上にNの熱がKの中を焦がしていく。
「見るなぁッ♡こんな顔……ッ♡」
「……じゃあ、もっと感じさせて……見るしかないくらい乱してあげますよ」
Kの耳元でNが囁くと同時に、準備なしの入り口へぬるく濡れた指が沈む。
拒む声も羞恥の震えもNの前ではすべて吸い込まれていく。
「ん……っぁ……あっ、そこ、だめ、そこ──っ!」
Kの脚が震えて、机の上で体をよじる。
けれど、Nの片手がKの腰をしっかりと押さえ、逃がさない。
「ここが……K先生の、一番感じる場所……ですよね?」
「あっ、ちがっ、やだっ、そんな……の、知って、……くそっ、やらし……っ」
「ほら……もう、音までしてる」
とろ、とろと甘い音を立てて、Kの奥がNの指を吸い込んでいる。
Kの理性はとうに壊れて、羞恥と快楽だけが全身を支配していく。
「N……お願い……やめて……こんなとこで……っ」
「ダメです。……俺だけの中に、K先生の全部、刻ませてください」
そして——
指を抜いた瞬間、熱を持ったものが、ずぶ、とKの奥深くへ。
「……っっ、あ……ぁああっ……!」
衝撃と快感に、Kの体が大きく仰け反る。
机の上、誰にも見られない準備室の奥で、数式の書かれた黒板の横で、
Kは何度も奥を突かれ、啼かされて、絶頂へと堕ちていく。
「んぅ♡……んあッ♡も……ぅッ♡だめッ♡」
「もっと鳴いて……俺だけに聞かせて」
「……んぁッ♡Nッ♡……好きぃ♡……好き、だから……もぅ♡やだぁ♡」
「僕もです……誰にも渡さない」
ガツンと深く突き上げられ、Kの頭が真っ白になる。
ふだんの堅物な仮面が剥がれ落ち、ただNのものとして感じさせられ壊されていく。
その夜はKの脚は震えてまともに歩けず、Nは当然のように上着をKにかけ、腰を支えながら言った。
「……明日また他の人に触れたら怒りますからね??」
「……お前、ほんとッ…..バカだな」
「バカでいいです。K先生が俺に甘える顔、いちばん好きなんで」
微笑む年下の恋人にKは赤くなったまま、もう何も言えなくなった。